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ATLIA STAFF BLOG
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6月15日・16日(土日)に、公開制作「あなただけの『住む』をつくろう!」を開催しました。
こちらは夏の企画展「新鋭作家展 第8回優秀者 上坂直、蓮沼昌宏〈あ、これ、ウチのことです。〉」に先行するもの。出品者の上坂直(うえさか・なお)さんが、展示で発表する作品の一部を参加者のみなさまと一緒につくります。

その制作物の元は、9cm角の透明のキューブ。ここに色々な素材を配置して、小さな部屋をつくります。
そうは言っても、なかなかイメージがつきづらい?上坂さんは見本を見せながら、まずは基礎となるパーツ(床、壁、ドア)の設置方法を説明します。
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しかし、作業としては、ぐっとキューブのなかに押し込み、両面テープで固定するだけ!
上坂さんが手づくりで用意したパーツは、キューブにぴったり!それだけで部屋らしくになってしまった印象。
ここに更に「自分らしさ」を加えるため、たくさん用意された素材をつかって部屋の要素を増やしていきます。
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千代紙を壁に貼ってカラフルにしたり、小さく切った造花をビーズに刺して植木鉢にしたり、布でカーテンをつくったり。
上坂さんは参加者のみなさんの机をまわって、「これは何?」「それ、かわいい!」と話しかけながら、一緒に手を動かしました。
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話を聞くと、「これはね、100万円のツボ!」「青くしたい、青いインテリアで絶対そろえる」「部屋にハンモックがあるのが憧れで…」などなど、思わぬこだわりを発揮する人が続出!
細かな作業に集中していると、いつのまにか時間が経ってしまうみたい。受付直後の13:30からはじめて、終了時間の17:00まで粘る強者も。

最後に、曇りガラスのドアの向こうに、その部屋で生活している人を黒いポスカで書きこみます。
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理想の部屋を実現しただけに下手なものは描きたくない、と、ここで苦戦する人も続出!要らない紙をつかって練習する場面が多く見られました。
人物を描いたものはもちろんのこと、猫・犬など一緒に暮らしたい動物だったり、オバケまで登場!?暮らす人(?)も、個性豊かなお部屋がたくさん生まれました。
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完成したものは窓際の展示スペースへ持っていき、他の人の作品と並べてみます。
並べるとそれぞれの違いがよくわかって、同じ材料をつかっていても、まったく違うインテリアが出来上がっていることに驚く参加者も。
向こうから外光が差し込んで、黒ポスカの影もはっきり見える!いろいろな角度から覗いてみます…まるでミニチュアのアパートみたい!
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自分のつくったものだけでなく、他の人の作品をまじまじと鑑賞したり、一緒に記録写真を撮る参加者もたくさん。
実際に手を動かしてみたことで、できあがったものへの関心も高まったようです。「展覧会が楽しみ!必ずくるね」と言ってくださる方も。講師もスタッフも、お待ちしております!

このイベントでできた作品たちは、展覧会で上坂さんの展示スペースに登場します!
ぜひ本展にお越しいただき、参加者のみなさまがつくった理想の「住む」を、探してみてください。


そして、「あー、参加したかったかも!」というみなさまに、ぜひお願いしたいことがあります!それは、上坂さんへの情報提供。
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上坂さんの掲示板「あなただけの『住む』、教えてください!」が館内に設置されています。
「壁には何が飾ってある?」「廊下や玄関につい置きっぱなしにしてしまうものは?」など、あなたのおウチに関する簡単な質問に答えると、それが上坂さんの作品のアイディアになる(かもしれない)!
こちらは展覧会開始後も引き続き館内に設置される予定。きっともっと身近に作品が感じられるようになって、鑑賞も楽しくなりますよ。
お近くにいらっしゃる際にぜひ気軽にご参加くださいね。



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〈新鋭作家展 第8回優秀者 上坂直、蓮沼昌宏 「あ、これ、ウチのことです。」〉
2019年7月13日(土)~8月25日(日)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで)
休館日:毎週月曜(ただし7月15日・8月12日は開館)、7月16日(火)・8月13日(火)
※本展準備のため、7月9日(火)~12日(金)は臨時休館となります。ご了承ください。


本展に関するブログ記事はこちら↓
夏の展覧会〈あ、これ、ウチのことです。〉始動!(出品者と展覧会趣旨のプチ紹介)
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by atlia | 2019-06-30 11:53 | 企画展
6月9日(日)、「アトリアデビュー[色の中にとびこもう!]」を開催しました。アトリアデビューは、はじめてアトリアに来てくれる子どもたちにアートに親しんでもらうワークショップです。講師は画家の伊藤 泰雅さん。今回は年中・年少さんの参加者が午前11人、午後15人集まり、大きな色画用紙に絵を描きました。

ワークショップのはじめに、講師の作品を鑑賞しました。今回の制作は子供たちが普段使っている白い紙ではなく、あえて濃い色のついた紙に描いていくもので、色の重なりが大きなポイントとなります。講師が「光が降ってくるようなイメージで描いた」と言うカラフルな作品を近くで見ていると、様々な色の重なりに
気づきます。
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続いて講師から色についてのお話しがありました。絵具を塗った透明なアクリル板を使い、その下に敷く紙の色を変えてみると…絵具の色が見えなくなったり、下の色と混ざって別の色に見えたり。その変化を子どもたちはじっと目で追いかけます。
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色のお話を聞いた後は、実際に描いてその違いを確かめてみます。午前に描く紙は黒と青の色画用紙だったので、大きな黒い紙の上に小さな青い紙を置いて同じ色で両方の紙に描いてみました。こちらにはきみどり色の絵具を使いましたが、緑色は青と色相が近く、青い紙よりも黒い紙の方が色が目立ちます。子どもたちにはその様子を確認してもらいました。
大きな紙に描く口火も切られたところで、参加者は黒い紙チームと青い紙チームの、二手に分かれて制作開始です!
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今回は大きな紙に大胆に描いていこうということで、アトリアではオリジナルのスタンプやローラーなどの道具を準備していました。絵具の色も12色準備して、スタッフは絵具屋さんのように道具に色を塗って子どもたちに渡していきます。それを受け取ってゴロゴロゴロっと大胆にローラーを走らせていく子、スタンプをじっくりと押し並べてみる子。それぞれの動きと選んだ色が、画面に収められていきます。
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大きな紙も元気な子どもたちの手にかかるとあっという間に埋まっていきます。終盤には特大ローラーが登場。これは2人で協力して転がします。一方では筆に持ち替えて一所懸命に何かのモチーフを描く子がいたり、一枚の絵の上で様々なタッチが共存しています。こうしたいきいきとした共同制作は小さい子どもたちならではかもしれません。
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途中、黒い紙チームと青い紙チームは入れ替わり、最後は好きな場所に描こう!と講師が声を掛け、時間いっぱいいっぱいまで描いて、大きな絵は完成!
制作終了後は絵を引っ張り上げて縦にして、鑑賞の時間。講師は講評として、「いい色」になった部分や「面白い形」などを見つけ、参加者に知らせました。絵が立ち上がった時には子どもたちから歓声も上がりました!

午後は、メンバーが替わり新たに制作を開始。講師作品の鑑賞と色のお話から活動に入る工程は午前と同じですが、今度は大きな黒と赤の色画用紙に描きました。
紙の色が変わると、また雰囲気も違ってきます。違う色の紙のを並べて描いてみるのを、今度はオレンジ色の絵具を使って行ってみました。道具をすぐに使いこなす子どもたち!
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色の重なりを観察した後は、二手に分かれて黒・赤の紙に描いていきます。道具を試したり、色で遊んだりしているうちに画面は一気ににぎやかに。道具も絵の具も午前と同じものですが、全く違った表情が出来ていきます。また午後は午前に比べ人数が多かったため、色の重なりもさらに進みました。

今回のワークショップでは色をしっかりと重ねながら描くことができるよう、乾燥が早く、乾くと耐水性になるアクリル絵具を使いました。制作中には乾きながら絵具が重なっていく部分と、乾く前に混ざる部分とができ、複雑で美しい色がたくさん生まれました。

また同時に、色画用紙に描いたときによく目立つ色(黒い紙に対して白の絵具、赤い紙に対して黒の絵具 など)が徐々に人気が出ていきました。紙の色と絵具の色の重なりに子どもたちが気がついて、選んでくれていたのかもしれません。
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体をいっぱいに使って、色画用紙に手を加えていく様子はまさに「色にとびこむ」よう。どんどん、どんどんと変化を経て、元気いっぱいに描き重ねられた作品は完成!
制作終了後は、やはり絵を立てて作品鑑賞。一生懸命絵具と格闘して作り上げたものは子どもたち自身にも意外で、面白い様子。自分たちで描いた絵のあちこちを眺めていました。
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出来上がった作品は、午前・午後を合わせて計4点。お互いにまったく異なる表情となり、気になるディテールやどうやって描いたんだろう?と思う箇所などなど、どの絵も見所がいっぱいです。今回の成果物は7月7日まで館内に展示しています。小さな子どもたちが描いたとは思えないほど、大きくてパワフルな絵をぜひご覧下さい。
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by atlia | 2019-06-14 15:33 | ワークショップ
6月8日(土)、アートさんぽ[マンホールをめぐって ー 足元にある世界]を開催しました。講師は白浜公平さん(マンホール愛好家)と長谷川善一さん(長谷川鋳工所社長、彫刻家)。鋳物のまち川口の産出品である、マンホールの蓋の鑑賞ポイントと製造技術に詳しいお2人の案内のもとアトリア~川口駅周辺を探索し、普段はあまり注目しない足元から、まちの魅力をとらえ直そうという企画です。
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スタート地点の館内会場には、講師からお借りしたマンホールの関連グッズや資料が展示されています。興味深そうに見入る参加者に向けて、まずは白浜さんが「そもそもマンホールとは何か」といった根本的なところから、基礎知識と見どころをレクチャーしました。「地紋(蓋全体を覆う模様)」から製造元や設置された歴史的経緯を推理できることなど、蓋が示す情報の幅広さに驚かされます。
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続いて長谷川さんが、生産者の視点からマンホールの蓋の機能とつくりについて解説しました。「鋳型となる砂の中に、製品の形の空洞をいかにつくるかが勝負」と長谷川さん。鋳物師たちの高度な空間把握能力によって、気密性と耐久性に優れたマンホール鉄蓋が生み出されています。
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鉄蓋鑑賞の視点が備わったところでいざ、さんぽへ出発!一歩外に出れば、もうそこら中の地面にある蓋が目につきます。例えば雨水を地下に流すもの、消火設備を内蔵するものなど、マンホールの種類と役割は様々。
鉄砲百合と竹ざるをモチーフにした蓋は川口のご当地マンホールのひとつ。「技巧派」と白浜さんが賞する複雑な立体構造が特徴です。市の下水道維持課職員の協力のもと、内部が特別公開されました。滅多にない機会に一同拍手喝采して覗き込みます。
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アトリアが位置する「リボンシティ」の奥には、星マークの鉄蓋が3つ仲良く並んでいます。かつてこの地で80年間操業していた「サッポロビール埼玉工場」を記念したモニュメントです。本来の機能は失われていますが「まちの記憶を伝えるものとしてきちんと残すことが重要」と白浜さん。マンホールの蓋もひとつの文化遺産なのですね。
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「ふじの市商店街」には12星座をあしらったマンホールの蓋が並んでいます。絵柄のユニークさについて白浜さんが語り、素材や製法について参加者から質問があると長谷川さんが答えていきました。
道と商店との間に散らばる「制水弁」などの小さな蓋にも注目。道路をつくる際の「土木」と、建物をつくる際の「建築」のどちらに属するのか見極めることも、都市設備を知るポイントなのだそう。
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道を更に進んで、モザイクタイルのカラフルなマンホールが並ぶ「樹モール(川口銀座商店街)」へ。描かれた動植物をよく見れば、同じ柄でも配色がひとつひとつ違うこだわりっぷり!
隣接する広場では、川口の歴史文化を描いた鋳物のレリーフにも注目しました。交通の変化が地域にもたらす影響などを昔の地図からたどることができ、参加者同士で会話が弾みます。
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商店街から川口駅前へ抜けると、東口ロータリーには長谷川さんが代表を務める長谷川鋳工所製の鉄蓋が並んでいます。中でもひときわ異彩を放つ黄金色の蓋。真鍮でコーティングした独自のデザインで、世界にたったひとつなのだそう。
考案したのは先々代の社長。その時代の蓋には、全体の補強と踏まれた時のガタつき防止のためドーム状のわずかな膨らみがあります。製造技術の向上により今現在のマンホールはみな平板。足の裏で確かめる参加者たちに加えて言うことには「雨にさらされて出る錆が人や車に踏まれることで安定し、それ以上の腐食を防ぐ効果になることが、マンホールの蓋が古くから鉄でつくられるひとつの理由」なのだとか。
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ひたすらに下を向き歩き続けた数時間、常ならば15分ほどの道のりに、これまで見えなかったディープな世界が広がりました。マンホール鉄蓋の凝ったデザインに産地ならではのこだわりを感じつつ、鋳物産業と都市機能の結びつきに思いをめぐらす、川口らしいアートさんぽとなりました。

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by atlia | 2019-06-12 14:29 | アートさんぽ