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ATLIA STAFF BLOG
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12月20日(日)、ワークショップ[キラキラ光る蛇をつくろう!~安行原の蛇造りから~]を開催し、小学3~6年生7名にご参加いただきました!
講師は全国各地で旅をするようにワークショップを行っている塩川 岳さん。川口の伝統行事「安行原の蛇造り」からインスピレーションを受け、キラキラと光を反射する素材で大きな蛇を協働で制作しました。
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そもそも「安行原の蛇造り」ってなんだろう?それを知るために塩川さんはスライドを用意してくれました。安行原という地域に伝わるこの行事は江戸時代から続く伝統行事。五穀豊穣などを願い、毎年5月24日に藁を編んで蛇を制作します。その大きさはなんと10m!塩川さんはビニールやセロファンといったキラキラ光を反射する素材で「アトリアの蛇造り」を行おうと言うのです。
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蛇造りについて学んだ後は制作へ!園芸用の支柱を曲げ輪にしたものを交差させ結束バンドでつないでいきます。頭から尾にかけ次第に細くなるように。みんなで協力して輪を支え合いながらしっかりとつないでいきます。
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「骨組みが完成したらテープでビニールを貼っていこう」と塩川さん。このビニールは蛇の皮膚になっていきます。このビニールを貼っていく過程では骨組みの外側からだけでなく、内側からも貼っていかなければなりません。ひとりでは素材も大きく難しい作業です。
「外側でビニールを広げるから骨組みの中からテープを貼ってね」「じゃあテープがほしいときは声をかけるね」どうやら高学年の参加者がリーダーシップをとって役割を分担している様子。参加者同士声をかけ合って制作を進めていきます。
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次第に蛇の形が見えてきました!セロファンやアルミホイルで目や鼻、うろこなどの装飾を施していきます。大きく開けた口にも歯や舌をつくり、なかなか迫力のある蛇になってきました。
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「顔をキラキラさせたい!」と他の人がつくった部分にアレンジを加えることも協働制作ならでは。体にはリボンをつけたり、アルミホイルを巻きつけたり。そしてアトリアのオリジナルの蛇を完成させました!

そしてみんなで鑑賞タイム。塩川さんはミラーボールの照明で鑑賞しようと提案します。会場を暗くしてミラーボールのスイッチon!すると蛇がミラーボールの光をキラキラと反射しはじめます。まるで蛇に命が吹き込まれたかのよう。会場の雰囲気が一気に変わり参加者からはわっと歓声が上がりました。
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こんなに大きな作品をつくったのは初めてと喜びもひとしおの参加者たち。
みんなで力を合わせて制作する楽しさを味わう時間となりました。

完成した作品は12月27日(日)までスタジオのガラス面で展示をしております。
お近くにいらした際にはぜひご覧くださいませ。
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by atlia | 2015-12-25 10:23 | ワークショップ
12月12日(土)・19日(土)、たのしい実技講座「木版画~摺りの深い味わいを学ぶ~」を開催しました。
講師は岩佐徹さん。色を摺り重ねたり、水彩のようなぼかしを生かしたり、木版画ならではの優しい味わいをもつ作品を手がけている版画家です。
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版画ができる工程は大きく3つにわけることができます。「原画を考える(描く)」「版木を彫る」「彫った版木で摺る」。江戸時代に大量につくられた浮世絵の制作では工程ごとに絵師、彫師、摺師、と複数の人数で手がけることもあったくらい、それぞれの技法は奥深いのです。
今回はあえて描く・彫るということをせずに、摺師のように摺ることだけで多彩に表現できる版画に挑戦しました。
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しかし、摺るだけで表現、といってもすぐにはぴんとこない様子の参加者。1日目、はじめの挨拶のあと、すぐに岩佐さんが取り出したのは「バレン」でした。これは見たことがあるようなものですが、触ってみてくださいと促されいくつか手に載せてみると、確かにわかるくらい触感が違います。細い紐を何本も編みこんでつくった紐に「こんぺいとう」と呼ばれる編み目をつくりながら強度を出し板状に巻いたものを竹皮の中に仕込んでつくられた、岩佐さん手づくりのバレン。かすかに違う凸凹をつくったり、巻く密度を変えたりすると、バレンの種類は無限になります。つまり「バレンによる摺り跡」で表現が多彩になるのですね。それを強く押しつけるように全面を摺れば「つぶし摺り」となり、紙の地の色が残るように摺れば「ゴマ摺り」と呼ばれるようになります。「ぼかし刷り」は版木にのせる絵具をグラデーションさせることでつくります。
もちろん、摺りとる絵具に水分がどれだけ含まれているかなどでも仕上がりに違いがでる、と岩佐さん。
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話を聞いた後は実際に摺りに挑戦してみることに。教わった摺り方をそれぞれに試していきます。渡されたのは小さなただの板という印象でしたが、それに絵具をのせて和紙に摺りとるたびにバレンへの力のかけ方を変えていくと、表現がはっきりと変わりビックリしている参加者も。一番単純に見えた「つぶし摺り」はかなり力が必要で、思ったより難しい!岩佐さんに絵具の水分量や摺り方のコツを教わりながら試行錯誤を重ねます。1枚の板に向き合うだけで1日目が終了するほど、その多彩な表現には限りがないことが実感できました。
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2日目は試した摺り方を生かして制作を行います。ここで用意されたのはLの形をした版木。これも相変わらず何も彫られていませんが、回転させて何度か摺ることでパズルのような面白い色の重ねが表現できます。版木に記された「見当」と呼ばれる印に紙をあわせれば正方形に。
さっそく1色目、版木に水で溶いた水彩絵具をブラシで十分にのばします。慎重に見当にあわせて湿らせた和紙をぱらりと置くようにやさしく載せ、上からバレンで力を加えていきます。ある人はゴマ摺り、ある人はつぶし刷り。そっと和紙をめくると綺麗なLがでてきました。そこで版木を180度あるいは90度回転させ別の色を版木にのせます。そして摺る、その繰り返し。つぶし摺りとぼかし摺りを同じところに重ねたり、ゴマ摺りでも強くしたり弱くしたり、摺り方を変えず色の組み合わせを変えてみたり、1枚の和紙の上で多様な摺りを行うことで作品に奥行きがでてきました。何度か摺り終えた作品をまじまじと眺め、もう1色重ねようか、ここでやめようか、手を止めるタイミングを考えるのも楽しい悩み。正方形なので紙自体を回転させてどの角度が一番良く見えるのかを考えなおすこともできますよ、という岩佐さんの呼びかけには、はっとした顔の参加者も。こういうところでもそれぞれの表現が広がりました。
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最初は「彫らない版画」にぴんときていない様子だった参加者のみなさんでしたが、この2日間のなかで「摺り」だけで多様な表現ができることを実感してもらえたようです。完成した作品を全員で眺めていると、他の人の作品について、ここは3色重なっているな、このぼかし刷りがいいアクセントだね、と使われた技法を読み解けるようにもなったみたい?
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版木やバレンなどの道具から絵具・和紙などの材料、そして正方形ができたことまでは全く一緒。しかし、摺る人によってまったく異なる表情になった作品はひとつひとつが個性的で味わい深いものとなりました。

ご参加いただいたみなさまありがとうございました!

本実技講座で制作した参加者さんの作品は、〈アートな年賀状展2016〉で展示されます。
温かみのある作品を、ぜひ見に来てくださいね。


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〈アートな年賀状展2016〉
お寄せいただいた手づくりの年賀状を展示します。はがき1枚に様々な気持ちをこめた作品が新年のアトリアを彩ります。みなさまと一緒につくりあげる展覧会をどうぞご高覧ください。

[会  期] 2016年1月8日(金)~1月24日(日)
[開館時間] 10:00~18:00
[休館日]  月曜日 (ただし1月11日(月祝)は開館、12日(火)は休館)
[観覧料]  無料

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by atlia | 2015-12-23 13:00 | 鑑賞講座・実技講座
川口市内の小中学校に第一線で活躍するアーティストやデザイナーを派遣し、特別な授業を行う長期プログラム[アーティスト・イン・スクール]。
第10回目の今年度は[ぼくらはひかりを変えられる]と題し、現代美術家の出田 郷さんと里小学校5年生の123名が10月から活動してきました。
このブログでは授業の様子をお伝えしてきましたが今回が最後の更新です。展示会場で行ったまとめの授業をレポートします!

学校からバスに乗り込み、いざアトリアへ!いつもの授業とは異なる学外での活動にワクワクの児童たち。ついつい姿勢も前のめりになってしまいます。
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アトリアでは出田さんが児童たちを迎えます。学校での制作の授業を終えてから3週間あまり。毎週のように顔を合わせていたのでなんだか久しぶりに感じます。
そしていよいよ出田さんに招かれるように会場へ。暗幕をあけるとそこにはカラフルなひかりを反射する作品たちが!
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懸命に作品を完成させた児童たちは他の班の作品を見ていなかったため興味津々。早速指示書を読んで作品を動かし始めます。
さぁどこにひかりがあるのだろう?壁や天井を見上げると…「あった!」思わず顔がほころびます。
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友達が自分の班の作品を楽しむ様子を見て、誇らしく嬉しそうな表情。
どうやったらよりたくさんのひかりを動かせるか、楽しんでもらえるか。見てくれる人の反応があったことで作品の制作を振り返ることができました。
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作品を鑑賞し終わったところで、今回のアーティスト・イン・スクールの感想を発表。
「思っていたよりにひかりの反射がきれいでびっくりしました」
「制作しているときには難しいこともあったけれど、展示できてよかったです」
「自分の班の作品が一番面白いと思います!」
出田さんに感想をお話しできるのもこれが最後、一生懸命に伝えます。出田さんも想像以上の素晴らしい展覧会になったと感想をお話しました。
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実体が捉えがたいひかりをつかまえる実験から始まった今回のアーティスト・イン・スクール。
授業を通して出田さんが伝えたかったことは「経験し、感じること」。思えば児童たちが制作で悩んだときに言葉で説明だけするのではなく「試しにつくってみよう」「実験してみよう」とアドバイスをしてきた出田さん。
そして実験をしてみると予想と異なる結果になることもしばしばありました。時間はかかったけれど全員が納得して制作ができたのも実験を行ったからこそ。児童たちはその大切さを制作を通して学んでいきました。
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まとめの授業でお別れにはなりますが、授業を通して出田さんが伝えていった「経験し、感じること」は生活のなかでもとても大事なこと。
授業の枠を超えて、これからの経験からより豊かに自分らしく工夫して過ごしていってくれたら。
そんな気持ちでバスを見送りました。


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第10回アーティスト・イン・スクール
〈ぼくらはひかりを変えられる〉
出田 郷(現代美術家)×川口市立里小学校5年生123名
授業期間:2015年10月7日(水)~12月2日(水)、全6回(各クラス)
成果発表展:2015年11月21日(土)~12月6日(日)、全14日間
主催:川口市教育委員会
企画:川口市立アートギャラリー・アトリア
撮影:阿部萌夢、長田水紀
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by atlia | 2015-12-18 22:10 | 学校×アトリア
12月13日(日)、ワークショップ[大さわぎ!ヤドカリごっこ]を開催しました。
この日、あいにく寒い雨の日となりましたが、元気いっぱいの小学1.2年生16名にご参加いただきました。
講師は新生呉羽さん(美術家/舞踊家)。身体をいっぱい動かしながら、工作もダンスも、みんなで色々できちゃう欲張りなワークショップです。

しかし、ヤドカリごっこと言われても、どうしたらよいやら。妙な格好の人たちがたくさんいるし…。
戸惑い気味の参加者も見られましたが、やどかりのお家だというテントに全員を集めて新生さんがお話をしだすと、その世界に引き込まれていきました。
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物語はヤドカリとたぬきの出会いから始まります。
ヤドカリたち(参加者)が海で暮らしていたところに、たぬきたちが遊びにやってきます。そう、先ほどの妙な格好をしていた人たちはたぬきだったのです。いつの間にかテントの周りに集まって一緒に話を聞いています。
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仲良くなった両者はまた会おう、なんでも相談しようね、と約束していったんお別れ。

そこでヤドカリたちはよりヤドカリらしく成長するため、色々な動きを学習してみようと話し合います。
新生さんに連れられて、身体を動かしはじめる小さなヤドカリたち。海に見たてた白い会場を自在に動きまわりはじめます。
こそこそ小さく歩いたり、ちょきちょきハサミを動かしたり、ぴょんっと足を上に持ち上げて貝に入ったり、波にのってぐるぐるしたり。ヤドカリらしくなってきたぞー!
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でも何か足りない?そうだ、ヤドカリは貝殻を背負っているのです。やっぱりそれが無いとヤドカリにはなれない気がしてきました。
どうやって探せば良いかな?そこでなんでも相談しようと約束したたぬきたちに知恵を借りに行こうと相談します。

しかしたぬきたち、すぐにはうなづきません。「本当にあのときのヤドカリたちか?随分大きくなってるぞ」「ヤドカリだっていう証拠を見せてよ」
ヤドカリたちは「じゃあ僕たちのヤドカリダンスを見せるから、そしたら手伝ってくれる?」と交渉します。練習した身体の動きを活かしてヤドカリダンス!
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それを見たたぬきたちは、ようしと手伝いの準備を始めます。
取り出したのは半透明の不思議な紙。新生さんとたぬきたちは、ここから貝殻をつくろうというのです。
くしゃくしゃとシワをつけながら、何枚かをつないでいきます。これで本当に貝殻ができるのかな?ちょっと疑わしいけれども、ぺたぺたと工作を楽しむヤドカリたち。
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たぬきも一生懸命手伝ってくれました。つなげた紙を丸めていくと、いつの間にか貝殻ができてきた!
かたちが見えてくるまでは少し時間かかかったけれど、がまんしただけ立派なものができました。
更にぺたぺたとシールを貼って、ヤドカリの新しいおうちの完成です!
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素敵なおうちを手に入れたヤドカリたちは、もっと張りきってダンスを披露!身体もひとまわり大きくなったみたいにのびのび動きまわります。大きな海で泳いで流れに乗って漂ったり、テントからこっそり出ていくような動きも、自分たちで思いついたことです。
まるで本物のヤドカリみたい!大きな空間いっぱいに海や砂浜が広がっていくのが見えるようです。たぬきもいつの間にか一緒になって、わいわい賑やか大さわぎ!
しかし楽しい時間にも夜がやってきて、あたりは暗くなりはじめました。
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みんなで手をつないで、ざぶざぶと波の中を歩くように足並みを揃えていきます。ぱたぱた、さらさら、砂の流れる音が聞こえ出します。
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やがて波が終息していくように息を整え、すーっとその足踏みを止めました。

ヤドカリごっこはここで終わり。でも参加者たちには白いシートがまだ砂浜に見えている様子。
ずっと遠くへ泳いだかのような心地よい疲れと充実感が漂います。
ダンスして、工作して、ヤドカリに「なりきる力」が磨かれて。普段よりずっと思い切って表現をすることができた時間となりました。


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by atlia | 2015-12-17 16:47 | ワークショップ
現在アトリアでは手づくりの「アートな年賀状」を募集しています。

1枚のはがきに気持ちを込めて新年の挨拶を送る年賀状。手づくりの年賀状をアトリアへもぜひ送ってください。
送っていただいたものはすべて新春企画〈アート年賀状展2016〉で展示いたします。
オリジナルティあふれる年賀状をお待ちしています。

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たくさんの皆さまからのご応募お待ちしております。

〈アート年賀状展2016〉にについて詳しくはアトリアHP「展覧会ページ」から

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by atlia | 2015-12-07 13:46 | 企画展
2016年1月11日(月・祝)に開催するワークショップの参加者を募集しています。

[古代文字を書いてみよう]
古代文字についての成り立ちや意味を一緒に学んでみませんか?普段使っている文字の成り立ちを知ったら意外な発見に出会えるかも!?
普段使用するサイズの半紙に何回か練習をしたらいざ挑戦!大きな紙に身体全体を動かしてダイナミックな一文字を表現します。めいいっぱい身体を動かして楽しみましょう。

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〈アートな年賀状展2016〉関連ワークショップ
[古代文字を書いてみよう]
日時:1月11日(月・祝)13:00~16:30
対象:小学生3~6年生 20名
参加費:500円
講師:福島絃峰(書家)
応募締切:12月16日(水)必着 


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多くの皆さまのご応募お待ちしております。

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by atlia | 2015-12-07 11:59 | ワークショップ
川口市内の小中学校に第一線で活躍するアーティストやデザイナーを派遣し、特別な授業を行う長期プログラム[アーティスト・イン・スクール]。
第10回目の今年度は[ぼくらはひかりを変えられる]と題し、現代美術家の出田 郷さんと里小学校5年生の123名が活動中!授業は10月から11月中旬まで。
「ひかり」をテーマに鏡でひかりを反射し動かせる作品を制作します。

レポート第5弾の今回は制作の後半戦!完成までの様子をお伝えします。

前回は設計図にしたがって材料を用意したり、試作を行ったりとアイデア実現に向け手を動かし始めました。
今までは制作を進めることに集中していましたが、作品を展示するために「見せる」視点も必要になってきます。そこで出田さんは作品を動かす人にその動かし方や注意を伝えるためのプリントを配りました。動かす方法を考えることも含めて作品制作。その視点を踏まえつつ今日は完成に向け制作を進めていきます。

こちらは作品の土台がすでにできている班。鏡を六角形に切った木材に接着し始めましたが・・・あれ?鏡が足りない!?計画通りの配置にするためには色つきの鏡の枚数が足りないと判明したのです。色つきの鏡は鏡面に透明のカラーシールを貼ったもので、つくるには時間がかかります。配色を変える選択肢もありますが、はじめから色にこだわってきたので「色と貼る場所は変えたくない」という強い思いから気持ちをひとつに。少ない時間で鏡を木材に貼る作業と並行して鏡の加工を行い、完成を目指します。
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制作が進むにつれて児童たちはより魅力的な見せ方・動かし方を模索し始めました。
こちらは鏡をつけた棒を穴の開いた厚紙の下で回すアイデア。作品が形になってきたところでひかりがどう反射するのかが気になります。


こちらの班は鏡をつけた棒を穴を開けた厚紙の下で回すアイデア。作品が形になってきたところでひかりがどう反射するのかが気になります。
そこで出田さんはひかりの反射を見るため別の教室にアトリアでの展示空間を再現しているのでそこで実際に作品を動かしてみようと提案します。
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その教室の扉を開けると真っ暗な空間の中で上の方から床が照らされていて、そのひかりの中に作品を置いてみますがあまりひかりを反射しません。児童たちはどうしたらひかりが反射するのか考え込んでしまいます。すると児童のひとりがひらめきました。もっと鏡にひかりが当たるように穴の大きさをもっと広げてみよう!実験を行ったことで作品の良さを引き出すことができました。


制作が終わった班から授業の初めに配られたプリントにとりかかります。ここでは作品をどう「見せる」かという視点が大切。ひかりに当て動かしたときの経験を踏まえて、班員同士意見を出し合います。浅い箱に鏡を入れ傾けて動かす作品を制作した班は「手で触って動かすのも面白いから試して欲しい」という思いをこぼします。どうやらいくつか動かし方を提案するようです。作品を見にきてくれた人が楽しんでいただけるように、という気持ちがいっそう強くなりました。
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プリントが書けたら、班ごとに感想を発表。「ノコギリの作業が大変だったけど、完成して良かった!」「想像していたよりもたくさん反射してきれいだった」笑顔を浮かべながら感想を述べる児童たち。出田さんもみんなで協力して思っていた以上に面白い作品ができたと今回のアーティスト・イン・スクールの感想をお話ししました。
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ひかりの反射を活かし動かす仕組みを考え制作する、という盛りだくさんな内容でしたが、全ての班の作品が完成しました!
ひかりを「見る」ことから始まって作品を「見せる」ことへ、児童の視点は広がっていったようです。

しかしこれで終わりではないのがアーティスト・イン・スクール。成果発表展の会期中にアトリアにて最後のまとめの授業を行います。
他の人がどのように作品と関わるのか自分の目で確かめるところまでが今回の試み。学校で見ていた作品とはまた異なる姿が見られるかもしれません。

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このブログでは授業の様子をお伝えしていますが、児童たちの成果を直接見ていただける展覧会をご紹介!
第10回アーティスト・イン・スクール成果発表展
〈ぼくらはひかりを変えられる〉
出田 郷×川口市立里小学校5年生123名
会期 2015年11月21日(土)~12月6日(日)
休館日 月曜(但し11月23日(月祝)開館、翌24日(火)休館)
開館時間 10:00~18:00(土曜日は20:00まで開館)
会場 川口市立アートギャラリー・アトリア

アーティスト・イン・スクールは市内の小中学校で長期的に授業を行うプログラムです。その成果をアトリアで展示するのも醍醐味のひとつ。
本展では児童の作品に触れひかりを動かしてお楽しみいただけます。
みなさまのご来場をお待ちしております。
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by atlia | 2015-12-04 10:13 | 学校×アトリア