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ATLIA STAFF BLOG
カテゴリ:鑑賞講座・実技講座( 34 )
 去る11月16日(日)、秋の企画展〈川口の匠vol.4麗のとき〉関連として、やさしい鑑賞講座[根付と粋の文化/掌中に宇宙を創造する]を開催しました。
 講師は本展出品者のひとり、現代根付師の齋藤美洲さん。江戸時代から伝わる根付の伝統技術を受け継ぎながら新しい表現に精力的に取り組み、その精緻な技術と動的な表現により、世界的にも「BISHU」の名で知られています。
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 やさしい鑑賞講座の導入として、まずは「根付とは何か」という基本的なところからお話しくださいました。根付の起源は燧石(ひうちいし)など旅の必需品を入れて腰に提げる袋、いわゆる「提げ物(さげもの)」と深く関わっているそうです。着物の帯に提げ物を固定して便利に持ち運ぶための留め具として生み出され、江戸時代に武家は印籠、庶民は煙草入れなどを提げる習慣ができてからは、その意匠に合わせて凝った根付がつくられるようになったのだとか。当時の人々のお洒落と身だしなみとともに発展していったのですね。

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 その粋の文化を、古典根付の名品に見ることができます。故事を題材にした根付からは当時の日本人の教養の高さが伺え、使い込まれて表面が磨り減った獅子にはそれを計算に入れての着色と彫りが施されており、ものへの愛着や変化を美しさと捉える感性が表れています。
 歌舞伎などの流行りものをドラマティックに表現した根付もあれば、省略の美を感じさせる、非常にシンプルな形をもつ動物の根付も。美洲さんイチ押しは懐玉斎(かいぎょくさい)という名工が手がけた兎の根付で、ほぼ楕円形の塊の中に絶妙に抑えた動きがあり、その量感と柔らかな曲面から生き物の温もりや息づかいまでもが感じられるようです。

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 人々の暮らしに寄り添い、時代の流れや価値観を映し出す根付。実際にはどのように愛用されたのでしょうか。美洲さんに多くの作品を依頼し収集している愛好家のひとりにスポットを当て、使い方の妙を見てみます。根付は、提げ物とその口を締める緒締(おじめ)との三つを組み合わせて使うのが基本で、郷土の詩を題材にイメージを膨らませた組み合わせ、仕事の赴任先で手に入れた素材をもとに、依頼者自身の思い出を表した組み合わせなどが紹介されました。
 依頼者から出されたお題を美洲さんが豊かに肉付けして根付に表し、更にそれに見合った組み合わせを依頼者が発想して揃える。根付の制作依頼を通じて作り手と問答し、人生の欠片のように集めたコレクションを通じて愛好家同士の親交を深めているのだとか。根付そのものだけでなく、楽しみ方も奥が深いですね。

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 休憩を挟んだあとは、展示室にもある美洲さんの作品を紹介。1971年に始まり根付界のエポックとなった「現代根付運動」や、制作の重要なテーマとなっている「温故知新」「制約の中の自由」「掌中に宇宙を創造する」について解説していただきました。身に着けて愛用する根付本来の価値と美しさを捉えながら、いかに自由な表現を実現し得るか。小さな根付の中に大きな世界を包括していく美洲さんの挑戦は続きます。

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 最後はお待ちかね、美洲さんの作品を手に取り「掌中の宇宙」を感じ取る時間です。この日のために特別に用意された作品の前に集まる参加者たち。まるで宝石を扱うかのように慎重な手つきでためつすがめつ、全方位に行き届いた匠の技と表現に感嘆の溜め息がもれます。別の作品へと移動してからお気に入りの作品の前に戻ってくる参加者も。作品の感想や質問を交えて作者と歓談する有意義な時間となりました。

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 展覧会の会期最終日だったこの日。講座を通じて、展示だけでは紹介し得なかった根付の歴史文化とそれに携わる美洲さんの見識の深さ、掌に気持ちよく馴染む作品の本質的な美しさを実感していただくことができました。この体験をもって、閉館間際まで熱心に展示をご覧になる参加者多数。これからも地域に息づくものづくりの文化とその魅力を様々な手法で伝えていきたいと思います。


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秋の企画展〈川口の匠vol.4麗のとき〉会期は終了しましたが、館内およびホームページにて図録を販売中。約半年間の取材をもとに、匠たちの技や精神、ものづくりとともに刻まれる豊かな時間について詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
by atlia | 2014-11-21 15:25 | 鑑賞講座・実技講座
11月9日(日)、開催中の展覧会〈川口の匠vol.4麗のとき〉関連として、やさしい鑑賞講座[画筆から生まれる美/筆の制作実演]を開催しました。

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講師は大阪国際大学准教授・財団法人筆の里振興事業団特別研究員の村田隆志さん。ご専門は、絵を描くための「画筆」の歴史とその書画表現への影響、近代南画史など。趣味として水墨画も描いていらっしゃるそうで、研究者の視点だけでなく描き手の視点も含めた研究をされています。

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村田さんはスライドで例をあげながら、画筆が現在のような形になるまでのいきさつをお話しくださいました。
江戸時代頃までは、竹の先を細かく裂いてつくった筆や、穂の芯毛に和紙を巻きつけた「紙巻筆」が普及していたそうです。その後、制作技術が向上し優れた筆師や牽引者が出現したことによって、私たちがよく見かける穂と軸で構成された「水筆」が「紙巻筆」に取って代わったのだとか。また、牧畜が発達し材料として得られる毛の種類が増えたことで、用途に合わせた多種類の画筆が生み出され、今日の日本画・水墨画の多様な表現を支えているのだそうです。

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日本画・水墨画を描いたことのない方にとっては、画筆の違いといってもピンとこないかもしれません。そこで村田さんは、出品者の関芳次さんが制作した画筆で紅葉や筍などを即興で描きながら、その使い心地の良さを解説してくださいました。
延々と続く細長い線や曲がりくねった線、毛先をボサボサにしたまま描く線など、書筆と比べ穂先の稼働域が大きい画筆。墨をたっぷりと保ちながら手の動きに素直に付き従ってくれる関さんの筆は、使えば使うほどその質の高さに驚かされるそうです。

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講座の後半は、関さんが筆の制作を実演してくださいました。
机の上に並べられた数多くの道具や毛束。関さんがそれらを順番に手に取り、1本の筆ができるまでの流れに沿って作業が進んでいく様子を見ると、筆の形状はシンプルであるにも関わらず多くの行程が必要であるということに驚かされます。
「手間をかければかけるほど良い筆になります。関さんの筆は本当に描き心地が良く、丁寧につくられていることが伝わってきます。」と村田さん。
日本画家や人形師との直のやりとりによって技を高めてきた関さんだからこそ、描き手の意図を汲み取った筆づくりができるのですね。

一本の筆に込められた匠の精神性と、そこから生まれる豊かな表現を知ることのできる講座となりました。

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次回のやさしい鑑賞講座[根付と粋の文化/掌中に宇宙を創造する]は11月16日。出品者で根付師の齋藤美洲さんを講師にお招きし、根付に見る日本独自の価値感やご自身の制作に対する思いについてお話しいただきます。また、講座の最後には実際に根付に触れることができる機会も設けます。

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根付と粋の文化/掌中に宇宙を創造する
日時:11月16日(日) 14:00~16:00
参加者:一般50名
参加費:300円
案内:齋藤美洲(本展出品者)
応募締切:当日先着順(当日13:30より受付)
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たくさんのみなさまのご参加をお待ちしております。
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by atlia | 2014-11-12 09:56 | 鑑賞講座・実技講座

9月6日(土)、7日(日)、13日(土)、14日(日)で、たのしい実技講座[和竿師に学ぶ竹釣竿づくり]を開催しました。
講師は和竿師の山野正幸さん。江戸時代から続く川口市の伝統産業である竹釣竿を、山野さんから手順やポイントを学びながら、4日間で制作しました。
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今回つくるのは、長さ6尺(約180cm)の2本並継ぎの竹釣竿です。つくった竹釣竿は、実際に海の船釣りで使用することができます。

1日目(9月6日)最初の作業は節みがきです。表面の汚れやデコボコをヤスリ磨きます。こうすることで、後ほど塗る漆の乗りが良くなります。
次に、竹釣竿づくりの肝となるすげ口づくり(差し込み口のメス部分)です。形が歪だと、負荷がかかって壊れやすくなるため、形をきれい丸く整えます。竹の断面はきれいな丸ではなく、Dの形をしているので、さびという小さな竹でへこんでいるところを整えます。
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次に糸巻きです。筒の中を削るため、薄くなるところを補強するための作業です。すげ口の二か所に糸を巻きます。糸が重ならないように、かつ間が空かないように巻くのがこの作業の難しいところ。うまく巻けず、苦戦している参加者が多く見られました。
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2日目(9月7日)の作業はすげ込みづくり(差し込み口のオスの部分)からです。折れの原因となるので、段差なく均等に仕上げます。
次に仮継ぎを行います。すげ口を削り、仮に継いで様子を見ます。栁葉キリという道具で、山野さんが行いました。継ぎ方にもルールがあります。竹の芽(枝が生えていたところ)を互い違いにするように継ぐのです。竹が生えている本来の姿のように継ぐことにより、自然なしなりが生まれてくるのです。

実際に継いでみると、一気に釣竿らしくなってきました。
次に中矯めです。矯め木を使い、竹をくるくる温めながら竹をまっすぐにしていきます。竹の太さに合わせて、矯め木も変えるそうです。
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竹をじっくり見ながら、細かな曲がりをまっすぐに直していきます。
2日目最後の作業は漆塗りです。竿全体に刷毛で漆を塗ります。黄土色だった竹が漆により艶やかな薄茶色なりました。漆を塗ることで見た目を美しくすることと共に、竹を保護できるのです。
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3日目(9月13日)も細かい作業です。まずはガイド付け。穂先から付けていきますが、どこに付けても良いわけではありません。芽を横にした位置で、その上にガイドがくるように糸で付けます。ガイドは小さいものは3mmくらいの小ささ!振動で付けたガイドが落ちてしまうこともあるので、しっかり固定します。
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とても細かい作業ですが、1日目の糸巻きで慣れてたのでしょうか、皆さんするすると巻いていました。
次にリールシート付け。シートは手元の下から握りこぶし3つ分上のところに付けます。
次に尻手ロープ付け。船からの竿の落下防止用のロープを、手元の下から握りこぶし1つ分のところに付けます。

最終日の4日目(9月14日)は、いよいよ仕上げの作業です。まずは山野さんが行う上矯め。コンロで温めながら、矯め木で竹をまっすぐに仕上げます。
次に、収納する時にすげ口を保護するための口栓(キャップ)をつくります。
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そして最後の作業、ガイド、シート、尻手ロープ、竿底に漆塗りです。通常は糸を巻いたところを補強するために塗りますが、参加者は自分の思い思いに塗っていました。それぞれの個性が一番出る作業でした。
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今回の実技講座の醍醐味は、つくることと使うこと、2つの楽しみ方があることです。自分でつくった釣竿で釣った魚の味は格別でしょう。今回の講座をきっかけに、伝統産業を身近に感じていただけたら幸いです。
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by atlia | 2014-09-15 11:36 | 鑑賞講座・実技講座
実技講座[和竿師に学ぶ竹釣竿づくり]追加募集を行います。

江戸時代から続く川口の伝統的な産業である「竹釣竿づくり」に挑戦します。和竿師から手順やポイントを学びながら、実際に海の船釣りで使用できる竹釣竿を制作します。釣りの初心者や和竿に初めて触れる方でも気軽に参加できる実技講座です。
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たくさんのみなさまのご応募、お待ちしております!

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実技講座[和竿師に学ぶ竹釣竿づくり]

日時 9月6日(土)、7日(日)、13日(土)、14日(日) 全4回 各回13:00~17:00
定員 15名(18歳以上、全日程に出席できる方)
講師 山野正幸(和竿師)
参加費 5,000円(材料費込)
申込締切日 9月4日(木)
申込はお電話(048-253-0222)または窓口にて直接受付いたします。

http://www.atlia.jp/ws_lecture/

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by atlia | 2014-08-21 16:38 | 鑑賞講座・実技講座
5月31日(土)、やさしい鑑賞講座[西洋近代美術絵画編「ゴッホ、印象派を超えて」]を開催しました!
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今回の講師は画家・絵画研究家であり、愛知県立芸術大学名誉教授である小林英樹さん。
数々の名画を残したフィンセント・ファン・ゴッホの特に造形について、お話しいただきました。

まずは、ゴッホの製作がはじまる流れをふり返るところからです。ゴッホは故郷、オランダで絵を描き始めました。当時のゴッホの絵画はモノトーンが大半で、貧しい人々、厳しい自然をありのまま描くことで、「上辺」の美しさではなく、内側から滲み出てくる真実を描きたかったのです。
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後にゴッホはパリへ移り住みますが、そこでは印象派が流行していました。明るい色彩が特徴の絵画ですが、ゴッホにとっては上辺の美しさでしかないと感じられ、受け入れられるものではありませんでした。

しかしゴッホは、印象派の絵画を描けなければ新しい絵画を描くことができないと気付き、自分でアレンジして習得しようと試みました。その結果、色彩は明るくなりましたが、今まで培ってきた多くのものを封じ込めてしまうことになりました。
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また、ゴッホの絵画は浮世絵から多くの影響を受けたといいます。パリからアルルへ移り住んだ頃、南仏の鮮やかな色彩・浮世絵の平面的な表現が融合し、多くの名画が誕生したのです。
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ゴッホの代表作である《14輪の向日葵》(1888年夏、ロンドン・ナショナルギャラリー)は、花瓶が縁どられています。今までの西洋の絵画では描かれてこなかったものです。また、ひまわりの花の影も描かれていません。これは、浮世絵の影響を受けた結果なのです。

参加者はプロジェクターで映された作品画像などを真剣に見つめ、お話に聞き入っていました。ゴッホのあまり知られていない絵画も紹介され、新たな魅力を発見できる講座になりました。
by atlia | 2014-06-04 17:38 | 鑑賞講座・実技講座
3月30日(日)には春の企画展関連講座として、たのしい実技講座[墨と水で描く]を実施しました。
前日のワークショップに引き続き、講師は日本画家の新恵美佐子さん。
新恵さんのはつらつとした指導のもと、既成概念に捉われることのない自由で伸び伸びとした水墨画の表現に取り組みました。
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まずはデモンストレーション。
モチーフを「面」で捉える意識を持つこと、また濃墨・薄墨・その中間の墨という3種の特徴を活かしながら描くことを教わりました。
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用意した宣紙(せんし)という紙はにじみ止めの加工がされておらず、墨の伸びやかな表情が楽しめるのが特徴。
また、固形の墨は描く直前に摺ることで、水分に導かれて煤の粒子が紙に浸透していく動きを活発にし、これが滲みを豊かな表情にしていくとのこと。
この宣紙(せんし)と摺りたての墨(今回は油煙墨(ゆえんぼく)という黒色に光沢と深味があるものを使用)によって、美しい滲みが生まれることなども詳しく解説頂きました。
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さあ、いざ実践! モチーフを見つめ、面を捉えて、濃淡を使い分けていきます。
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参加者の皆さんの表情は真剣そのもので、椅子から立ち上がって描く方も多くいらっしゃいました。
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スタッフが事前に摺っていた墨も紙も裏打ち用の糊も途中で追加となるほどで、皆さんの意欲あふれる姿に講師の新恵さんもとても喜んでいらっしゃいました。
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最後は裏打ちの加工を施し、完成した一つの作品として楽しめるようにしました。
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どの参加者の方も蟹・野菜・魚・鳥など様々なモチーフに挑戦し、何枚もの作品をダイナミックに描いていただき充実した講座となりました。
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ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
今後も様々な内容でワークショップ・講座を実施していきたいと思います。ご期待ください。
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by atlia | 2014-04-04 09:35 | 鑑賞講座・実技講座
1月26日(日)、たのしい実技講座「布表紙でつくる上製本ノート」を開催しました。
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講師は上島明子さん(美篶堂)。「美篶堂」は長野県伊那市に工場を、東京(神保町)にショップを構えている手製本会社で、手製本をはじめ本づくりの魅力を分かりやすく丁寧に伝える活動もしています。
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今回つくるのは、布表紙の角背ハードカバー(二つ折、天糊無線綴じ)のノート。
表紙カバーには、埼玉の伝統織物「双子織」を使いました。縞模様が特徴的なこの生地は、蕨で開発された後川口へも広がり明治末期には需要の拡大に合わせて多くの反物がつくられたと言われています。
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先ずは布の裏打ち作業。布を厚く丈夫にするため布の裏側に糊で和紙を付けていきます。次はノートの中面になる紙を折り、背面に糊を付けてプレスする作業。今回は無線綴じなので中面の紙が外れたりしないよう、背面を揃えてしっかりと糊を付けていきます。
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製本の作業は、糊や水の乾き具合も出来上がりに関係するため、丁寧かつ素早く進めていくのがポイントです。
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参加者も講師の実演をしっかりと目に焼きつけていきます。中には、手順やポイントなどをメモしながら学んでいる熱心な方も。
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最後に、裏打ちした布表紙をしっかり貼り込み、1日プレスしたら完成です。
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完成したノートからは、なんとも言えないあたたかさと愛おしさを感じ、手製本の魅力を改めて体感することができた講座でした。
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by atlia | 2014-01-29 17:54 | 鑑賞講座・実技講座
本講座は、伝統的な技法を実際に体験しながら作品を制作することで工芸をより身近に感じ、またその魅力を再認識していただくことを目的に開催しました。
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講師は、漆芸家で鳩ケ谷在住の豊平江都さん。
蒔絵をはじめ様々な伝統技法を用いて、自然美にあふれる凛とした佇まいの作品を多数制作しています。
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今回は、12cm角のプレートに漆を塗ってその上に金箔を貼る「箔絵」に挑戦しました。
制作には「漆」の乾く時間も必要となるため、3日に分けて行いました。
1日目(2013年12月22日)は、まず下絵を考えて描いていきます。
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季節感にあふれるもの、思い出を描いたもの、デザイン性に優れたものなど、参加者それぞれの下絵が完成したら、その文様を薄い紙(雁皮紙・がんぴし)に写して、紙の裏側から弁柄漆で描いていきます。それをパネルに転写し、本銀消粉を蒔きつけたら1日目は完了です。
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2日目(2014年1月12日)は、いよいよ漆を塗って、その上に金箔を貼っていきます。
漆が接着剤の役割を果たすので、丁寧に薄く塗っていくのがポイントです。
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筆は、なんと猫の毛でつくられた専用の蒔絵筆。道具ひとつを見ても、構造や繊細さなど日本の伝統美がぎゅっと詰まっています。
塗り終えて室(ムロ)に入れ、漆が乾き始めたらその上に金箔を貼っていきます。
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少しの風でも箔が飛んでしまうため空調を止め、呼吸も止めながらの緊張感あふれる作業です。
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「こんなに緊張したのは久しぶり!」と、一発勝負の作業を終えて心地よい達成感に包まれている方も。

最終日(1月19日)は、金箔がはみ出してしまった余分な部分を整えて仕上げたら、朱漆、緑漆、黒呂色漆などの色漆を使って彩色を施していきました。
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最後の作品鑑賞会では、じっくりと時間をかけて完成した素晴らしい作品がずらりと並びました。
参加者からは 「箔絵の技法を学べたことで、漆器などにも興味を持つようになった」 「工芸の作品に親しみを感じるようになった」という嬉しい感想もいただきました。
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今回は3日間とも本漆を使ったので、取り扱いに注意しながら時間をかけて乾燥させていきました。
手間も時間もかかりましたが、それ以上に自然の時間の流れに身を置いて制作していくことの楽しさと素晴らしさを体験することができ、工芸作品が長い時間をかけて丁寧に作られているとこを改めて知ることができました。
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今回の講座をきっかけに、工芸により興味を持っていただき身近に親しんでいただけたら嬉しいなと思います。
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by atlia | 2014-01-19 16:26 | 鑑賞講座・実技講座
11月9日(土)、〈川口の匠vol.3 音をつくる〉関連として、やさしい鑑賞講座「楽器にみる美学」を開催しました。


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今回のゲストは、武蔵野音楽大学楽器博物館 主任学芸員の守重信郎さん。

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音色だけでなく、姿形も美しいバイオリン。しかしその起源や最初の製作者は明らかになっておらず、近年でも多くの学説が立てられているそうです。
例えば、くびれを持つ独特な胴体の形。これは元々洋梨形だった楽器を弓を使って演奏するようになった際、弓の邪魔にならないようにへこませたという意見がありました。しかし現在では、胴のくびれは弓の発明よりも前からすでに存在して、木材の力学上の問題でくびれが生まれたとする説が有力視されているとのこと。


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さらに今回、武蔵野音楽大学楽器博物館から様々な変形バイオリンを守重さんにお持ちいただきました!
鉄の板でできたものやステッキに内蔵されているもの、さらにはラッパの付いたものまで、どんな音がするのか想像もつかないようなバイオリンがズラリと並びました。

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こちらは「ハーディ・ガーディ」という手回しバイオリン。右手でハンドルを回し、左手で鍵盤を押さえて演奏します。

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こちらはラッパのついた「ホーン・バイオリン」。一定方向に音を強く出すためにつくられたもので、ラッパ部分から大きな音が出る代わりに、演奏者にはほとんど音が聞こえません。

驚くほど特殊な形をした変形バイオリン。一般的なものとは姿も音色も全く違い、バイオリンの奥深さを知ることができました。


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講座の後半には、出品者の賴德昌さんがバイオリン製作の一部(表板のf字孔のカットと、裏板の鉋がけ)を実演してくださいました。

f字孔はまず板に小さな穴を開け、そこに糸のこぎりを通して大まかに形を切り抜いた後、下書きに沿ってナイフで慎重に孔を整えます。このとき使用するナイフは、使いやすいように先端の形を変形させています。
「バイオリン製作は道具づくりから始まる」
と賴さん。工房にある道具類の多くは自作されているそうです。

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また裏板は豆鉋という真鍮製の小さな道具を使い、板の厚みを確認しながら削ります。板厚は部位によって微妙に異なるため、目視だけでなく測定器を使用しながら鉋掛けします。一番小さいものだと8mmの豆鉋を使用するそうです。


普段は工房の中で集中して行われる作業。
賴さんの手仕事を拝見できる貴重な機会となりました。
by atlia | 2013-11-12 11:51 | 鑑賞講座・実技講座
9月21日(土)、鑑賞講座[建築をみるために]の第2回目「アート×建築-空間をつくるということ」を開催しました!
講師は保坂健二朗さん(東京国立近代美術館主任研究員)。
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保坂さんは、建築に関することが専門ではないものの鑑賞者に近い視点から企画がやってみたいと考えていると言い、これまでに手掛けられてきた企画展についてのお話・そこで実際に展示された建築家に関するお話からスタート。
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今回は近代~現代に活躍する建築家とその活動を概観する入門編です。
たくさん登場する建築家の名前がキーワード。
現代の建築家が大きく影響を受けている近代の建築家として、第1回「江戸東京×建築」でも登場した前川國男・坂倉準三、吉阪隆正などル・コルビュジェから学んだ建築家、またフランク・ロイド・ライトやアントニン・レーモンドなどの作例を紹介。
ル・コルビュジェの国立西洋美術館の向かいに建つ東京文化会館は前川國男の設計であるといった師弟の不思議なめぐり合わせの建築物は、今でもご覧いただけますね。

戦後の建築のはじまりを学んだ後は、丹下健三・磯崎新・篠原一男など、今まさに注目が高まっている現代の建築に影響を与えた建築家の作例も登場しました。
ユニットを加減できるなど拡張する社会に有機的に対応する「メタボリズム」といった建築家たちの動きも紹介され、菊竹清訓・槇文彦なども、このあたりのキーワード。
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その槇文彦が命名したという「野武士たち」と言われる建築家たちは、安藤忠雄・伊藤豊雄など、現在でも第1線で活躍する建築家たち。
注目の若手建築家だった彼らの作例はその当時ほとんどが個人住宅。
長谷川逸子・石山修武の作例は、なんと川口にもあるようです。
もちろん個人住宅はすぐに覗けるものではありませんが、近くにあると思うとなんとなく身近に感じられるもの。
日本の建築家は著名になっても個人住宅や小さな建築物の設計を続けていく人が多い、と保坂さん。
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これまでの建築家を「赤派/白派」として概観している藤森照信の論も紹介。
素材感がある「赤派」には磯崎新・石山修武・そして藤森さん本人も。抽象的な印象の「白派」には槇文彦・ミース・ファン・デル・ローエなどが挙げられています。
面白いのはその両方の特徴がみられる「桃色派」。今回の講座では、安藤忠雄・伊藤豊雄がここに挙げられました。
最後には、最近川口でも注目が集まっている伊藤豊雄さんの設計である斎場なども紹介され、近代の建築から現在設計中である建築まで、大きな流れを概観していただきました。

ぎゅっとつまった内容を丁寧に説明いただいた保坂さん、参加者の皆さまの顔を何度も振り返りながらお話してくれました。
参加者の皆さまも、メモを取りながら真剣な面持ちで聞いてくださり、嬉しい限り。

アトリアで建築に関する企画は初めての試み、全2回の開催でスタッフもたくさん勉強させていただきました!
お越しいただいた皆さま、ありがとうございました。
by atlia | 2013-09-22 11:38 | 鑑賞講座・実技講座