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ATLIA STAFF BLOG
カテゴリ:鑑賞講座・実技講座( 34 )
5月14日(土)、開館10周年記念展〈ここにもアート かわぐち〉、ご好評のうちに終了いたしました!
たくさんのみなさまのご来場、ありがとうございました。

その最終日、関連イベントとしてやさしい鑑賞講座[まちに生きるアート -現代アートにおける地域連携の可能性]を開催しました。
講師は本展図録にもご寄稿いただきました、画家でもあり美術ジャーナリストとしても活動中の村田真さん。
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近年多くの土地で展開をみせる「地域アート」の発生と可能性をお話いただきました。

そもそも、「地域アート」って何?というギモンには、いくつかの答え(になり得るもの)があるでしょう。
例えば、まち(美術館以外の場所)で作品を見せること。
例えば、完成した作品より、それができる過程を重視したり、制作の途中で地域に住むひとが関わること。
例えば、地域の中から作品の素材を探したり、場所にあわせて作品自体を制作すること。
などなど、複数の特徴が挙げられます。
もちろんすべてそうでなくてはならないということはなく、何が重視されるかによっても実情は変わってくる、と村田さんはお話しました。
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こういった「地域アート」が生まれたのは、モダンアートからの流れだと考えられるとのこと。
「芸術のための芸術」が追求された時代、美術はどんどん社会から乖離していってしまいました。社会性を失いつつあったのを問題視されはじめたのは、1980年代後半くらいから。
ベルギーのゲントで開催された〈シャンブル・ダミ〉(複数の民家で作品を展示した回遊型展示)、ドイツのミュンスターで開催された〈彫刻プロジェクト〉(10年に一度開催される野外彫刻展)などが先駆的な例として挙げられました。
そこで議論されたのは、「芸術と公共性」、そして「街おこし」という観点です。
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日本でも、最近は〈越後妻有アートトリエンナーレ〉や〈瀬戸内国際芸術祭〉、〈札幌国際芸術祭〉などが大きな話題となりましたね。
村田さんは各地で取材してきた経験から、多くの作品を紹介し、それぞれの作品の現状と可能性について、お話してくださいました。
地域のひとたちを刺激してコミュニティが活発になるということを狙う一方で、観光の目玉として注目されるという効果など、その作品のありようや評価軸はさまざまであり、一定のものは無いと言います。
社会が変わっていくなかで「アートの社会性」も変わっていくのは当然と言えるかもしれません。
「地域とアート」あるいは「地域アート」という観点が見いだされてしばらく経った今、今後どう展開していくのか。

質疑応答の時間でも、参加者のみなさまからたくさんのご意見・ご質問をいただき、刺激的な講座となりました。
ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました!

もちろん、アトリアでも「地域アート」について、これからますます深く考えていかねばなりませんね。
スタッフにもたくさんの刺激をもらい、これからにつながる機会となりました。

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終了いたしました!たくさんのみなさまのご来場、ありがとうございました!
本展に関する記事は「ここにも通信」といたしまして、過去の記事からご覧いただくことができます。

平成28年春の企画展/開館10周年記念事業
〈ここにもアート かわぐち〉

アトリアから作品が飛び出した!ここにも、そこにも、どこでも、アート!

今まさに発展を遂げているまち:川口で、みずみずしい感性のアーティストたちの表現があふれ出す!油絵・日本画・彫刻はもちろん様々な作品を市内の施設で展示しました。
開催期間:2016年3月19日(土)~5月14日(土)
展示会場:川口市立アートギャラリー・アトリア、川口駅前複合施設キュポ・ラ内各所、川口市立グリーンセンター


出品アーティスト:片庭珠実、角野泰範、馬場知子、山本智之、青木邦眞、高野浩子、佐藤裕一郎、杉田 龍、小林美樹、八田真太郎、後藤雅樹、羽山まり子、青木聖吾、遠藤研二、大和由佳、對木裕里、堀口泰代

展示した会場のご紹介(リンクあり)
施設名をクリックすると該当の施設のホームページやアクセス情報をご覧いただけます。
川口市立アートギャラリー・アトリア 
川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブン(キュポ・ラ7階)
かわぐち市民パートナーステーション
(キュポ・ラM4階)
川口駅前行政センター(キュポ・ラ4階)
川口市立グリーンセンター

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by atlia | 2016-05-18 11:53 | 鑑賞講座・実技講座
3月26日(土)・27日(日)の2日間、開館10周年記念展〈ここにもアート かわぐち〉に関連し、
銅版画の技法に触れ奥深い表現をお楽しみいただく実技講座を開催しました。
講師は出品者・版画家の馬場知子さん。現在アトリアで「エッチング」という技法をつかった作品を展示されています。
今回は参加者さんも同じ技法での制作に挑戦しました。

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最初に様々な作例を参照しながら、手順を教えていただきました。
エッチングは簡単にいうと、銅版にあらかじめ塗っておいた防蝕膜をニードルと呼ばれる先端の尖った道具等で引っ掻くことによってはがし、腐食液という銅を溶かす溶剤に浸けその部分を腐食させて溝をつけ、(凹)版をつくる技法。いくつもの工程を経て完成するため、一度聞いただけでは覚えられないほど複雑です。参加者さん、ちょっと不安気…。
でも大丈夫。馬場さんは「とにかくやってみないことには」と参加者さんを勇気づけます。1日目は小さめの銅版に自由に試し彫りし、刷りまでの工程を一度やってみることにしました。

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まずはニードルで描きますが、要は”防蝕膜をはがせばいい”ということなので、サンドペーパー、油性の溶剤なども用いて思い思いに描画しました。手を加えた部分は防蝕膜がはがれ、もとの銅版がキラリと覗きました。木版と違って力がいらないのであまり「彫っている」という感覚はなく、実際この時点ではインクが溜まるための溝はできていません。
その後、銅版を腐食液に浸けると、描画した部分だけが腐食し、インクが溜まる溝ができました。浸けている時間が長いほど線は深く太くなっていきます。

木版やゴム版など手の力で直接溝をつくる版画技法は馴染みのある方も多いですが、銅版に溝をつくるのは化学の力。参加者さんからは「なんだか不思議だねぇ」との感想が。

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銅版の腐食が終わったらいよいよ刷り。ゴムべらで黒いインクを版全体につめます。そのあと専用の布で表面を軽く拭きとると、余分なインクがとれて腐食させた溝の中にだけインクが溜まっていました。髪の毛ほどの細さのところにも、よく見るときちんとインクが入ってる!


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そして出ました、アトリアの秘蔵っ子、重厚感あふれるプロ仕様のプレス機(実は川口製)。
銅版の上に紙を重ね、ゆっくりとハンドルをまわしてプレスしました。
噛みあいながら回転する歯車がカッコいい。思わず全員で見惚れてしまいました。

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刷り上がりはこのような感じに。一つの版の中に多くの技法がギュッと詰まり、まるで抽象画のよう。
まとめとして、参加者さん全員の試し刷りを一堂に並べ、それぞれがどのような方法で描かれたのか情報交換しあいました。

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2日目は本制作。用意してきた下絵を銅版に写します(新しい下描きを用意し直して来られた方も)。
気合い十分、ニードルを持つ指先にも力がこもっていました。1日目に学んだことを振り返りながら描画しました。覚えたての技法をさっそく使ってみようと、エッチング以外にも挑戦した方も多くいらっしゃいました。

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時間を忘れて没頭すること、3時間半。
描画・腐食が一通り済んだところで本番の刷りを行いました。
プレスされた紙を銅版上からめくり仕上がりを確認する瞬間は、期待と緊張が入り混じります。

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作品が刷り上がった後は、一列に並べて観賞会をしました。
何種類かの技法をミックスしたものが多く、一つの作品の中でも部分によって異なる技法が用いられるなど、工夫が凝らされていました。
しかし、まだまだやり足りない参加者さんからは「もうちょっとこうしたい」「この部分を変えるにはどうすれば?」というご意見やご質問も。

馬場さんに伺ったところによると、最初に思い描いてたイメージと実際に刷った作品のイメージがピッタリ合うことはほとんど無いとのこと。でもそこが面白いのだそうです。刷ってみて描き足し、また刷ってみて手を入れ作業を繰り返しながら、下絵とは違った魅力のある世界ができあがるようです。
小さなサイズの中に、つくり手の豊かな時間が詰まっている銅版画。展覧会で作品を鑑賞するときにもそのことを思い返してみると、また一味違った見方ができそうです。

4時間×2日間と長めではありましたが、それでも名残惜しささえ感じるような実技講座となりました。
参加者さんが今回の講座をきっかけに、銅版画の世界により関心を持っていただければ嬉しいです。



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平成28年春の企画展/開館10周年記念事業
〈ここにもアート かわぐち〉

アトリアから作品が飛び出した!ここにも、そこにも、どこでも、アート!

今まさに発展を遂げているまち:川口で、みずみずしい感性のアーティストたちの表現があふれ出す!油絵・日本画・彫刻はもちろん様々な作品を市内の施設でご覧いただけます。
開催期間:2016年3月19日(土)~5月14日(土)
展示会場:川口市立アートギャラリー・アトリア、川口駅前複合施設キュポ・ラ内各所、川口市立グリーンセンター
観覧可能時間:施設によって異なりますので、下記施設のホームページへのリンクをご参照ください。


出品アーティスト:片庭珠実、角野泰範、馬場知子、山本智之、青木邦眞、高野浩子、佐藤裕一郎、杉田 龍、小林美樹、八田真太郎、後藤雅樹、羽山まり子、青木聖吾、遠藤研二、大和由佳、對木裕里、堀口泰代

展示会場リンク
施設名をクリックすると該当の施設のホームページへリンクします。
開館時間やアクセス情報をお確かめの上、ご来場ください。
川口市立アートギャラリー・アトリア 
川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブン(キュポ・ラ7階)
かわぐち市民パートナーステーション
(キュポ・ラM4階)
川口駅前行政センター(キュポ・ラ4階)
川口市立グリーンセンター
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by atlia | 2016-04-09 11:27 | 鑑賞講座・実技講座
新春企画〈アートな年賀状展2016〉に関連し、
1月24日(日)やさしい鑑賞講座[書の美しさを楽しむ]を開催しました。

「書」というと、崩し字が読めなかったらどうしよう、歴史や知識をしらないといけないのかな?と思いがち。
今回の講座では、それを造形的な観点から鑑賞する「コツ」を教えていただきました。

講師には大島武さん、松本市美術館の学芸員さんです。
松本市美術館は地元出身の現代美術家:草間弥生のコレクションなどで知られているところですが、大島さんは同じく市内出身の書家:上絛信山(かみじょう・しんざん)の記念室を担当していらっしゃいます。
松本城の石碑に揮毫したという信山の作品を例に「書」の表現について、お話をいただきました。

上絛信山の作品は思い切りのよい筆運びが美しく、中国的でも日本的でもないと言います。
大島さんは、その「リズム」を音楽に例えて見てみる方法はどうか、と提案しました。
実際にどんなリズムが浮かぶか、ワークシートを配布し、参加者の方々にも考えてもらいます。
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行書と草書と言われても、その区別はちょっと難しいですが…。しかし、まずは音に例えてみましょう。
文字の線自体が太くどっしりとしたものが連続するところはバスドラム、すっと力の抜けた「払い」・幾重にもなっているようにも見える「かすれ」は軽やかなエレキギター…などと思うと、これはどちらかというとロックな感じでしょうか。
文字と文字の間にある余白は休符、あるいはなめらかに続けているところは途切れずにレガートで音がつながっていると考えたら、それを辿る音楽が聞こえるような気がしはじめます。
なるほど、これは言葉として意味を読み解こうとするだけでは見えなかった視点です。

書こうとする紙にむかうとき、書きたい言葉・文字をどう配置していくかも重要なポイント。
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「壮心」という作品では、文字だけで見るとそのバランスはちょっと変わっています。
「壮」は力強くはっきりとした太い線で、それを受ける「心」は3つの点画が均等に並び何重にもなるかすれた線でつながっており、多少対比的とも言えます。
また、「壮」に比べると「心」は頭がひっこんだように小さめです。しかし、小さめにすることで、横への広がりが意識できるとも言えそうです。
ここでは、いわゆる「余白」のとり方が重要。絵を描くときに「構図」を思い描くことと同じですね。
思い切って「心」の上を空けたことで、全体がつまりすぎず潔さが目立った作風になったと大島さんは言います。
そこに作者を示す印である落款がおかれたことで、縦のバランスも整っているよう。

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ここでも、実際に文字を並び替えてみるワークシートをつかい、参加者の方々にも「配置」に挑戦していただきました。
文字を切り取って白い紙の中で並び替える、パズルのような感じ。
並べるときは、単語としての意味だけでなく、どうやったら文字のつながりが自然になるかを考えます。もちろん、その周りの余白の大きさも加味して。
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ワークシートを離して見て全体のバランスを考えるなど、やってみると意外に悩む!
先ほどの「音とリズム」の話で好きな音楽に例えたように、参加者それぞれの個性も出た様子でした。

大島さんが用意してくれたワークシートは、「書」をより能動的に鑑賞するしかけと言えます。
今ある作品がどのように考えられ制作されたのか、自分自身で動かしながら考えてみることで、それが造形的に優れた感覚でつくられているものであると実感できました。

最後に、大島さんは信山が遺したという言葉を紹介してくれました。
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それは常に表現に迷い、探し、しかし深く考えた一生をあらわすもの。
「書」に向き合い続けた一人の芸術家の姿勢から読みとれるのは、その可能性は無限であるということです。大島さんがずっと追い続ける魅力も、わかる気がしますね。

言葉や文字として読むという「読解」という視点だけでない「鑑賞」の意味を改めて考え、多角的な「書」の魅力に触れた今回の講座。
しかしそのお話も「書」を楽しむ方法のほんの入り口。
様々な作品に触れてみたいと思えるきっかけとなりました。
by atlia | 2016-02-06 14:33 | 鑑賞講座・実技講座
1月17日(日)、〈アートな年賀状展2016〉関連 たのしい実技講座[文字を楽しむ!活版印刷]を開催し、7名の方に参加いただきました。
講師はTokyo Pear(デザイン兼印刷スタジオ)のスミスダレンさんとスミス恵梨子さん。
おふたりはアメリカ・シアトルで活版印刷に出会い、帰国後日本でその魅力を広めようと活動を開始しました。

活版印刷とはハンコに似た凸状の活字にインクを塗り、紙を押しつけて印刷する古くからの印刷技法。今回はアルファベットの木活字を使って、世界にひとつのオリジナルミニノートを制作しました。
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活版印刷の名刺やお手紙をもらうことがあっても印刷機や活字を見るのは初めてのこと。
並べられた活字に参加者たちは興味津々。恵梨子さんは手にとって説明を始めます。
ひと口に活版印刷と言っても使用される用途や国によって発展していった経緯が異なり金属、木、樹脂でできたものなど活字の種類は様々。文字の種類が多い日本では金属を型に流して活字をつくっており、一方イラストなどの図案はコンピュータでデザインして樹脂でつくったものが適しているそうです。
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今回使用する木活字は文字数の限られた英語圏で多く使われていました。
おふたりが持ってきてくださった活字は以前アメリカで実際に使われていたもの。古いものなのでキズやへこみもありますが、それは活字の個性。「印刷されたときにはその傷も紙に写り、文字の味になります。」と恵梨子さんは話しました。
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お話のあとにノートの制作へ。表紙となる紙を選び、ノートのデザインを決めていきます。思いおもいに活字を選び、組み合わせる参加者たち。文字の傷を吟味しながら選ぶ様子も見られました。
名前と数字を重ねて印刷したい!単語をじぐざぐに置きたいんだけれど…デザインに悩んだら講師に相談しつつ配置していきます。
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デザインが決まったら活字がばらばらにならないよう印刷機の枠に固定します。このときに文字の間隔は薄い板や金属部品を間に詰めることで調整します。コンピュータで行えばボタンひとつでできる工程ですが、昔はこのように手間をかけていたことに驚きました。
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そしていよいよ印刷です!手キンと呼ばれる印刷機に紙と活字をセットしインクをになじませ、レバーを下ろします。
ガッチャンという音とともにぐっと力をかけるのですがなかなか下がらず苦戦する参加者たち。全体重をかけても動かないときはダレンさんが手助けしてくれます。

印刷するまでどんなものに仕上がるか分からないのが活版印刷。作品とドキドキの対面です。
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活字から離れた紙をみて参加者たちの顔がほころびます。どうやらきれいに印刷できたようです。参加者の嬉しそうな表情に講師も笑顔を浮かべます。
時間をかけ自らの手でプレスしたことで喜びもひとしお。ひと押しひと押しに思いが込められていきます。

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活字の個性だけではなく、インクのムラやかすれ、ちょっとした版のズレが印刷物の味になる活版印刷。
よく見ると同じデザインの中にも色々な表情が見られます。ひとつひとつ思いを込めてプレスした参加者たちはその表情を見極め、お気に入りのものをノートの表紙にします。
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製本し完成したノートに満足な表情の参加者たち。難しかったり力が必要だったりと苦心する工程から印刷技術の発展を経験し、手作業でしか出せない温もりを感じることのできる実技講座となりました。

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by atlia | 2016-01-21 16:44 | 鑑賞講座・実技講座
新春企画〈アートな年賀状展2016〉では、会期中に予約なしでご参加いただけるイベントをご用意しております。
第2弾はやさしい鑑賞講座「書の美しさを楽しむ」を開催します。
「書」の鑑賞のポイントを学ぶ講座です。崩し字が読めなくても、古典文学が分からなくても大丈夫。造形的な鑑賞方法を初心者向けに解説いただきます。

やさしい鑑賞講座[書の美しさを楽しむ]
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上條信山《壮心》1987年

日時:1月24日(日) 13:30~15:30
講師:大島 武(松本市美術館 学芸員)
対象:どなたでも
定員:50名
参加費:300円
当日先着順(当日13:15より受付開始)

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新春企画〈アートな年賀状展2016〉開催中!

お寄せいただいた手づくりの年賀状を展示します。はがき1枚に様々な気持ちをこめた作品が新年のアトリアを彩ります。みなさまと一緒につくりあげる展覧会をどうぞご高覧ください。

[会  期] 2016年1月8日(金)~1月24日(日)
[開館時間] 10:00~18:00
[休館日]  月曜日 
[観覧料]  無料

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by atlia | 2016-01-15 17:20 | 鑑賞講座・実技講座
12月12日(土)・19日(土)、たのしい実技講座「木版画~摺りの深い味わいを学ぶ~」を開催しました。
講師は岩佐徹さん。色を摺り重ねたり、水彩のようなぼかしを生かしたり、木版画ならではの優しい味わいをもつ作品を手がけている版画家です。
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版画ができる工程は大きく3つにわけることができます。「原画を考える(描く)」「版木を彫る」「彫った版木で摺る」。江戸時代に大量につくられた浮世絵の制作では工程ごとに絵師、彫師、摺師、と複数の人数で手がけることもあったくらい、それぞれの技法は奥深いのです。
今回はあえて描く・彫るということをせずに、摺師のように摺ることだけで多彩に表現できる版画に挑戦しました。
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しかし、摺るだけで表現、といってもすぐにはぴんとこない様子の参加者。1日目、はじめの挨拶のあと、すぐに岩佐さんが取り出したのは「バレン」でした。これは見たことがあるようなものですが、触ってみてくださいと促されいくつか手に載せてみると、確かにわかるくらい触感が違います。細い紐を何本も編みこんでつくった紐に「こんぺいとう」と呼ばれる編み目をつくりながら強度を出し板状に巻いたものを竹皮の中に仕込んでつくられた、岩佐さん手づくりのバレン。かすかに違う凸凹をつくったり、巻く密度を変えたりすると、バレンの種類は無限になります。つまり「バレンによる摺り跡」で表現が多彩になるのですね。それを強く押しつけるように全面を摺れば「つぶし摺り」となり、紙の地の色が残るように摺れば「ゴマ摺り」と呼ばれるようになります。「ぼかし刷り」は版木にのせる絵具をグラデーションさせることでつくります。
もちろん、摺りとる絵具に水分がどれだけ含まれているかなどでも仕上がりに違いがでる、と岩佐さん。
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話を聞いた後は実際に摺りに挑戦してみることに。教わった摺り方をそれぞれに試していきます。渡されたのは小さなただの板という印象でしたが、それに絵具をのせて和紙に摺りとるたびにバレンへの力のかけ方を変えていくと、表現がはっきりと変わりビックリしている参加者も。一番単純に見えた「つぶし摺り」はかなり力が必要で、思ったより難しい!岩佐さんに絵具の水分量や摺り方のコツを教わりながら試行錯誤を重ねます。1枚の板に向き合うだけで1日目が終了するほど、その多彩な表現には限りがないことが実感できました。
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2日目は試した摺り方を生かして制作を行います。ここで用意されたのはLの形をした版木。これも相変わらず何も彫られていませんが、回転させて何度か摺ることでパズルのような面白い色の重ねが表現できます。版木に記された「見当」と呼ばれる印に紙をあわせれば正方形に。
さっそく1色目、版木に水で溶いた水彩絵具をブラシで十分にのばします。慎重に見当にあわせて湿らせた和紙をぱらりと置くようにやさしく載せ、上からバレンで力を加えていきます。ある人はゴマ摺り、ある人はつぶし刷り。そっと和紙をめくると綺麗なLがでてきました。そこで版木を180度あるいは90度回転させ別の色を版木にのせます。そして摺る、その繰り返し。つぶし摺りとぼかし摺りを同じところに重ねたり、ゴマ摺りでも強くしたり弱くしたり、摺り方を変えず色の組み合わせを変えてみたり、1枚の和紙の上で多様な摺りを行うことで作品に奥行きがでてきました。何度か摺り終えた作品をまじまじと眺め、もう1色重ねようか、ここでやめようか、手を止めるタイミングを考えるのも楽しい悩み。正方形なので紙自体を回転させてどの角度が一番良く見えるのかを考えなおすこともできますよ、という岩佐さんの呼びかけには、はっとした顔の参加者も。こういうところでもそれぞれの表現が広がりました。
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最初は「彫らない版画」にぴんときていない様子だった参加者のみなさんでしたが、この2日間のなかで「摺り」だけで多様な表現ができることを実感してもらえたようです。完成した作品を全員で眺めていると、他の人の作品について、ここは3色重なっているな、このぼかし刷りがいいアクセントだね、と使われた技法を読み解けるようにもなったみたい?
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版木やバレンなどの道具から絵具・和紙などの材料、そして正方形ができたことまでは全く一緒。しかし、摺る人によってまったく異なる表情になった作品はひとつひとつが個性的で味わい深いものとなりました。

ご参加いただいたみなさまありがとうございました!

本実技講座で制作した参加者さんの作品は、〈アートな年賀状展2016〉で展示されます。
温かみのある作品を、ぜひ見に来てくださいね。


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〈アートな年賀状展2016〉
お寄せいただいた手づくりの年賀状を展示します。はがき1枚に様々な気持ちをこめた作品が新年のアトリアを彩ります。みなさまと一緒につくりあげる展覧会をどうぞご高覧ください。

[会  期] 2016年1月8日(金)~1月24日(日)
[開館時間] 10:00~18:00
[休館日]  月曜日 (ただし1月11日(月祝)は開館、12日(火)は休館)
[観覧料]  無料

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by atlia | 2015-12-23 13:00 | 鑑賞講座・実技講座
12月12日・19日(土)の二日間じっくり技術を学ぶ木版画講座の参加者を募集しています。

版画家の講師をお招きし、本格的な和紙やばれんを使用して制作を行います。シンプルな四角形の木を使用して摺りますので、彫る作業がなく初心者の方にも気軽に参加していただける木版画講座となっています。豊かな色彩を感じながら温かみのある作品づくりを体験してみませんか?

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[木版画~摺りの深い味わいを学ぶ~]
日時:12月12日・19日(土)※両日参加  13:30~16:30
対象:中学生以上どなたでも 10名
参加費:1000円
講師:岩佐 徹(版画家)
応募締切:11月25日(水)必着 

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みなさまのご応募、お待ちしております。

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by atlia | 2015-11-06 15:10 | 鑑賞講座・実技講座
去る10月24日(日)、秋の企画展〈川口の匠vol.5信頼をつなぐ〉に関連して、やさしい鑑賞講座[トークセッションPart.1 ともに歩む川口の木型と鋳物]を開催しました。
出演いただいたのは、本展の出品者である井上芳久さん、鋳物師の永瀬勇さん、そして科学技術ジャーナリストの赤池学さん。木型・鋳物とは何かという基本的なところから世界をリードする技術まで、出演者それぞれの専門分野から解説いただいたのち、これからの展望を話し合っていただきました。

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前半は一人ずつスライドを用いてプレゼンテーションを行います。トップバッターの赤池さんは、ご自身が研究しているユニバーサルデザインの視点から木型・鋳物の重要性を説きました。日本から世界へ広がったヒット商品として、センサー付きの家電やロボットなど日本から世界へ広がったヒット商品を紹介。新しいものをつくるにはパーツの部分から新しい発想を組み込まなければならず、様々な鋳造と木型づくりの技術がそれを形にしていると言います。
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これからのものづくりには人の「感性」に訴える力や「公益性」が求められると赤池さんは考察しています。使いやすさを考えて次の手に渡す木型や鋳物も、他者を思いやる愛情と結びついていると語りました。
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永瀬さんのお話は、川口の鋳物の歴史とご自身の手掛ける仕事について。東京オリンピックの聖火台が川口でつくられたことはよく知られていますが、技術は大きく発展し、永瀬さんの工場では電子部品やその製造装置を手掛けているそうです。部品自体はアジア諸国でつくられているけれど、基となる製造装置を鋳造できるのは日本だけ。
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精度の高い鋳物をつくるには優れた木型が必要です。高度な条件を満たす木型屋があって初めて他国の追随を許さない鋳造品を生み出すことができると永瀬さんは強調しました。

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出品者の井上さんは、経営者としての広い知見から日本全国または海外と比較しての川口の木型業の特徴を語りました。減少傾向にあるものの、川口市では百数十軒もの木型屋が操業しています。一方海外は大手メーカーの一部門に組み込まれているところが多いとのこと。川口は関連産業の鋳物や機械加工の工場も含めて世界でも例がないほど集積度が高いそうです。
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優れた技術をもつ鋳物屋と連携して、井上さんは自動車メーカーの試作部品を手掛けています。提携先との相談や資材の調達も即時にできる川口の奇跡的ともいえる環境をもっと強みとして意識していく必要があると語りました。


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休憩を挟んでトークは後半へ。三者で川口の木型と鋳物・ものづくりのこれからについて話し合います。永瀬さんからは現場で中核を担う技術者の採用難が問題点として挙げられました。コンピュータを多用するようになっても重要な判断を行うのは人であり、ものづくりへのこだわりや勘を持つ人間が品質を決めると言います。 
その論に井上さんも共感を示しました。若手社員全員に手仕事の基本的な技能を身につけさせていますが、目標となる国家試験の廃止や就労時間の減少などが懸念されると言います。市内の仲間と連携し、異なる業種や役所など様々な人を巻き込みながら創意工夫することが今後ますます大事だと次の世代へのエールを送りました。  
二人の話を受けて赤池さんは、コンピュータや機械では再現できないものづくりの本質について語りました。人に備わる多様な経験から創造力が生まれるのであり、テクノロジー以上に製品が生み出されるまでのプロセスやつくり手の人間的なエピソードを発信していくことが大切であると締め括りました。


今回の講座を通じて、日本のものづくりにおける川口の街と、技術とともに受け継がれた感性の重要さが改めて浮き彫りになりました。休憩時間と閉幕後には出演者に熱心に質問し、歓談する参加者の姿が見られました。現代の暮らしの中では見えにくくなっている地場産業を見直し、「キューポラのある街」以来の固定したイメージを新たにする機会となったのではないでしょうか。
by atlia | 2015-10-29 07:29 | 鑑賞講座・実技講座
1月25日(日)、やさしい鑑賞講座[浮世絵に描かれた日本の遊び]を開催しました!

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今回の講師は国際浮世絵学会常任理事の新藤茂さん。
数多くある浮世絵の中から、遊戯や玩具について描かれている作品をご紹介いただきました。

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映し出されたのは、羽子板、福笑い、双六、かるた、凧あげが描かれた浮世絵の画像。開催中の企画展〈アートな年賀状展2015〉にあわせ、お正月らしい遊びが並びます。
ご紹介いただいた双六の一つ「宿下がり樂雙六」は、奉公人が里帰りしようとするまでの道中、花見や芝居小屋など様々な寄り道をするというストーリー仕立て。内容が大人向けになっていて、子どもだけでなく幅広い年代の人が双六を楽しんでいたことが分かります。

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その他、着替絵(着せ替え)、組上絵(紙を切って糊づけして組み立てる立体工作)もご紹介いただきました。
現代でも親しまれている遊びの原型が江戸時代からあり、その一つひとつが芸術作品としての完成度が高いことに驚かされます。

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講座の最後は、「十六むさし」という遊びを新藤さんと参加者が一緒に実践しました。
ルールはとてもシンプルですが、相手の心理を読みつつミスしないようにコマを進めるのはとても頭を使います。マス目とコマさえあればできるので、どこでも気軽に遊ぶことができそうです。

参加者は途中質問を投げかけながら、プロジェクターで映された作品画像を真剣に見つめていました。
身近な題材について描かれた浮世絵を見て実際に体験し、江戸の人々の豊かな暮らしぶりに思いを馳せることのできる講座となりました。

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by atlia | 2015-01-28 16:42 | 鑑賞講座・実技講座
12月14日(日)、12月21日(日)全2回のたのしい実技講座[版画表現入門「木口木版の世界」]を開催しました。参加したのは18歳以上一般の9名です。
講師は版画家の高松久子さん。木口木版の制作を中心に活動し、木口木版と紙版画を融合した表現も試みています。今回は木口木版に挑戦。10cmにも満たない小さな版木の中に世界を表現していきます。
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まず高松さんから木口木版についてのお話を伺います。木口木版は西洋で発展した版画技法で、細密な表現が可能であり、版木自体が硬くて丈夫であることから、書物の挿絵として使用されてきた歴史があります。板目木版とは材料の板の切り出し方が異なり、木を輪切りにした版木を使用します。「バームクーヘンのような状態です」という高松さんからの説明に、参加者も合点がいった様子。説明の後、高松さんの作品を鑑賞します。
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ため息が出るほど繊細で、物語の世界を垣間見るような作品に参加者はびっくり。モノクロの世界につい見惚れてしまいます。次に高松さんが版木の表面を磨く作業を見学。木とは思えないほどつるっと滑らかな感触に参加者も驚きの表情。
版木は虫食いや節などひとつひとつ異なったかたちを持っています。表現したいものに合わせて版木を選んだり、版木から表現したいものを決めたりします。みなさんはどのような版木で、どのようなものを表現するのでしょうか。
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制作はまず表現する題材を決め、下絵を描くことからはじまります。それぞれ写真や図鑑を参考にしながら下絵を描いていきます。版木が小さくて、細かいところまで表現できるので、下絵も悩みます。「下絵の段階でしっかり描きこむことが大事」と高松さんのアドバイスを受け、参加者はより細かく下絵を制作します。
下絵を版木に転写したら、いよいよ彫りの作業に。今回は彫刻刀の中でもビュランという変わった道具を使います。版木がとても硬いため、彫りだすということが難しい木口木版。版木にビュランやニードルなどとがった道具で傷をつけるように表現していきます。ビュランの扱いになかなか慣れない参加者たち。高松さんが適宜アドバイスをしていきます。
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掘り進んだら試し刷り。インクを版木に乗せて紙に写し取ります。版木が小さいためバレンの代わりにスプーンの背を利用してくるくると擦っていきます。非常に細かい彫り跡は目で確認するのは難しいため、試し刷りで進行状況を確認。どう彫れば刷った際にどんな線になるのかを参加者は実感した様子。ここで1日目の制作は終了。来週は制作を続けて完成させていきます。木口木版は特殊な道具は不要で、スプーンなど身の回りの道具で制作出来ます。尖ったもので版木を刺すことで点が表現できるので、参加者は版木を持ち帰り、目打ちなど思い思いの道具を使い、家で制作を続けました。
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2日目は、家で制作をした人を中心に試し刷りし、中間講評を実施しました。参加者の制作も順調なのか、1日目の最後の試し刷りの時より彫った部分が明確に表現できています。高松さんも完成に向けて細かい部分をアドバイス。それを元に参加者は制作を開始します。完成に向けて彫り、刷りを行います。
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ひとりひとり作業の進度が異なるため、高松さんは会場を回り様子を見ていきます。どこを彫り進めればよいか悩む参加者に対して、高松さんは声をかけます。「版画は一度彫ったら元には戻せません。進めるだけではなく途中何度も同じものを刷るのもとても大事なんです。」その声に参加者は進むだけでなく、たくさんの枚数を刷っておく大切さに気付きます。制作していると熱中して気付かなかったことを高松さんが優しく教えてくださいます。
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「刷っただけでは実は完成ではないのです」と高松さん。「台紙に貼って、タイトルやサイン、エディションを書き込んで完成になります」というお話の後に実際に台紙に作品を貼り付ける貼りこみという作業を実演していただきました。刷った版画を版木の形にくり抜いて、台紙にのりで貼り付けていきます。「額に入れる前の段階を想像していただけると分かりやすいです」とお話しながら、高松さんは手際よく貼り付けていきます。貼りこみの後にタイトルやエディションのお話しを伺いました。版画はひとつの版木から何枚も刷れるので、何枚刷ったうちの何枚目ということをエディションという形で記載します。これで作品の完成です。
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みなさんの作品を囲んで、作品や制作についての感想を発表します。タイトルやモチーフに込めた想いを話してもらいます。木口木版はみなさん初めてで、苦労した点もありましたがとても充実した時間を過ごせたようでした。
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作品は高松さんが張り込みを行い参加者に返却します。
どのような仕上がりになるのでしょうか、お楽しみに!
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by atlia | 2014-12-25 14:15 | 鑑賞講座・実技講座