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ATLIA STAFF BLOG
アートさんぽ[箸を学ぶ―国際箸学会訪問]
5月3日(火祝)にアートさんぽ[箸を学ぶ―国際箸学会訪問]を開催しました。
アトリアスタッフも以前から気になっていた「国際箸学会」。今回はなかなか立ち入る機会のない学会を訪問し、活動と箸について学ぼうという企画です。
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当館から10分ほど歩いた場所にあるこの建物がコミー株式会社の運営・管理する国際箸学会会館です。中へお邪魔すると、これまでの学会の活動資料や珍しい箸がずらりと飾られています。
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講義の始めは、前理事の田中治彦さんから学会の成り立ちや活動の紹介です。文化や言葉が違えど、共通の話題にとして挙げることが出来るのが「食」。日本の食文化と切っても切り離せない箸に会長の小宮山栄さんは着目し、国際箸学会は生まれました。活動は国内に留まらず、各国の在日大使館や海外に出向いて日本の箸文化を広めているそうです。
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学会についての詳しい話を聞いた後は、講師の鈴木道こさんから箸の話を伺います。世界の三大食事方法の一つである箸は、人口の三分の一が使う道具です。主に米を主食とするアジア圏で使用されおり、使われる箸の用途や材質・形状は日本・中国・韓国・ベトナムなど、それぞれの国や地域によって異なります。日本の箸はもともと竹でできていて、トングのような形状をしていましたが、時代とともに変化し、現在の箸となりました。
さらに箸の作法や種類、箸が出来るまでの話をじっくり聞きました。メモを取ったり、うなずいたり、参加者はとても集中している様子でした。
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話の最後は箸づくりについてです。「自分の手の大きさに合った箸を使うことが、箸の使いやすさにも繋がります」と講師は言います。自分の手に合った長さとは「ひとあたはん」という親指と人差し指でL字を作った長さの1.5倍の距離のことです。今回の箸は「タモ」というバット等にも使用される丈夫な木材でつくります。
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木材をひとあたはんに切った後は、箸の後ろの部分をヤスリで整えていきます。丸い形や斜めの形など、少しずつ個性が現れてくる作業です。
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形を整え終わったら、着色をします。細い箸に色をつけるのはなかなかな難しい作業ですが、細部までこだわり、柄や文字を施す参加者もいました。
作った箸は福井にある工場でコーティング加工を行い、約1か月半後に参加者の手元に届きます。自分の手に合った自分だけの「マイ箸」、出来上がりが楽しみです。
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箸づくりが終わったら、最後に「箸ピー」という国際箸学会考案のゲームに挑戦します。ルールはピーナッツ型の模型を箸を使って1分間で箱から箱へ何個移動できるかを競うものです。一見、シンプルな遊びですが、実際にやってみると夢中になってしまい、1分間で100個以上の移動に成功する参加者もいました。指の力を調整しながら行う細やかな作業は、脳の活性化にも繋がるため、学会では「箸ピー」を福祉施設などでも展開しているそうです。
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身近な存在だけど意外と知らない箸の世界を学び、箸を使う時間がいつもより楽しみになるアートさんぽでした。会館は毎週火・木曜日は開いているので国際箸学会の近くを通る時は是非訪問してみてください。開館時間など詳しくは国際箸学会HPをご覧ください。
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by atlia | 2022-05-28 09:51 | アートさんぽ