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ATLIA STAFF BLOG
AIS15:授業レポートvol.2 「線」の練習いろいろ
当館がコーディネイトをつとめる学校×アーティスト×美術施設の取り組み「アーティスト・イン・スクール」。
第一線で活躍するアーティストが図工・美術の授業で先生(講師)をつとめる派遣プログラムです。年に1校1学年を対象に開催してきた本事業、今年で15回目を迎えました!
講師に安部典子さんをむかえ、川口市立並木小学校の6年生96人(3クラス)と一緒に活動しています。

本ブログではスタッフ目線で授業をレポート、この記事では2回目の活動の様子をお届けします。
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まずは前回のおさらい、「線」の感覚を思い出してみるところからスタート。「前の授業の日の夜に大きな地震があったよね、自分がどう感じたか、線であらわしてみましょうか」と安部さんは言いました。
ノートのまっさらなページを見開きで用意し、鉛筆を持つ児童たち。安部さんのはじめの合図ですぐに手を動かし始めました。怖かったね、揺れが長かったな、いや寝てて全然気がつかなかった…などなど、線であらわしていきます。
線を描いたノートは、机にひらいたままにして、他のクラスメイトがどんな線を描いたのか、お互いにちょっと鑑賞します。やはりけっこう違う線が生まれている様子に、ふむふむとのぞき込んだり、わいわい意見を言い合ったり。
安部さんも一緒に机を回って、「すごいねー!みんなもう自分のものにしてるね!」と、驚きつつの拍手!





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さぁおさらいはここまで。いよいよ「線を切る」カッターワークに入ります!
児童たちに配られたのは、通常よりも先端がとがった刃(細工用)のカッター。つかい方の説明する場面では、先生が安部さんの手元を撮影し、大きな画面で見せてくれました。
安部さんは、カッターを持つ手は小指を支えにして動かし、反対の手で切るものをしっかりと押さえるようにと言いました。この反対の手を刃の動く位置に置かないことも大切なポイント。尖った先端を滑らかに動かし、曲線を切ったり、ぐるぐるとうずまきを切ったり。
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ノートの新しいページにカッターマットを入れて、児童たちもさっそく練習!
曲線なら続けて切れる人もいますが、うずまきはちょっとカクカクしてしまいがち。鉛筆のようにぐるぐるをつづけていくと、いつの間にかカッターが裏返ってしまい、刃でない方がノートに当たってしまう人もちらほら…。
安部さんは机をまわって積極的にアドバイスをします。カッターを動かしづらいときは、ノートの方を回転させたり、一度止まって反対側から切ってみたりと、一緒にいろいろ実験しました。
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ぐるぐるが上手に切れると、びよーんと手で持ち上げられるようになります。お、ちょっとおもしろいぞ…ノートから飛び出してくるような感じ。思わぬ立体感が生まれます。
そこで安部さん、新しいページを開き、今後はもっと自由に線を切ってみようと言いました。カッターマットを敷かなくてもOK、ページを横断して切っても良いと言います。
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さささとカッターを動かしはじめる児童たち、つかい方にも慣れてきた様子。ノートのページがみるみるうちに切られていきます。
ちょっとばらばらになっちゃったかもと思ったらホチキスや糊でとめたり。ひっぱり上げてくしゃっと折ってみたり。すると、自分が切った線が立体的になり、いろいろなカタチが生まれるようです。
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十分に迫力ある作品をつくった児童がたくさん、しかし、制作はこれで終わりません!安部さん、次の素材をひっぱりだします。
それは大きなプラスチック段ボール(プラダン)。見本として提示されたものは、何やら妙なカタチに切りぬかれています…これは安部さんのシルエット。
自分らしい線を探すため、これから先の制作では、自分のカタチをきっかけにしようと安部さんは考えました。等身大の自分をプラダンに写した線を軸に、自分の内側や外側に線をひいて(切って)、自分らしさを生かしながらフリーに制作しようと言います。
小さくうなずき返す児童たち…では、ちょっと手を動かしてみましょうか。
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まずは「作品の計画をたてよう!」と書かれたワークシートに、自分のどんな姿を作品にしたいか、メモします。腕は曲げてる感じで…足は?えーどうしよう思いつかないな…隣の席のクラスメイトや先生と相談しながら、少しずつ描きます。
うまく描くことより、思いついたアイディアや考えたことをメモしたり、書いて整理しておくのが大事。
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次に配られた小さいプラダンでは、自分の手のカタチを切り出してみました。プラダンから自分のカタチを切り出す練習です。
ノートの1ページより少し大きめの素材に自分の手を置いて白いクレヨンで輪郭をなぞり、カッターで切り出します。指のポーズを工夫して写したり、切りぬかれた外側をさらにカットしてみる人も。
紙より分厚いプラダンを切るには少しコツが必要ですが、さくさくと切れた様子です。

ノートで平面だった線が立体に化ける制作を体験し、プラダンのカッティングを練習した児童たち、いよいよ次回から大きな作品に挑戦…今回のカッター練習を生かして、どんな表現を生み出すでしょうか?
盛りだくさんの授業でちょっとお疲れの安部さんですが、内容をどんどん吸収する児童たちの様子を見て、大きな作品がより楽しみになったようです。さぁ次の授業の準備です!

photo: Kozo Kaneda



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第15回アーティスト・イン・スクール
安部典子(美術家)×川口市立並木小学校6年生96人 〈線でみつける〉
授業期間:2021年10月~11月 全5回(予定)

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by atlia | 2021-10-20 15:55 | 学校×アトリア