たのしい実技講座「和竿師からまなぶ!竹釣竿に初挑戦」を開催しました
8月14.15日、「和竿師からまなぶ!竹釣竿に初挑戦」を開催しました。夏休み・お盆時期の開催ということもあり、お子さまも参加いただける「たのしい実技講座」です。
8月14日(土)は親子で1本、8月15日(日)は小学校3年生以上の参加者が1人で1本、天然の竹をつかった本格的な釣竿づくりに挑戦しました。
講師は山野正幸さん(竿昭作2代目/山野釣竿店店主)。市内に工房をもつ和竿師です。
まず、山野さんは、ご自身の作例を実際に見せてくれました。写真は鮎竿、7mちかい長さ!
川口の伝統産業でもある和竿は、地域で布袋竹という細く丈夫な竹が採れたことで発展しましたが、現在製作を手掛けている工房の数は限られています。
貴重な作例とともに、実際の工房で職人が制作している様子をおさめたビデオを見せていただき、和竿がどんなものなのかに触れました。
お話の後は、さっそく製作へ。今回つくるのは、2本継ぎの竿です。2本の竹を差し込むようにつないでつかうもの。
初心者でも製作の魅力が味わえるように簡易的なつくりにしながらも、竹釣竿の魅力を失わないように、山野さんが工夫して用意をしてくれました。
しかしこの作業、糸をひっぱり続けながらぎゅうぎゅうと巻き、しかも隙間なく仕上げなければならないので、意外と根気がいるのです。
そこで山野さん、製作工程それぞれがわかりやすくなるよう、手元をアップにした映像を用意してくれました。
コロナ禍での開催で参加者全員に集まってもらって直接手元を見せることも難しかったので、画面ならそれも解決!ビデオならくり返して確認ができることも利点になり、参加者も確認しやすい資料になりました。
根気よく握りの部分をつくったら、次は口糸巻き。え、また糸、巻くの?という感じですが、その通り。
今度は握りとは反対側になる、竹同士を差し込んで継ぐ部分「すげ口」を補強するために、細い糸を巻いていきます。その細さ、ミシン糸ほど。竹の方を手元で回すのがコツです。
糸を巻いている間は手が離せないので、なかなか休めません!しかし参加者全員、真剣な顔で糸をひっぱりながら竹をくるくる回し続けます。親子で協力しながら、あるいは山野さんにも励まされつつ…。
巻いた握り・すげ口の部分の糸がほどけないように、塗料で固めます。和竿では漆をつかうのが本来と言えますが、今回は簡易仕上げにニスのような透明塗料をつかいました。
苦労して巻いた糸なので、それを仕上げる作業も慎重に…吸い込ませるようにして仕上げ、山野さんに全体をきれいに整えてもらって乾くのを待ちます。こうして並べてみると立派な釣竿!山野さんは回転するキリのような道具で内側を削り、接続をチェック。この作業は糸を巻いて補強したからこそ、安心してできることと言えそうです。
作業は単純に見えますが、とても根気がいる地道なもの…そこから実際につかえる釣竿が生まれると、同時に特別な達成感も生まれます。
これから秋の行楽シーズン、この釣竿がつかえる日がたのしみです!(それまでにコロナ禍がもう少し落ち着きますように!)
さらには、普段は見えづらい地域の伝統産業に触れられる機会として、夏休みの学習にぴったりな内容にもなりました。みなさまが、少しずつでも興味を持って下さったなら幸いです。
by atlia
| 2021-09-01 10:51
| 鑑賞講座・実技講座
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