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やさしい鑑賞講座「土木デザインを読む」を開催しました
身のまわりの土木デザインを取り上げたやさしい鑑賞講座を7月25日(日)31日(土)におこないました。第1回は「橋のかたちと機能」、第2回は「身近な風景の中の土木」をテーマに、それぞれ奥井義昭さん(埼玉大学大学院理工学研究科教授)、佐々木葉さん(早稲田大学創造理工学部社会環境工学科教授)にお話しいただきました。

第1回、奥井さんは橋の構造形式を軸に、さまざまな橋をご紹介。川口市民に身近な荒川橋梁にはじまり、海外の古くからある橋やその構造の変遷を追っていきました。
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橋の形には自然を相手にしているからこそ、技術の進歩だけでなく、その環境が大きく影響していることがよくわかります。
新荒川大橋や勝どき橋、多々羅大橋、シドニーハーバーブリッジなど、近隣の橋や有名な橋が登場すると、大きくうなずきながら聞く参加者も見られました。
ちなみに、スライドに映し出される写真のほとんどが奥井さんがこれまで各地で撮りためたものだそうです。迫力ある写真の数々から、実際にその土地を旅して橋を眺めているような、わくわくした気持ちにもなりました。


第2回、佐々木さんは専門である風景論を起点に、身近な土木のある風景についてのお話へと進みました。
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川口市内の事例の一つとして、荒川の堤防が登場。
これは「みる対象としての土木」であり、「みる場所としての土木」でもあるということが、夕方の堤防の風景からわかります。さらに、風景は場所のつながりと時間のつながりを持っているということにも触れ、意識や工夫をもって風景を眺める必要性を参加者と共有しました。
佐々木さんは事前に川口市内を歩いてめぐり、そのとき出会ったさまざまな風景を写真に収めてくださりました。実際に歩いた経験をもとにしたお話は、参加者にとって親しみやすく、ぐっと引きこまれる様子でした。


両日ともに質疑応答の時間には、講座で取り上げた土木構造物や土木の未来について、熱い質問がいくつも飛び出しました。さらに「普段感じたり見たりしていることを別の面から考えられた」「実際に行ってみてみたい」といった感想が寄せられ、普段見過ごしがちな身のまわりの土木について、親しみを感じる機会となりました。

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by atlia | 2021-08-12 15:33 | 鑑賞講座・実技講座