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ワークショップ「石けんで!?はじめての彫刻」を開催しました
5月1日(土)・2日(日)、ワークショップ「石けんで!?はじめての彫刻」を開催しました。
講師は木村剛士さん。〈第9回新鋭作家展「ざらざらの実話」〉にて発表を行った彫刻家です。
約1年前の展示ではできなかった(コロナ禍で中止した)ワークショップの機会、内容をブラッシュアップして実現しました!
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今回行うのは、彫刻の中でも「カービング」と呼ばれる技法だと、木村さんは紹介しました。粘土のようにゼロからくっつけていくのではなく、削ってカタチをつくる方法のことです。彫ってつくるイメージは、なんとなくわかりますね。
このカービングに通じる彫刻行為は、生活のなかでもたくさんあります。鉛筆をけずったり、野菜を切ったりするのも、(極端に言えば)カービング。固形石けんを手洗いで小さく丸くなっていくのも、近い行為だと言います。




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今回は、その石けんを彫刻刀で彫ってみようと言う木村さん。彫刻刀の使い方を丁寧にレクチャーします。
三角刀・丸刀・切り出しなど、種類・違いを覚え、安全な使い方をおさらい。初めて触るという参加者は少なかったですが、久しぶりという方も多く見受けられました。
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レクチャーを経て、やっと今回の素材「石けん」が参加者の手元に配られます。持ってみるとずっしりくる、およそ100×100×150mmの塊!
ティッシュ箱を半分にしたくらいのイメージの大きさですが、いざこれを彫ってみようと思うと、かなりの大きさ…参加者のなかにはびっくり・唖然としている人も見受けられます。
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どうしよう、でもとりあえず何かはじめてみなくちゃ!まずは竹串を手に取って、ケガキと呼ばれる、イメージを素材にうつす作業にとりかかります。
具象的な作品に挑戦したい人には必須の作業…前からみた様子・上から見た様子・後ろから見た様子をそれぞれの面に描くのは、想像力が必要で、意外と難しいのです。
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具象的なイメージがうまく思い浮かばないときは、彫っていく感覚で抽象的なものをつくっていくことも可能。なんとなく彫りはじめ、刃先がするする・ぬるぬると滑っていく感覚を楽しんだり、握ってみて気持ちの良いカタチを探したり。
石けんは、木材のような目(削りやすい方向)もなく、石材のように固くないので、力を入れなくても簡単にカタチをつくれる素材。手はちょっとぬるぬるするけど、バケツで洗いながら彫り進めていきました。
しばらく彫っていった後、木村さん、「手だけじゃなくて、作品ごと水でじゃぶっと洗ってみちゃってくださーい」と言いました。
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え、洗っちゃうの?しかし、いざバケツの中に入れて手でこすってみると、小さく「おっ…」と声を上げる参加者も。
彫刻刀でがつがつと彫られた塊はどこかつるりとして、角が取れるような感じ。薄い部分は透明度が増してまるで氷のような見た目に変身!
これが今回の素材ならではの彫刻行為。カタチが手に馴染んでいく感触、また光が変化していく様子を楽しみました。
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新しい「彫り方」を覚え、いよいよ最後の仕上げの作業へ。参加者それぞれがつくりたいイメージにあわせて、木村さんも丁寧に話を聞きながら指導します。
「これを上から見たらどうなると思う?」「もうちょっとこの端っこ丸くしてみましょうか」などなど。
複数人で作品を触った後は、そのままバケツでじゃぶんと手を洗えば、感染症対策にも!これも素材の持つチカラです。
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時間に追われつつもなんとか仕上げた作品をもって、最後には鑑賞と講評を行いました。半透明の作品たちが展示台に並ぶと、なんだか誇らしげにきらきらして見えます。
まるで展覧会のようなしつらえは、美術施設ならでは!大きな窓の外から様子を見ている人もちらほら…。
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自身の作品を前に、テーマや苦労したポイント・面白かったところなどを話す参加者に、木村さんが制作中にやりとりしたことをお話しして応え、なごやかムードの講評に。他の参加者がうんうんと頷く様子も見られました。
年齢や経験がまったく違う参加者が集まりましたが、同じ素材・技法に触れる体験が共有できたことで、それぞれの作品に興味を持って鑑賞したようです。

この作品はお家に持って帰って、飾っておくのはもちろん、石けんとして使用することももちろん可能!「手がこすれることによって無限にカタチが変化して、彫刻は続いていきます」と木村さんは最後にお話ししました。
やわらかですぐに彫れる素材なので、時間が足りなかった参加者は家にある道具で彫り進めることもできるし、削り落とした部分をさらに作品にしていくこともできそうです。

持ち帰った作品が参加者それぞれのお家のなかで、これからずっと変化していくでしょう。
生活のなかで変化していく不思議な作品、おうち時間に新しい楽しみをつくってくれそうです。
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by atlia | 2021-05-05 17:21 | ワークショップ