〈樹々あそぶ庭々〉アーティストトークを開催しました
2018年12月1日(土)、企画展〈樹々あそぶ庭々〉に関連して、アーティストトークを行いました。
お話しいたただいたのは出品者の浅見貴子さん(画家)。
本ブログでは「第13回アーティスト・イン・スクール〈校庭の樹-墨の点々で描こう〉」授業レポートで既におなじみですが、今回のトークではご自身の作品を中心にお話しいただきました。
ゲストに光田由里さん(DIC川村記念美術館学芸員)をむかえ、お二人のお話しで作品をたどっていきました。
せっかく本物があるからと、ギャラリーツアーのようにして、会場をご案内します。
ひとつひとつの作品に対して丁寧に聞き取っていく光田さんの質問に、ときおり思い出すようにして答えていく浅見さん。
「描く樹木はどんな視点で選ぶんですか」という質問には、「枝ぶりが面白いもの」と答え、「自分の考え方をあらわしたりというよりは、それをそのまま、見たままに描く方が良いというか、面白いものになると思っていて」とお話ししてくれました。
どんな風に枝が重なっているのか見ながら、時には身体を動かして筆の運びを考えると言います。
大きな作品に全身をつかって取り組んでいることがよく伝わりました。
新作が並ぶ空間では、少々座ってじっくりお話し。
今年は特に「枝も点々をつかって描いてみる」という試みがあったという浅見さん。
枝が細かく揺れるように伸びていく様子を表したかったというその方法でしたが、なかなか思うように進まず、苦労も多かったと言います。
結局は時間がなくて筆をおくことになると言いますが、光田さんは「浅見さんは謙虚だからそう言うけれども、やはりここだと思うタイミングをみていらっしゃる」と受けました。
裏側から描いているからこその難しさや面白さ、そして成長していく樹木に時間をかけて向き合っているからこそ探れる多様な表現と試み。
画家としてのキャリアが確固たるものになった今でも常に謙虚である浅見さん、その姿勢が新しい挑戦につながっているのかもしれません。
多くのお客様にいらしていただき、ありがとうございました!
会期も残りわずか、これからという方も・もう一度という方も、作品はぜひ会場でお確かめくださいませ。
photo:Kozo Kaneda
by atlia
| 2018-12-04 14:56
| 企画展
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