公式ホームページへ
ATLIA STAFF BLOG
AIS13:vol.0 校庭の樹-墨の点々で描こう 始動!
恒例となっています「アーティスト・イン・スクール」、今年度で13回目をむかえます!
第一線で活躍するアーティストが図工・美術の授業で先生(講師)をつとめるこのプログラム、
毎年1校1学年、川口市内の小中学校を対象として開催しています。
約1か月半ほどのあいだに何回かの授業を行い、ともに作品を制作しながら交流をもつことで、
児童生徒はもちろん、アーティスト、学校の先生、アトリアスタッフにとっても、学びの機会となっています。
さらに、授業で出来た作品はアーティストの作品とともに当館で展示し、みなさまにも楽しんでいただける展覧会として公開!
芸術の秋、もりだくさんの企画です。

今回の秋のこの企画、展覧会タイトルは〈樹々あそぶ庭々(きぎ あそぶ にわにわ)〉。
ちょっと不思議なタイトル、これはご一緒するアーティスト:浅見貴子さんの制作から想を得たものです。
浅見さんは埼玉県秩父市生まれ・在住。自然豊かな環境のなかで、家やご近所に生えている樹木をモデルに制作をしています。
c0222139_16090451.jpg
※1





こちらはご自宅にあるという柿を描いた作品。和紙と墨が材料です。
本物の樹木にむきあってスケッチすることを基本とし、その生き生きとした枝の勢いやリズムを大切に描きだしています。
ぐぐっと力強く描かれた幹、うねる枝、そのうえにぱらぱらと点が描かれているのが特徴的。
この点々、まずは葉のように見えますが、しばらく見ていると、それが揺れている軌道にも見えるし、
すると枝の動きにも見えてきて、さわさわとした気配そのものが感じられてくるようです。まるで踊っているようにも見えるような?

近年では、この独特の点々をより生かした制作に変化してきました。
c0222139_16123859.jpg
※2

これは桜を描いたもの。上の作品と比べると、リズミカルな点とその連なりがぐっと目立っています。
抽象的に感じられますが、これも本物の樹が生えている自宅近くの公園に何か月か通ってスケッチしたものが基本となっている、とのこと。
スケッチの時間が長いので、その時の枝や葉の位置だけでなく、動きや風の気配などが重なりあっているのかもしれません。
余白も気持ちよく、太陽の光を浴びながら、ゆったり揺れているように・きらきらとしているように見えますね。
墨の濃淡が遠近に見えたり、時間の動きに見えたりと、まわりの空気ごと樹木の生きている様子が伝わるようです。

「点々」で「樹々」を表現している、浅見さんの作品。
今回のアーティスト・イン・スクールでは、身近な樹をモデルにしている浅見さんの制作に倣って、校庭の樹を描くことにしました。
授業のテーマもそのまま「校庭の樹-墨の点々で描こう」に決定!

これに取り組むのは、川口市立芝樋ノ爪小学校5年生29人。
1学年1クラスしかない小規模クラス、さらにわかば学級(特別支援学級)も一緒に授業を行います。
c0222139_16332069.jpg
事前の打ち合わせにて、学校の図工室で考え中の浅見さん。これからの授業、どういう風に進めようか…。
ちょっと緊張や不安もありつつ、でも楽しみでもあります。どんな児童たちと会えて、どんな作品が生まれるでしょうか?

浅見さんの画家としての暮らしのなかで描かれる、「日々の樹」。
そして浅見さんと一緒に活動することで、芝樋ノ爪小学校5年生が描きだすことになる「校庭の樹」。
展覧会ではいろんな樹があつまって、にぎやかな庭ができるはず!しかもたくさんになるかも!
…ということで、本企画のタイトルは〈樹々あそぶ庭々〉となったのでした。

本ブログでは、これからの授業をスタッフ目線でレポート、随時更新していきます!
普段はなかなか見られない学校のなかでの活動、どうぞお楽しみに。




※1 浅見貴子作品《脈2002.1》2002年(撮影:奥村基)
※2 同じく浅見貴子作品《桜木影向図》2015年(撮影:椎木静寧)


---
〈樹々あそぶ庭々〉
第13回アーティスト・イン・スクール
校庭の樹-墨の点々で描こう 
浅見貴子×川口市立芝樋ノ爪小学校5年生29人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2018年11月10日(土)~12月9日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
※関連展示として講師作品展〈日々の樹-生々を描く庭〉を先行公開 10月27日(土)~
---


c0222139_11403601.jpg


by atlia | 2018-09-30 10:26 | 学校×アトリア