全員が大きな布にくるまると、新生さんはこんなお話を始めました。
「今の時期は空気が澄んでいるから、星がたくさん見えるよね。あのね、『ほんわか村』っていう心の優しい人たちが住んでいる村があってね、そこでは星が綺麗に見える夜に『星まつり』をするの。『雲母(うんも)』っていう透き通った石で飾りをつくって、それを持ってお祭り会場まで歩いて行くんだよ。その日だけは、子どもも特別に夜遅くまで起きても良いことになっているの。だからみんなで大はしゃぎ!」
おとぎ話のようなストーリーに、少し不思議そうな表情の参加者たち。新生さんは参加者たちに、この「星まつり」をみんなでやってみよう!と提案しました。
新生さんいわく、「星まつり」には、光に透ける「うんも飾り」が欠かせないのだとか。まずはその準備をすることにしました。カラーセロファンを細かく切って土台となるパーツに貼り、新生さんに教えてもらいながら組み立てていきます。ちょっと難しい作業もありましたが、他の参加者がパーツを押さえて手伝ってくれるといった、ほんわか優しい場面も。どんな形にセロファンを切るか悩んだり、色の組み合わせ方を吟味する参加者も見られました。
できた「うんも飾り」に懐中電灯の光を当てて、壁や床を照らしてみます。すると、色とりどりの幻想的な光があちこちに浮かび上がりました!大勢で飾りを手に会場を歩き回る様子は、ちょっとしたパレードみたい。
ここで一旦、場面転換。窓に貼られていた黒い画用紙に、指で穴を空けていきます。少しずつ穴を広げるはずだったのですが、勢い余って一気にビリビリ。でも参加者はとっても嬉しそうな表情。こんなハプニングも「星まつり」を盛り上げるエッセンスのように感じられました。
画用紙をビリビリしている間に、星の精に扮したスタッフたちがスクリーンを組み立てました。いよいよ「星まつり」の山場です。全体のバランスに注意しながら、全員の「うんも飾り」をスクリーンに吊るしていきます。そして、拍手とともにライトアップ!セロファンでつくった絵や模様が、息をのむほど鮮やかに写し出されました。見とれてしまったのか、一言も発せず、身動きすらしない参加者たち。その瞳も、キラキラと光り輝いて見えました。
ライトアップした「うんも飾り」をじっくり眺めた後は、グループごとに影絵のパフォーマンスを披露しました。最初は恥ずかしがってなかなか前に出られなかった子も、他の参加者が元気よく踊ったり、保護者の方の飛び入り出演があったりするうちに、勇気を出して前に出てきてくれました。クライマックスは、全員でセロファンの雪を降らせて大はしゃぎ。まさにお祭り騒ぎとなりました。
参加者たちのアイディアが集まってできた、今回の「星まつり」。次から次へと何が起こるか分からないワクワク感と、だんだん一つの大きな舞台ができあがるようなドキドキ感、その両方を堪能できるワークショップとなりました。