公式ホームページへ
ATLIA STAFF BLOG
AIS12:vol.3 それぞれの役割:いっしょに、つくること。
第12回アーティスト・イン・スクール(AIS12)、ミヤザキケンスケさん(ミヤケン先生)と川口市立東本郷小学校6年生33人の授業が続いています。
コミュニケーションとしての「絵」を体得しながら、おっきなぼくらの絵に挑戦する1か月間。
今回の授業レポートも3回目、折り返し地点です。

前回、下塗りまでが終わった大きなテント地、その上にもっとたくさんの要素を描いていこうというところ。
すでに授業に慣れた様子の児童たちは授業開始時間前にきちんと集合、言われずとも上履きと靴下を脱いで早々にスタンバイ!
ミヤケン先生とスタッフも絵具だらけの作業着で迎えます。
c0222139_19455660.jpg
授業の最初に、ミヤケン先生、前回の振り返りとともに「協働制作」について少しお話をします。
「みんなでひとつのものをつくるってことは、楽しいことばっかりじゃないかもしれない」と切り出しました。
描きたいものやそれに対するイメージが違うかもしれない。
スペースの取り合いになっちゃうかもしれない。
アイディアが採用されなかった人もいるかもしれない。
でも、今までに生まれなかったものや見えなかったことに、近づけるかもしれない。
そういえば前回の授業でも33人全員が作業している間、後ろ向きにぶつかりそうになったり係がそれぞれに迷ったりといったことも、もう起きていたのです。
「ちょっとしたトラブルや行き違いがあったら、みんなが譲り合うことが必要。そうすると作品が見えてきます」とミヤケン先生は言いました。
真剣に話を聞いていた児童たち、納得の顔で「はい!」と良い返事!




c0222139_19565481.jpg
全員での制作についてを意識しつつ、下塗りがキレイに乾いたテント地にむかいます。
まずはミヤケン先生、少しだけガイドになるような線を引いていきました。係ごとにモチーフを確かめながら相談し、チョークでざっくり描きます。
「この辺にみんなの顔があるはずだね、ここに輪郭を描こうか」「虹は黄色の上に違う色の線を重ねていこうね」
「空には白い雲があった方がいいかな」「ファームにはまず、野菜がほしいよね」
係ごと、33人それぞれに作品のなかでの仕事が見つかっていきます。
東本郷小学校6年1組を表すモチーフたち、黒板にはイメージをさらに細かくした設計図が貼られました。
c0222139_20003294.jpg
c0222139_20013065.jpg
c0222139_20042420.jpg
それぞれの役割を果たすべく絵具をもらった児童たちは、任されたものに最適な刷毛や筆を選びとって、さぁお仕事開始!
オレンジ一色のままだった校庭に縄跳びしている人が登場、その上では黄色だけだった虹が変化していきます。
校舎はびっくりするほどカラフルに?学校ファームの真ん中には立派な稲穂を抱いた校章が見えてきました。
すっかり乾いた下地の上、塗り重ねてもはっきり線や色がつくれるから面白い!どんどんお仕事が進んでいきます。
c0222139_20172046.jpg
c0222139_20105732.jpg
c0222139_20113766.jpg
c0222139_20165017.jpg
短い休憩をはさんで、ミヤケン先生、いったん手をとめて絵を少し見てみるようにと指示をしました。
3.5×8mを囲んで集まる児童たち、自分たちの仕事を離れて他の係の仕事を進捗を確かめます。
「大分描けてきた感じがするけど、細かいものがあるから、隣同士は特に気を付けて」
隣同士にくる色は混ざりやすいから乾くのを待っている間に他の場所を手伝ったり、相談するのに時間をつかったり、絵具を混ぜて色を準備しておいたり。
つまり「譲り合いながら」につながるポイントをさらに具体的にお話ししたミヤケン先生。
「迷ったら相談するんだよ!じゃ、もう少し頑張ろう!」
c0222139_20270093.jpg
富士山に降る雪の上には人が登っていきます、白に混ざってしまわないように気をつけながら…。
遊具は細かい線がたくさんあるから、係のなかで反対向きに描いていく人を自然に決めたみたい。
学校ファームの上ではトマトについて相談している模様、ミヤケン先生にアドバイスを求めることにも慣れてきました。
c0222139_20412877.jpg
c0222139_20405867.jpg
c0222139_20481723.jpg
夢中になってお仕事を進めていると、今日も時間が早く過ぎていきます。
比べてみると、どうかな?授業中盤の時点と同じように、少し絵から離れて見渡してみます。おっと、随分描けている気がするぞ!

絵具の扱いにも少しずつ慣れ、譲り合いも覚えてきた児童たち。いよいよ制作は終盤に!果たして完成なるか!?

その日の授業終了後、次回のためにと、ミヤケン先生は児童たちを導くための線を少し描き足しました。
これまでたくさんのワークショップを経験してきたミヤケン先生ですが、こんなに何度も足を運んで時間をかけたプログラムはなかったと言います。
次は学校のなかでは最後の授業、完成するかという不安もあり、もちろん作品が生まれてくる高揚感もあり。
その筆は、これまでの時間をなぞるみたいに少しずつ、ちょっとだけ迷いながら、進んでいくようでした。
c0222139_21034753.jpg


photo: Kozo Kaneda

---
第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
※関連展示として講師作品展〈カラフル・ザ・ワールド!〉を先行公開 10月28日(土)~
---
このプログラムの過去記事はこちら↓から
c0222139_15225976.jpg

by atlia | 2017-10-27 16:31 | 学校×アトリア