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ATLIA STAFF BLOG
ここにも通信!作品・アーティスト紹介⑥
ギャラリー前の芝生広場は、あたたかくなって子どもたちで賑やか。
小さなお子さんが多いのも、川口市のまちの特徴ですね。

開館10周年記念展〈ここにもアート かわぐち〉も、ひきつづき賑やかに開催中です。
出品作やアーティストを企画スタッフ目線で紹介する記事シリーズも、だんだん重なってきました!

今回は杉田龍さんの彫刻作品の中にある「作家の息づかい」を探ります。
杉田さんの作品は、アトリア展示室内でご覧いただけます。
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整然と、しかしリズミカルに、空間の中に存在する、いくつかの作品たち。
それぞれ違うようですが、実はこれらはすべて同じつくり方で制作されているのです。

その方法は、「鉄板を切って折る」。これだけ!しかし、ちょっと不親切な説明でしょうか。
では、レンガの台座も印象的な《the potter flowers》を例に、もうちょっとお話しましょう。
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実は、これは1枚の鉄板からつくられています。
まず、白い塗料を塗った四角い鉄板に展開図を描きます。杉田さんから実際につかった図をもらったので、こっそりお見せしますね。
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これらの線を切っていくのですが、すべて切り取らずに一部を残しておきます。その部分を折って持ちあげ、立体に。また別の線の部分を切り取って、違う方向へと折り曲げていきます。
その繰り返しによって、鉄板1枚にすべての部分がつながったままに、立体的なお花の部分が出来上がるのです。

そう聞くと細部まで見てみたくなりますね。
そっと近づいてみると、もう1点、この作品の意外な表情に気が付きます。
それは、鉄板に、白以外の色…焦げたような色、あるいはぷつぷつとした泡立ちの「跡」が見えること。
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これがまさに、「作家の息づかい」なのです。
鉄板を切るときには、熱を加えると言っても、大変な労力がかかります。熱くなった工具をじりじりと鉄板に当てて、これまたじりじりとした速度で切っていきます。
そしてもちろん切ってしまったら修復できません、慎重に、しかも緊張しながらの作業、杉田さんは息をとめながら切っているのだとか。
しかし、ずっと息を止めているわけにもいかない。はあっと息をついたら、今度は同時に鉄を切る手が一瞬止まります。
その時に着くのが、この「跡」。つまり、熱がたくさん加わることによって、素材が少し変化した跡なのです。

まさに「作家の息づかい」が、作品に表情を与える。
この光景を想像すると、もっと作品に近づいてみたくなる。
一見無機質な「鉄」という素材にも、有機的な変化をご覧いただけます。

ぜひお近くでその表情を感じてください。
でも切り口は鋭いから、触らないように!気をつけてくださいね!


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平成28年春の企画展/開館10周年記念事業
〈ここにもアート かわぐち〉

アトリアから作品が飛び出した!ここにも、そこにも、どこでも、アート!

今まさに発展を遂げているまち:川口で、みずみずしい感性のアーティストたちの表現があふれ出す!油絵・日本画・彫刻はもちろん様々な作品を市内の施設でご覧いただけます。
開催期間:2016年3月19日(土)~5月14日(土)
展示会場:川口市立アートギャラリー・アトリア、川口駅前複合施設キュポ・ラ内各所、川口市立グリーンセンター
観覧可能時間:施設によって異なりますので、下記施設のホームページへのリンクをご参照ください。


出品アーティスト:片庭珠実、角野泰範、馬場知子、山本智之、青木邦眞、高野浩子、佐藤裕一郎、杉田 龍、小林美樹、八田真太郎、後藤雅樹、羽山まり子、青木聖吾、遠藤研二、大和由佳、對木裕里、堀口泰代

展示会場リンク
施設名をクリックすると該当の施設のホームページへリンクします。
開館時間やアクセス情報をお確かめの上、ご来場ください。
川口市立アートギャラリー・アトリア 
川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブン(キュポ・ラ7階)
かわぐち市民パートナーステーション
(キュポ・ラM4階)
川口駅前行政センター(キュポ・ラ4階)
川口市立グリーンセンター


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by atlia | 2016-04-14 13:17 | 企画展