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ATLIA STAFF BLOG
ここにも通信!作品・アーティスト紹介③
4月に入り、春の空気も本格化。桜が満開というニュースもありましたね。
アトリアでは開館10周年記念展〈ここにもアート かわぐち〉、ひきつづき開催中です。

連載「ここにも通信」、本展に関する情報を発信してまいります。
出品作やアーティストを企画スタッフ目線で紹介するシリーズも、今回で第3弾!

つづいては八田真太郎さんの作品《ミメーシス/行為の堆積・情報の抽出/Yuriage20110329》について。
こちらの作品はアトリアの展示室内でご覧いただけますよ。
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本作は1600×4800mmの大型作品、6枚のパネルを組み合わせています。アトリアの壁一面を埋める存在感が抜群!
油絵の具とアクリル絵の具を併用して描かれているモノクロームの印象的な風景画、と言えるでしょうか。

この作品に向き合うとき、「自分と作品との距離感をはかる」という鑑賞を、企画スタッフはおすすめしています。
一見すると写実的な風景画、ではあるのですが、全体を見ている視点だけでなく、細部を見ていく視点をつくると、より深く作品を味わうことができます。
なので、不親切かもしれませんが、この作品の前には椅子等を置かせていただいておりません。見てくださる方に、歩きながら作品との距離感をはかっていただきたいのです。

例えば、ガレキの中に自転車のタイヤを見つけたり。
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例えば、空の中に茅葺屋根らしき立派な建物が見えたり。
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例えば、人だっていたり、します。
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遠くから見ているだけでは見つからなかったものが細密に描かれているのに気が付きます。

タイトルにある通り、描かれているのは「閖上(ゆりあげ)」という宮城県の海沿いにある地域です。これをショッキングな場面と捉える方もいらっしゃるかもしれません。
でも写真でなく、絵画とすることで、それは事実である以上に、時間をかけて描かれた心象と痕跡になります。そこに、見ている方も自身の気持ちを重ねていくことができるのではないでしょうか。
そういった意味では、物理的な距離だけでなく、心の距離も、見ている方それぞれにはかっていただくことができる作品と言えます。

本展に出品されている作家さんたちは、全員過去にもアトリアで発表をしている方々であることは過去の記事でもお話した通りですが(その記事もぜひご参照ください)、
本作を描いた八田真太郎さんが参加いただいた過去企画展の期間中に、東日本大震災が起きました。
被災地に赴いた八田さんはボランティアなどを経験した後、この作品の制作に着手。完成まで、丸4年。何度も加筆され、大きくなり、この状態で展示されるのは今回がはじめてとのこと。
こうした「時間の距離」を感じることができるのも、本展ならでは。

行為の連続が、作品を生み出す。
そして、時間が費やされた繊細な絵画だからこそ、鑑賞者との距離感をも生み出す。

ぜひ、ゆっくりと、歩きながら様々な角度で、味わってください。


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平成28年春の企画展/開館10周年記念事業
〈ここにもアート かわぐち〉

アトリアから作品が飛び出した!ここにも、そこにも、どこでも、アート!

今まさに発展を遂げているまち:川口で、みずみずしい感性のアーティストたちの表現があふれ出す!油絵・日本画・彫刻はもちろん様々な作品を市内の施設でご覧いただけます。
開催期間:2016年3月19日(土)~5月14日(土)
展示会場:川口市立アートギャラリー・アトリア、川口駅前複合施設キュポ・ラ内各所、川口市立グリーンセンター
観覧可能時間:施設によって異なりますので、下記施設のホームページへのリンクをご参照ください。


出品アーティスト:片庭珠実、角野泰範、馬場知子、山本智之、青木邦眞、高野浩子、佐藤裕一郎、杉田 龍、小林美樹、八田真太郎、後藤雅樹、羽山まり子、青木聖吾、遠藤研二、大和由佳、對木裕里、堀口泰代

展示会場リンク
施設名をクリックすると該当の施設のホームページへリンクします。
開館時間やアクセス情報をお確かめの上、ご来場ください。
川口市立アートギャラリー・アトリア 
川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブン(キュポ・ラ7階)
かわぐち市民パートナーステーション
(キュポ・ラM4階)
川口駅前行政センター(キュポ・ラ4階)
川口市立グリーンセンター

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by atlia | 2016-04-02 15:43 | 企画展