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ATLIA STAFF BLOG
たのしい実技講座[文字を楽しむ!活版印刷]を開催しました。
1月17日(日)、〈アートな年賀状展2016〉関連 たのしい実技講座[文字を楽しむ!活版印刷]を開催し、7名の方に参加いただきました。
講師はTokyo Pear(デザイン兼印刷スタジオ)のスミスダレンさんとスミス恵梨子さん。
おふたりはアメリカ・シアトルで活版印刷に出会い、帰国後日本でその魅力を広めようと活動を開始しました。

活版印刷とはハンコに似た凸状の活字にインクを塗り、紙を押しつけて印刷する古くからの印刷技法。今回はアルファベットの木活字を使って、世界にひとつのオリジナルミニノートを制作しました。
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活版印刷の名刺やお手紙をもらうことがあっても印刷機や活字を見るのは初めてのこと。
並べられた活字に参加者たちは興味津々。恵梨子さんは手にとって説明を始めます。
ひと口に活版印刷と言っても使用される用途や国によって発展していった経緯が異なり金属、木、樹脂でできたものなど活字の種類は様々。文字の種類が多い日本では金属を型に流して活字をつくっており、一方イラストなどの図案はコンピュータでデザインして樹脂でつくったものが適しているそうです。
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今回使用する木活字は文字数の限られた英語圏で多く使われていました。
おふたりが持ってきてくださった活字は以前アメリカで実際に使われていたもの。古いものなのでキズやへこみもありますが、それは活字の個性。「印刷されたときにはその傷も紙に写り、文字の味になります。」と恵梨子さんは話しました。
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お話のあとにノートの制作へ。表紙となる紙を選び、ノートのデザインを決めていきます。思いおもいに活字を選び、組み合わせる参加者たち。文字の傷を吟味しながら選ぶ様子も見られました。
名前と数字を重ねて印刷したい!単語をじぐざぐに置きたいんだけれど…デザインに悩んだら講師に相談しつつ配置していきます。
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デザインが決まったら活字がばらばらにならないよう印刷機の枠に固定します。このときに文字の間隔は薄い板や金属部品を間に詰めることで調整します。コンピュータで行えばボタンひとつでできる工程ですが、昔はこのように手間をかけていたことに驚きました。
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そしていよいよ印刷です!手キンと呼ばれる印刷機に紙と活字をセットしインクをになじませ、レバーを下ろします。
ガッチャンという音とともにぐっと力をかけるのですがなかなか下がらず苦戦する参加者たち。全体重をかけても動かないときはダレンさんが手助けしてくれます。

印刷するまでどんなものに仕上がるか分からないのが活版印刷。作品とドキドキの対面です。
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活字から離れた紙をみて参加者たちの顔がほころびます。どうやらきれいに印刷できたようです。参加者の嬉しそうな表情に講師も笑顔を浮かべます。
時間をかけ自らの手でプレスしたことで喜びもひとしお。ひと押しひと押しに思いが込められていきます。

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活字の個性だけではなく、インクのムラやかすれ、ちょっとした版のズレが印刷物の味になる活版印刷。
よく見ると同じデザインの中にも色々な表情が見られます。ひとつひとつ思いを込めてプレスした参加者たちはその表情を見極め、お気に入りのものをノートの表紙にします。
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製本し完成したノートに満足な表情の参加者たち。難しかったり力が必要だったりと苦心する工程から印刷技術の発展を経験し、手作業でしか出せない温もりを感じることのできる実技講座となりました。

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by atlia | 2016-01-21 16:44 | 鑑賞講座・実技講座