講師は、体感に特化したワークショップを探求するたむらひろしさんと他者とのコミュニケーションを大切にしてきた靴職人である五寳賢太郎さんのお二人。
まず、暗闇の中で体感を研ぎ澄ますワークショップを得意とするたむらさんからミニワークショップの説明を受けプログラムがはじまります。

「もしかしたら危険に感じる方もいるかもしれません。そう思ったらリタイアしてくださいね。」と冗談で話すたむらさん。みなさまに行ってもらう体感では、通常靴で踏むはずのマンホールや粘土などの素材をはだしで踏むという内容のものでした。靴という普段なら足を守ってきた道具を使用しないことで、足の本来の感触を意識する体感ができるそう。

純粋な足の感覚だけを感じてもらうため目隠しをした状態で歩くミニワークショップでは、目の前が見えない緊張感と初めて感じる新しい体験に賑やかな雰囲気で参加するみなさまの様子が伺えました。靴で歩いたときには感じなかったマンホールの冷たさや粘土のしっとりとした感触を意識し、はだしと靴の関係性に関心を深めれば講師お二人の対談にも興味が湧いてきます。

対談では、足と靴の関係から視る街について話しが弾むお二人。舗装された道ができたため、ハイヒールをはじめとする多様な靴が生まれ、靴の変化により足裏の感覚も変わってきたということは、足と靴に携わってきた2人だからこそ言えること。
時代と環境の変化により靴や身体が変化を遂げ、まちや文化の発展に深い繋がりがあることを学びました。2人の魅力あるお話の中では、靴生産の歴史が長い地区で靴職人をしている五寳さんならではの、靴選びのコツや靴の歴史についてのお話を聞くことができ、普段は意識しない感覚を研ぎ澄ましながら身体と靴・まちの知識を深める機会となりました。
