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ATLIA STAFF BLOG
アートさんぽ[アーティストと行く富士塚めぐり]を開催しました
5月31日(日)、夏の企画展関連アートさんぽ[アーティストと行く富士塚めぐり]を開催しました。
太陽がまぶしい快晴の空の下、22名にご参加いただきました。

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講師は、アーティスト・富士塚研究家の有坂蓉子さん。富士塚をモチーフとしたアート作品を制作しているほか、独自の視点による富士塚探訪をライフワークとして続けています。

まずは有坂さんから富士塚についてのお話と、鑑賞のコツを伺いました。
富士塚とは、富士山を信仰の対象としていた人々が気軽に・簡便に富士登山を体験するために造った、いわば富士山のミニチュア。登ることで、本物の富士山に登ったのと同じ御利益を得られるとされています。
人々の願いを込めて造られた「聖地」ですが、よく見ると、独特なこだわり・センス・美学が詰まっているのだとか。
昔の人々はどのような思いで富士塚を造り、登り、そして現在へと受け継いだのでしょうか。それらを想像し紐解くことが、今回のアートさんぽのコツです。

お話を聴いた後は、さっそくバスに乗って出発!

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最初の訪問地は、川口市郷土資料館(川口市鳩ヶ谷本町)。ここには富士信仰の偉人・小谷三志の常設展示があります。小谷三志は川口周辺だけでなく全国に信仰を広めたほか、女人禁制だった富士山への女性の登頂を初めて成功させた先達(指導者)としても知られています。
富士信仰の歴史やその中心人物についての展示を鑑賞すると、当時の富士信仰の隆盛が伺えます。

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次の訪問地は、埼玉県下で最も歴史が古いと言われている木曽呂富士(川口市東内野)。有坂さんの解説を聞きながら、一歩ずつ登山道を進んでいきました。頂上に着いたら、全員で遥か遠く富士山の方角を見渡してみます。現在では周囲に雑木が茂ってあまり視界が開けていませんが、築造時は富士山の姿が麓まで見えたのではないでしょうか。そのような想像をしてみるのも、富士塚めぐりの醍醐味です。
南側にある階段を降りていくと、塚の中腹と西側に入口のようなものがありました。それぞれ富士山の人穴と胎内を模して空けられているそうで、1つの塚に2つの洞窟があるのは珍しいのだそうです。2つがかつて繋がっていたというのも面白いです。

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次に訪れたのは、東沼神社(川口市差間)内にある見沼富士。かつて富士塚があった場所に、新しく500分の1スケールで築いたミニ富士山です。境内の東側に登山口があり、森を抜けると目の前にいきなり富士山が現れる様がダイナミック。シャープな三角形の輪郭と、芝生の緑が目に鮮やかです。
ここでは、通常非公開となっている「浅間神社参拝図絵馬」を特別に見せていただきました。富士塚があった当時の境内の様子が描かれた貴重な奉納品です。

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最後に訪れたのは、鎮守氷川神社(川口市青木)。境内にある富士塚はちょうど改修が済んだところで、なんと今回の参加者さんがリニューアル後の初登山者!植木が綺麗に剪定され、石碑や登山道がよく見通せるようになっていました。
実は、富士塚が現在に姿を残せているのは、倒壊を防ぐために手入れをし尽力してくれる誰かがいるからこそ。史跡というと古くからずっと変わらないイメージがあるかもしれませんが、富士塚はちょっとずつモデルチェンジしているものも少なくないそうです。
身近な「聖地」として造られたからこそ、そのときの人々の生活に合ったかたちにして末永く受け継がれてきたのですね。

富士山から遠く離れた川口ですが、今でも富士信仰の名残りをいくつも見つけることができます。きっと当時の人々にとって、富士塚はとても大切な存在だったのでしょう。アートの視点から市内を文化探訪し、当時の人々の様子に思いを馳せるアートさんぽとなりました。

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さて、今回のアートさんぽには夏の企画展出品作家のMaS(T)Aが同行しました。さんぽの様子は映像撮影したほか、参加者さんへのインタビューも行いました。これらは編集され、夏の企画展〈アーティスト・ラボ2 シミュレーションゲーム〉で作品の一部として展示されます。
参加者さんの体験がどんなアート作品になるのか、ぜひ楽しみにしていてくださいね。

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夏の企画展 〈アーティスト・ラボ2 シミュレーションゲーム〉
会期:2015年7月18日(土)~8月30日(日)
その他、詳細はアトリアweb、展覧会ページをご覧ください。

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by atlia | 2015-06-10 14:34 | アートさんぽ