講師は美術家・舞踊家の新生呉羽さん。新生さんはワークショップを「入室から退室までの時間芸術」ととらえ、勇気を喚起する空間として活動を展開しています。今回は冬をテーマに五感や想像力をはたらかせて、冬の中にある様々な楽しみや、「賑やかな静けさ」をみつけるワークショップを実施しました。
スタジオに入るとスタッフ扮する冬の妖精たちが踊ったり、はしゃいだりしています。妖精たちは入室した参加者に駆け寄り、壁のピンアートにご案内。一緒になって壁に毛糸で冬の情景を描いていきます。「今日は寒かったね」「雪が降りそうだね」と妖精たちとおしゃべりをしながら毛糸を掛けていきます。
ピンアートが終わったら、みんなスタジオの中心にある紙の輪の中に入ります。身を寄せ合って、冬自慢をします。「冬のにおいがすき」「雪だるまをつくったよ」「霜柱を踏んだよ」冬のエピソードがどんどん出てきます。ここで今日何を行うか発表。「今日はトレーシングペーパーを使っておうちをつくります!」トレーシングペーパーって氷に似ています。白くて透けてて、冷たい雰囲気。それを使っておうちをつくろうというのです。
トレーシングペーパーに触って少しなれてきたらおうちをつくります。妖精もお手伝いして3人でおうちをつくっていきます。まず大きなトレーシングペーパーを線に沿って切ることから。お父さんやお母さん、妖精と力を合わせて切っていきます。切り終わったらテープで貼ってテント型に…2人で出来ない作業は隣のペアに手伝ってもらって制作。ちょっぴり難しいけれど、みなさん真剣な様子。仕上げに窓穴を空けて完成!!
おうちにもぐったり、動いてみたり、中に入った人を驚かせたりしておうちで遊びます。紙でできたおうちの入り心地はどうですか?あったかくて心地よくてなかなか出てこない子もいました。しばらく遊んでいると新生さんがみんなを集めます。「懐中電灯にセロハンを貼ってね」とみんなに指示します。これを使って何をするのでしょうか?
突然電気が消えました。懐中電灯のカラフルな光が部屋を照らします。おうちに当てたり壁に当てたり、とってもきれい。おうちの中に懐中電灯を持っていくと光が透けておうちが光り始めます。
新生さんの声を合図に、黒い紙筒を持った妖精が踊りながら登場。室内をぐるぐる回ります。妖精たちは子どもたちの手を取って踊り始めます。室内を横切るように紙筒が広げられ、冬の夜道が出現。この上でぶるぶる震える動き、冷たい床を歩く動きなど様々な冬の踊りを披露します。しばらくすると紙の端を妖精が持ち、突然ばっと紙から顔を出し、みんなを驚かせます。勇気をもって紙に近づいて、妖精たちを驚かせようとしますが、妖精たちの大きな声に子どもたちはびっくり!冬の道を何度も行ったりきたりします。
電気がつくと新生さんは冬を味わいに行こうとみんなを外へと誘い出します。少し雨が降っていましすが、冬の空気を肌で感じます。寒かったね、と話しながらスタジオへ戻ると雪が降っています!妖精たちが雪のしたで遊んでいるのをみてたまらず子どもたちが駆け出します。雪は紙でできていて、冷たくなくて、溶けないのでみんなで集めて降らせて何度もくり返し遊びます。
最後にみんなで写真をとってワークショップはおしまいです。
名残惜しそうに雪遊びをする子どもたちもいました。
みなさんの冬の素敵な体験になれたでしょうか?
冬の「賑やかな静けさ」に気付いていただけたら幸いです。