今年度は[補正作業 ―新しい「世界」のみつけ方]と題し、土屋貴哉さんと市立元郷中学校2年生が一緒に活動中!授業は9月中旬から11月中旬まで。
今回の授業の目的は、日頃「当然だよね」「ルールだから」と思いこんでしまっていることを見直し、自身の視点・視野や価値観を「補正」すること。
ルールから少し外れている状態を「変」と定義しそれらを発見する・制作することから、学校生活の中にも新しい世界を見出だし、より暮らしを豊かにする発想力・問題解決力を育てます。
今回のブログはレポート第2弾!2回分の授業をつかって行われた制作への下準備の様子をお伝えします。
前回までは「『変』を見つける」ことに一生懸命取り組んでいた生徒たち。
これからはもう一歩踏み込んで「『変』をつくる」に挑戦します!
さて、しかし、つくると言っても一体どうしたらよいものか。まずはきっかけを探さねばなりません。
そこで土屋さんは、学校の中を探検してみようと提案をしました。生徒たちに最も身近な場所を新しい視点でとらえようというのです。
他のクラスは授業中、静かに歩きながら学校の先生に制作可能なエリアを案内してもらいました。
前回の宿題でもそうだったけれど、身近な場所ほどよく見ていないもの。制作場所を探すのももちろんですが、今まで見落としていたものにどんどん気がつくようになりました。
元郷中学校は市内でも歴史の古い学校。敷地も広く、どんどん建て増ししているようなつくりをしていて、面白いところがたくさんあるのです。
こういう「ちょっと妙なもの」に少し何か手を加えることで、もうばっちり「変」をつくることになりそう!
15分ほどかけて校内を探検した土屋さんと生徒たち。それでも足りないくらいの時間でしたが、美術室へと戻ります。
見つけた面白い場所を誰かに知ってもらうため、または何でもないように感じるものを「変」なものにするために、具体的な方法を土屋さんはスライドで例示します。
「組み合わせる」「置きかえる」「変形する」「変質する(質感を変える)」「大量化」「真似る」「消す」「公表する(秘密のばくろ)」「直す」「名付ける」「間違える」、11の方法。すべて単純な動きです。
「組み合わせる」は2つ以上のものを積んだりくっつけたりするだけ。「大量化」は同じものをやたらと数を増やすだけ。「名付ける」に至っては、名もなきものにただ名前をつけるだけで良いのです。
落ちていた陶磁器らしき破片から勝手に全体像を想像し粘土を足した、「直す」立体作品。ラジオ体操の音楽なのに動きが違う、「間違える」パフォーマンス。
もう「変」の意味を理解している生徒たち、作品例をみるたびに教室からは笑いや驚きの声がずっと大きく聞こえるようになりました。
翌週は「11の基本」を踏まえながら、実際に学校の中でどんな「変」をつくろうか作戦を考えます。
「3条例」はこの授業では約束としたい、基本姿勢。
「日本国憲法および川口市立元郷中学校校則に抵触しない」「他人を傷つけない」「原則、原状復帰」。以上3つです。
制作はグループワーク、普段から美術の授業で一緒に活動している班で行うことに。班ごとにアイデアシートが配られ、それを元に話し合いを行いました。
さらにそれを膨らましたり、少し発想が停滞してきてしまった班は学校の中をさらに探検に。思いついたアイデアを確かめるようなパフォーマンス的動きもちらほら…。
今まで出たアイデアの中で最も気になる・面白そうなものを選びとり、実際の制作のイメージをアイデアスケッチとして描いていきます。
どこで何をみつけて、それをどんな風に動かすのか。それ以外に必要な材料は何か。
班ごとに1時間悩んだ結果、それぞれのアイデアシートが書きあがりました!
授業終了後、既にそのシートを見るだけでニヤニヤしてしまう土屋さん。たった1時間しかなかったのに、ここまでまとめた生徒たちの発想に驚いている様子。
良いところ、またはもう少し考えた方が良いところなどをチェックし、アドバイスとして書き込みました。
次の授業はこのシートを返すところから。班ごとに実際の制作に入り、さらににぎやかな授業になりそう!
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学校の中で展開している授業の様子を随時お伝えしてまいります!更新をぜひお楽しみに。
No.0 授業がはじまりました
No.1 オリエンテーション&最初の宿題