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ATLIA STAFF BLOG
たのしい実技講座[和竿師に学ぶ竹釣竿づくり]

9月6日(土)、7日(日)、13日(土)、14日(日)で、たのしい実技講座[和竿師に学ぶ竹釣竿づくり]を開催しました。
講師は和竿師の山野正幸さん。江戸時代から続く川口市の伝統産業である竹釣竿を、山野さんから手順やポイントを学びながら、4日間で制作しました。
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今回つくるのは、長さ6尺(約180cm)の2本並継ぎの竹釣竿です。つくった竹釣竿は、実際に海の船釣りで使用することができます。

1日目(9月6日)最初の作業は節みがきです。表面の汚れやデコボコをヤスリ磨きます。こうすることで、後ほど塗る漆の乗りが良くなります。
次に、竹釣竿づくりの肝となるすげ口づくり(差し込み口のメス部分)です。形が歪だと、負荷がかかって壊れやすくなるため、形をきれい丸く整えます。竹の断面はきれいな丸ではなく、Dの形をしているので、さびという小さな竹でへこんでいるところを整えます。
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次に糸巻きです。筒の中を削るため、薄くなるところを補強するための作業です。すげ口の二か所に糸を巻きます。糸が重ならないように、かつ間が空かないように巻くのがこの作業の難しいところ。うまく巻けず、苦戦している参加者が多く見られました。
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2日目(9月7日)の作業はすげ込みづくり(差し込み口のオスの部分)からです。折れの原因となるので、段差なく均等に仕上げます。
次に仮継ぎを行います。すげ口を削り、仮に継いで様子を見ます。栁葉キリという道具で、山野さんが行いました。継ぎ方にもルールがあります。竹の芽(枝が生えていたところ)を互い違いにするように継ぐのです。竹が生えている本来の姿のように継ぐことにより、自然なしなりが生まれてくるのです。

実際に継いでみると、一気に釣竿らしくなってきました。
次に中矯めです。矯め木を使い、竹をくるくる温めながら竹をまっすぐにしていきます。竹の太さに合わせて、矯め木も変えるそうです。
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竹をじっくり見ながら、細かな曲がりをまっすぐに直していきます。
2日目最後の作業は漆塗りです。竿全体に刷毛で漆を塗ります。黄土色だった竹が漆により艶やかな薄茶色なりました。漆を塗ることで見た目を美しくすることと共に、竹を保護できるのです。
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3日目(9月13日)も細かい作業です。まずはガイド付け。穂先から付けていきますが、どこに付けても良いわけではありません。芽を横にした位置で、その上にガイドがくるように糸で付けます。ガイドは小さいものは3mmくらいの小ささ!振動で付けたガイドが落ちてしまうこともあるので、しっかり固定します。
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とても細かい作業ですが、1日目の糸巻きで慣れてたのでしょうか、皆さんするすると巻いていました。
次にリールシート付け。シートは手元の下から握りこぶし3つ分上のところに付けます。
次に尻手ロープ付け。船からの竿の落下防止用のロープを、手元の下から握りこぶし1つ分のところに付けます。

最終日の4日目(9月14日)は、いよいよ仕上げの作業です。まずは山野さんが行う上矯め。コンロで温めながら、矯め木で竹をまっすぐに仕上げます。
次に、収納する時にすげ口を保護するための口栓(キャップ)をつくります。
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そして最後の作業、ガイド、シート、尻手ロープ、竿底に漆塗りです。通常は糸を巻いたところを補強するために塗りますが、参加者は自分の思い思いに塗っていました。それぞれの個性が一番出る作業でした。
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今回の実技講座の醍醐味は、つくることと使うこと、2つの楽しみ方があることです。自分でつくった釣竿で釣った魚の味は格別でしょう。今回の講座をきっかけに、伝統産業を身近に感じていただけたら幸いです。
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by atlia | 2014-09-15 11:36 | 鑑賞講座・実技講座