
知念さんの作品には青が多用されています。この青は太平洋の島国ツバルを訪れた際目にした空や海、トタン屋根、パスポート、子どもたちの制服の色を意識しています。ツバルは地面が低いため、温暖化のよる海水面上昇の影響で世界で最初に沈んでしまうと言われています。ふと地図を見てみると、ツバルも青い大海に浮かぶ「てん」ということに気づきました。その青を壁の色に用いることで、白い壁では気づくことのなかった影の美しさや時間の移ろいに気づくことができ、それ以降作品に青を取り入れるようになったのだとか。

また知念さんの日常の「何か気になる」という目線は自身の身体に移っていきます。身体に生まれつきある母斑(あざのようなもの)をかたどって「てんてん」で描いたり、足を「てんてん」で埋め尽くしていったり、自分の身体の気になるをつむいでいきます。そしてその制作は本展の作品につながっていきます。

《Topography of the Dots/点々の在り処》
「写真を撮ったり、ものを取っておいたりするだけでは足りない。自分がなぜ『気になる』のか知りたい。」そのために、小さな点で細部を紡ぎとるようにして作品を制作し、その度に少しずつ「答え」を見つけているのだそうです。

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8月15日(金)午後より 知念ありさ 公開制作
アトリアに出品作家がやってきて作品づくりの様子を公開します。※終了時間は未定です。
http://www.atlia.jp/exhibition/
