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ATLIA STAFF BLOG
アートウォッチング[不思議なきかいとの向き合い方]を開催しました。
8月3日(日)、開催中の企画展〈アーティスト・ラボ「つくられる」の実験〉関連アートウォッチング安西剛編[不思議なきかいとの向き合い方]を開催し、一般6名が参加しました。

安西さんは本展にて、プラスチック製品とモーターを組み合わせた不思議な「きかい」を展示しています。また、それらの「きかい」付近にはつくり方を記した「指示書」が置かれ、来場者はそれを見ながら「きかい」を修理したり、つくり変えたりすることができます。
今回は安西さんの「きかい」制作を追体験するため、前日に開催したワークショップ[不思議なきかいをつくろう1.2]にて作成された指示書をもとに、「きかい」の続きをつくりました。

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テーブルの上に置かれた「きかい」と「指示書」。既に自重を支えきれずに倒れてしまったものや部品が外れてしまっているものがあり、まずは修理が必要なようです。しかし付属の「指示書」の内容は曖昧で、書かれていない部分は想像で補うしかありません。どう手を出して良いのか分からず「うーん」と考え込む参加者も。

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部品をつけ直したり、新しい部品を足したりして、やっと「きかい」らしいかたちになってきました。しかし、ここでタイムリミット。「まだ出来てない!」という参加者も、頭の中で完成を予想しつつ、自分がつくっていた「きかい」を手放します。
そして席替えをし、今度は途中まで他の参加者が組み立てた「きかい」の続きをつくりました。

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最初に手を入れた参加者と二番目の参加者の間で相談はできません。頼れるのは「指示書」と自分の想像力のみです。

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互いが手を加えた「きかい」について、仕上がりを見ながら話し合います。交換する前と後で動き方や部品のつなげ方が大きく変わったものもあり、「自分が思っていた完成予想図とは違っていた」「想像以上に面白い結果になった」というコメントがありました。

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その後、安西さんの展示空間へ移動し、作品を見て感じたこと・気づいたことを話し合いました。
「モップの部分が植物みたい。成長しそう。」
「モップが回転して、周囲にあったブラシを吸い集めたように見える」
「私は逆に、モップが回転することでブラシを飛ばすことができると思った」
特定の用途がないはずの安西さんの「きかい」。それらに役割を与え、意味づけをするような発言が飛び出しました。
「動きがペットみたいで可愛がりたくなる」との意見も。
自ら「きかい」に触れ、壊れた部分を直す(世話をする)ことによって、不思議と愛着が湧いてきたのでしょうか。

作品制作の一部に触れ、参加者同士で意見交換することで、出品作を多方向から鑑賞することができるアートウォッチングとなりました。

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by atlia | 2014-08-09 13:03 | 企画展