今回の出品者は、江川純太さん・谷本真理さん・知念ありささん・安西剛さん。展覧会が始まる前に、4名の活動をちょっとだけご紹介いたします。
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今回ご紹介するのは、安西剛(あんざい・つよし)さん。
安西さんは1987年東京生まれ、2011年に東京藝術大学大学院のメディア映像専攻を修了された後、国内外で作品を発表してきました。

《Leaving my machines with machine-sitters》(The National Art Studio Changdong/ソウル、2013年)
安西さんの作品には、不思議でカラフルな「きかい」が登場します。
プラスチック製品や掃除道具に調理器具など、身の回りでよく見かける日用品。それらが紐やビニールテープで組み合せられ、小型のモーターによってガチャガチャと音を立てながら動いています。

《Leaving my machines with machine-sitters》部分
それ自体に何の用途もなく、まるで子どもの工作のように見える「きかい」。
しかし見ているうちに、何だか水撒きのための道具に見えたり、坂を登ろうとしている動物のようにも見えてきます。
意味を持たないものだからこそ、見る人が「きかい」に対して自由に意味付けができるのです。

《Somewhere In the Ballpark》(川崎市市民ミュージアム、2013年)
こちらは今回のチラシのメインイメージにもなっている映像作品。
「現在の文明が一度滅んだ後の世界」という設定のもと、2人の未来人が現代の日用品を発掘し、その使用法と名前を考えていきます。未来に生きる2人にとって現代の日用品はどれも物珍しく、現代の私たちからするととんでもない使い方がどんどん発案され…。
同じ人間であっても「モノに対する考え方のズレ」が生じることに気づかされる作品です。

アトリアサポートスタッフとの制作実験の様子(2014年6月)
見慣れた日用品によって、人とモノの間の意識のズレや意味の転換などを表出させる安西さん。
今回は、アトリアに来た皆さんがその場で「不思議なきかい」づくりにチャレンジできる機会を設けます。アトリアのサポートスタッフと一緒に行った制作実験では、普段意識していなかった「ものの考え方」についてハッとさせられる場面が見られました。
不思議な感覚を呼び起こす「きかい」に、ぜひ会いにいらしてくださいね。
〈アーティスト・ラボ「つくられる」の実験〉は7月19日(土)から!皆さまぜひお誘い合わせの上ご来場くださいませ。
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〈アーティスト・ラボ「つくられる」の実験〉
7月19日(土)~8月31日(日)
10:00~18:00(土曜日は20:00まで開館)
■安西剛作品 参加可能日……会期中 毎週木曜午後
アトリアに来た皆さんがその場で作品にづくりに参加できます。また、安西さんも展示会場で作品づくりを行います。
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