前日のワークショップに引き続き、講師は日本画家の新恵美佐子さん。
新恵さんのはつらつとした指導のもと、既成概念に捉われることのない自由で伸び伸びとした水墨画の表現に取り組みました。
まずはデモンストレーション。
モチーフを「面」で捉える意識を持つこと、また濃墨・薄墨・その中間の墨という3種の特徴を活かしながら描くことを教わりました。
用意した宣紙(せんし)という紙はにじみ止めの加工がされておらず、墨の伸びやかな表情が楽しめるのが特徴。
また、固形の墨は描く直前に摺ることで、水分に導かれて煤の粒子が紙に浸透していく動きを活発にし、これが滲みを豊かな表情にしていくとのこと。
この宣紙(せんし)と摺りたての墨(今回は油煙墨(ゆえんぼく)という黒色に光沢と深味があるものを使用)によって、美しい滲みが生まれることなども詳しく解説頂きました。
さあ、いざ実践! モチーフを見つめ、面を捉えて、濃淡を使い分けていきます。
参加者の皆さんの表情は真剣そのもので、椅子から立ち上がって描く方も多くいらっしゃいました。
スタッフが事前に摺っていた墨も紙も裏打ち用の糊も途中で追加となるほどで、皆さんの意欲あふれる姿に講師の新恵さんもとても喜んでいらっしゃいました。
最後は裏打ちの加工を施し、完成した一つの作品として楽しめるようにしました。
どの参加者の方も蟹・野菜・魚・鳥など様々なモチーフに挑戦し、何枚もの作品をダイナミックに描いていただき充実した講座となりました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
今後も様々な内容でワークショップ・講座を実施していきたいと思います。ご期待ください。