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実技講座「身近にたのしむ伝統工芸 ~はじめての箔絵~」を開催しました
本講座は、伝統的な技法を実際に体験しながら作品を制作することで工芸をより身近に感じ、またその魅力を再認識していただくことを目的に開催しました。
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講師は、漆芸家で鳩ケ谷在住の豊平江都さん。
蒔絵をはじめ様々な伝統技法を用いて、自然美にあふれる凛とした佇まいの作品を多数制作しています。
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今回は、12cm角のプレートに漆を塗ってその上に金箔を貼る「箔絵」に挑戦しました。
制作には「漆」の乾く時間も必要となるため、3日に分けて行いました。
1日目(2013年12月22日)は、まず下絵を考えて描いていきます。
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季節感にあふれるもの、思い出を描いたもの、デザイン性に優れたものなど、参加者それぞれの下絵が完成したら、その文様を薄い紙(雁皮紙・がんぴし)に写して、紙の裏側から弁柄漆で描いていきます。それをパネルに転写し、本銀消粉を蒔きつけたら1日目は完了です。
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2日目(2014年1月12日)は、いよいよ漆を塗って、その上に金箔を貼っていきます。
漆が接着剤の役割を果たすので、丁寧に薄く塗っていくのがポイントです。
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筆は、なんと猫の毛でつくられた専用の蒔絵筆。道具ひとつを見ても、構造や繊細さなど日本の伝統美がぎゅっと詰まっています。
塗り終えて室(ムロ)に入れ、漆が乾き始めたらその上に金箔を貼っていきます。
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少しの風でも箔が飛んでしまうため空調を止め、呼吸も止めながらの緊張感あふれる作業です。
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「こんなに緊張したのは久しぶり!」と、一発勝負の作業を終えて心地よい達成感に包まれている方も。

最終日(1月19日)は、金箔がはみ出してしまった余分な部分を整えて仕上げたら、朱漆、緑漆、黒呂色漆などの色漆を使って彩色を施していきました。
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最後の作品鑑賞会では、じっくりと時間をかけて完成した素晴らしい作品がずらりと並びました。
参加者からは 「箔絵の技法を学べたことで、漆器などにも興味を持つようになった」 「工芸の作品に親しみを感じるようになった」という嬉しい感想もいただきました。
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今回は3日間とも本漆を使ったので、取り扱いに注意しながら時間をかけて乾燥させていきました。
手間も時間もかかりましたが、それ以上に自然の時間の流れに身を置いて制作していくことの楽しさと素晴らしさを体験することができ、工芸作品が長い時間をかけて丁寧に作られているとこを改めて知ることができました。
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今回の講座をきっかけに、工芸により興味を持っていただき身近に親しんでいただけたら嬉しいなと思います。
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by atlia | 2014-01-19 16:26 | 鑑賞講座・実技講座