まずは学芸スタッフが4名の匠それぞれについて楽器製作者になった経緯や製作工程などを解説した後、中川さんを交えて展示品について解説していきました。話は、今回展示している《ルネサンスフルート》と《フラウト・トラヴェルソ(バロックフルート)》の音や形の特徴から重要な製作工程にまで広がり、参加者からも質問が出るなど終始和やかな雰囲気で進みました。
《ルネサンスフルート》、《フラウト・トラヴェルソ(バロックフルート)》、《リコーダー》の指孔(ゆびあな)は管の内側に向かうにつれて広くなっているのですが、その理由や製作につかう手製の道具についても細かく説明していただき、参加者は興味深く耳を傾けていました。
「古楽のたのしみは、その時代の曲をその時代の楽器で演奏すること。」
この言葉は、調律の話題になった時に中川さんがお話したことですが、古楽への想いが伝わるとても印象的な言葉でした。
最後はスタジオに移動し、中川さんによる《ルネサンスリコーダー》による演奏披露。
ファン・エイクの「笛の楽園」から、「しばらく黙って」という曲を演奏してくださいました。
軽やかで明るい音がスタジオ中に響きわたり、古楽の魅力を感じることのできるギャラリートークとなりました。
次回のギャラリートークは10月26日(土)14:00~(約30分)です。
出品者の菅井幸夫さん(尺八製作者)による演奏を聴くこともできます。皆様のご参加をお待ちしております。