多くが木工初挑戦の参加者に向けて、まずは講師より木についてのお話。種類ごとの違いや育った場所との関係を学びました。今回制作の材料となるカラマツの角材にはくっきりとした美しい木目があります。効率化重視の工業生産では使われず数も希少だそう。、これを切り分けて形を生み出し、世界にひとつの積み木セットをつくります。
加工のための道具の扱い方も講師の実演で教わりました。
つくりたい形のイメージをスケッチしたらいよいよ制作開始。時間内に完成させることではなく、自然素材の質感にじっくり触れること、正確な技術より手作りの味わいを楽しむことが目標です。始めは緊張気味だったノコギリ引きも次第に慣れ、多少いびつでも却って面白味を見つけ出せる気持ちが参加者たちに生まれたようでした。
切ったり削ったりすることで現れる木の特徴が次の発想のヒントになります。夢中で手を動かし汗を流しつつ「こんなに頭を使うのは久ぶり!」との声も聞かれました。
休憩時間を挟んで講師の作品を鑑賞。木のおもちゃの新しいアイディアに触れてみます。シンプルな形から広がる遊びのバリエーションに拍手喝采です。
後半も参加者の熱気と集中力は高まるばかり。個性豊かな作品が次々と生み出されていきました。コラージュのように箱に配置された姿はどれも魅力的で、作り手のぬくもりが伝わります。
最後は作品と遊び方の発表会。「木目の美しさを最大限活かして」「変化自在の建築のイメージ」など、インテリアとして楽しめる例がある一方、「乗り物好きな孫が電車やシーソーにして遊べるように」「子どもがお片付けも楽しく覚えられるように」などなど、渡す相手への愛情あふれる例もあり、会場があたたかい雰囲気に包まれました。
長いようであっという間だった4時間でしたが、参加者の表情は達成感に満ちていました。日常の忙しさから離れ、家族や自分自身のために手を動かす体験が心豊かで価値あるものとなったなら幸いです。