
今回のワークショップも、宮元三恵さんの《海の森 》とたむらひろしさんの《海の中を歩く》を展示している二つの会場で行ないました。講師は、ワークショップ・クリエイターのたむらひろしさんと、コントラバス奏者の河崎純さんと他2名の演奏家の方をゲストに迎えて行いました。はじめに、河崎さんよりコントラバスという楽器について、音の響きについての話しを聞きました。
「音はどこまで響く?」
みんなで目をつむって、コントラバスの響きが聞こえなくなると手を挙げて合図します。こうやって目をつむってみると、「聞く」ことに意識が集中できるのです。

楽器にも直接触れてみました。自分たちよりも大きなコントラバス。直接触るのは初めてという子も。

耳を近づけて音の響きを体感します。

楽器に親しみをもったところで、演奏者たちに続いて、みんなで小さな楽器や紙を手にして、海の音を奏でながら隣の作品の展示された会場に移動します。

たむらひろしさんの作品《海の中をあるく》では、壁に耳を当てて、先ほどの隣の会場で演奏を続けるコントラバスの響きを感じます。場所によって音の響きが違って聞こえます。

この空間の中では、海の中で聞こえそうな声を想像してみます。
《耳にあてる》という筒状の体験装置を耳に当てて、様々な音の響きを聞いてみます。
また、イルカやクジラの生の鳴き声ををスピーカーから聞いてみました。そして、みんなで縦に並んで肩に手を当てて繋がり、声まねをしながらイルカやクジラになって海の中を泳いでみました。自分たちの姿が大きな画面に影となって映ります。途中でコントラバスの演奏家たちが参加し、子ども達の動きにあわせて、熱いセッションをおこないました。

音が静かになり、初めの会場に戻ります。展示空間の中に寝ころび、一連の体感を振り返る時間です。コントラバスのやさしい音が静かに響き、まるで海の中にただようように、全身がフワフワとしました。

最後に講師やゲスト、参加者と共に、感じたことを伝え合いながら、今日の体験を振り返りました。
体験することから、体感することへの変化を、自分の中で感じられたでしょうか・・・。
夏の企画展〈海のライン〉では、聞くことに意識を集中させたり、肌触りに注意深くなってみたり、
光や音の変化を感じていただければと思います。そんな中で、もし、何かを感じ取る事ができたら、
その体験は、体感へと変化した瞬間かもしれません。
