ATLIA STAFF BLOG
第11回アーティスト・イン・スクールNo.6 ひびけ!ひろがれ!音宇宙
川口市内の小中学校にアーティストやデザイナーを派遣し、特別な授業を行う[アーティスト・イン・スクール]。今年度は[ひびけ!ひろがれ!音宇宙]と題し、パフォーマーの尾引浩志(通称:ビッキー)さんと辻小学校3年生の82名が活動中!全6回中6回目、最後の授業の様子をレポートします。

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学校からバスに乗りアトリアへやってきた児童たち。オープンしたての成果発表展が今日の授業の舞台です。入口間近のコーナーにはそれぞれが制作した「音のしおり」がズラリ!思わず歓声をあげ、表紙に大きく記された自分の名前を誇らしげに見つめます。

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今日の目標は、他のクラスの友達が制作した「音のしおり」を読んで内容を試し、「レポオト」を書くこと。1人1枚ずつ「音宇宙」の旅のチケットが配られ、そこに記されているのと同じ番号のしおりを手に取りました。

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必要な「音のかけら」も確認し、案内されている通りの手順で「音」を奏でます。書いた人がどんな「音」を伝えたかったのか想像しながら読み取り、自分ではなかなか思いつかないガイドに感心しながら「レポオト」に感想を書き込んでいきました。

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そしてしおりの内容を実演するところから発表しました。自分なりの解釈で奏でる「音」にみんながきき惚れ、何度もアンコールを受ける場面も。読み上げられた感想には友達の発見への共感が溢れています。

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テーブルの周りには児童の制作したしおりをクラスごとにまとめた「音ガイドブック」や、しおりの発案のもとになった「オトノオト」も展示されています。ページをめくりながらおよそ2ヶ月間の活動をそれぞれに振り返りました。

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最も興味を引かれたのは、既に多くのお客様から寄せられている「レポオト」。
「普段計量カップを鳴らすことは無いけど金属同士の音がとてもキレイでした。」
「音がすきになった。」
「平べったい石を机に置いて鳴らしたときと片方だけ持ち上げて鳴らしたときと音がちがいますね。」
など、新鮮な体験をさせてくれたことへの感謝の気持ちや、更に発見した「音」の報告などが記されています。

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児童たちが立派に「音ガイド」になれたことを称えるビッキーさん。そして「音宇宙はどこにありましたか?」と問いかけました。「家庭科室」、「校庭」、「自分の身体」、「アトリア」、「身のまわり全部」…とみんなで思い返すうち、「心の中!」という核心を突く言葉が飛び出しました。ビッキーさんが思わず感嘆してしまう一方児童たちは訳知り顔。自分自身が「音宇宙」であることを実感している様子です。


全6回の授業を通じて「音宇宙」を旅してきたアーティスト・イン・スクール。ビッキーさんとともに日常を未知なる世界として見つめ直し新たな気付きを得ていく様子が、児童たちの生き生きとした表情や言葉に表れていました。更にそれを見知らぬ人に向けて表現し発信することは小学3年生にとって容易いことではありませんでしたが、発表展を訪れた多くのお客様たちが児童たちのガイドを楽しみ、心のこもった「レポオト」が続々と増え続けています。
「音宇宙」が心や身体にあるものならば体験した人の数だけ広がっていくことでしょう。会期終了後、授業の本当の成果として児童たちに届く多くの人の声は、初めて挑戦し成し遂げたことの大きな手応えと、自分の生きる世界をより広くとらえていくきっかけをもたらしてくれるに違いありません。

このプロジェクトに関する過去の記事はこちら
第11回アーティスト・イン・スクールNo.1 はじめまして!音宇宙の音ガイド
第11回アーティスト・イン・スクールNo.2 音宇宙を旅して発見 音のかけらひろい
第11回アーティスト・イン・スクールNo.3 音宇宙を案内する 音のしおり
第11回アーティスト・イン・スクールNo.4 中間発表会 ひびけ!伝われ!音宇宙
第11回アーティスト・イン・スクールNo.5 音宇宙の発表展 オープン計画
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# by atlia | 2016-12-21 09:00 | 学校×アトリア
ワークショップ[しろ、シロ、まっしろ!]参加者募集中
12月24日(土)、年中・年長さん対象ワークショップを開催いたします。
様々な白色の紙をつかって「雪景色」をつくる、冬にピッタリの内容です。

アトリアでは講師の方々と一緒に道具類や会場セットなどの準備を進めています。今回はその様子をちょっとだけご紹介!
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ワークショップの肝となるのが、この細かい紙きれ。講師の方が「イメージのかけら」と呼んでいる、「雪景色」の材料となるものです。
両手ですくってバサッとまき散らすと、ヒラヒラ、ハラハラ、これだけでもぼた雪が降っているみたい。でも今回の「雪景色」はこれだけでは終わりません。当日はこの紙きれをたっぷりつかい、大きな紙にペタペタ貼り付けてみんなで「景色」を描きます。

だから、まだこの写真は「かけら」の状態。参加者のみなさまのイメージが集まり、結晶化することで「雪景色」ができあがるのです。
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つくる「雪景色」はアトリアの天井まで届く大きさ!完成したら部屋を暗くして裏側からライトアップ。するととっても幻想的な「景色」が立ち現れるのです。
その様子は、当日までのお楽しみ。

年中・年長のみなさま、あたたかいアトリアの中で手づくりする「雪景色」はいかがですか?きっと思い出に残る「ホワイトクリスマス・イブ」になりますよ!
たくさんのご応募、お待ちしております。

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日時 12月24日(土)14:00~16:00
参加者 年中・年長(20名)
参加費 1人500円
講師 早川陽子・村田早苗(アーティスト)
応募締切 12月7日(水)必着
※はがき・メール・FAXでご応募いただけます。応募方法はアトリア公式ホームページ(http://www.atlia.jp/ws_lecture/)をご覧ください。

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# by atlia | 2016-12-06 10:04
ワークショップ[ストローでつくる北欧のモビール:ヒンメリ]参加者募集中!
12月下旬に開催しますクリスマスワークショップウィークについてのお知らせです。
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ただいま12月25日(日)のワークショップ[ストローでつくる北欧のモビール:ヒンメリ]の参加者を募集中!
幾何学模様のモビール:ヒンメリは北欧フィンランドで豊穣の祈りを込めてつくられてきました。
その歴史と魅力を感じながらストローを使ってヒンメリの基本的なかたちをつくります。
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本来ヒンメリは麦藁を使ってつくられますが、今回はご家庭にもあるストローで制作。
ご家族やお友達と気軽にご参加できる内容をご用意しておりますのでぜひご応募くださいませ。

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日時 12月25日(日)10:30~12:30
参加者 どちらかが18歳以上のペア 15組(30名)
参加費 1人500円(ペアで1,000円)
講師 大岡真奈(ヒンメリ作家)
応募締切 12月7日(水)必着
※応募方法はこちらをご覧ください。
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# by atlia | 2016-12-02 10:31 | ワークショップ
時間の位置の物語(7)―《漂う時間の時間》
平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉、会期終盤。
本展がより楽しめる情報をスタッフ目線でお届けする「時間の位置の物語」も、気づけば連載7回目。
今回は本展の会場にあるからこそ!より意味を強くする作品として《漂う時間の時間》を紹介します。

本展は3つのゾーンに分かれて構成されています。
最初の部屋「闇への地下時間」は、この連載でも何度か紹介してきた《DARK BOX 2016 ―地下からの闇》(連載第1回目第4回目を参照!)を中心に「地下」「闇」をキーワードにした作品が並んでいます。
次の部屋「推移と水位」は《石になった森》をはじめとした化石のフロッタージュがぐるりと壁にある部屋。「折り重なる時間」への導入となる、本展の中心部です。
最後の「浮遊する時相」と題された部屋は外が唯一見える空間。今まで足元にあった時間たちが「階段」をあがって空中へ、文字通り「浮遊する」ような不思議な時間を表現しました。

本展の中心部、と紹介した「推移と水位」という部屋の、さらに中心に位置しているのがこの《漂う時間の時間》と題された作品なのです。
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特徴的な黄色(カドミウムイエローと言います)と白い時計のコントラストが印象的な本作は、長方形を少し変わったかたちで仕切っているようです。

実はこれ、アトリアのかたち。正確にはこの展覧会の展示空間のかたち、と言っていいでしょうか。
館内マップ(画像荒くてすみません)と比べてみると…
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ちょっと向きが異なりますが、赤く囲った部分が本作で立体化された部分です。館内の作品はこの範囲で並んでいるのですね。

《漂う時間の時間》では、当館の展示室(3つのゾーン)それぞれに異なる深さで水がはられています。そこにはいくつかの時計が浮かび、これもすべて異なる時間を示しています。
拡大してみてみるとこんな感じ。
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時計と同じく水に浮かぶのは、鉛で包まれた蓮の種。この「蓮の種」も河口作品にはよく登場する存在。
鉛で封印され発芽を止められた種子は、自身の時間を既に「止めた」のか、あるいは一次的に「止めている」のか。

スタッフがこの作品について話をするときは、時計はお客様自身です、と申し上げます。
異なる時間を刻む人々が、同じ「時間の位置」に設定された部屋の中をふよふよと漂うように共存している空間。そこには鉛によって封印され時を止めている存在――つまり「作品」たちのようなもの――も一緒に浮かんでいます。
漂う時間の中では、時にぶつかりあうこともありますが、うまくつながって止まったり移動したり、絶えず動き続けているのです。
これを、展覧会の中では、「いくつかの水位のなかを、見る者自身が漂い、推移する」と説明しています。本作が設置されている部屋「推移と水位」というタイトルの由来です。

実は本作、この作品のためだけにつくられたのではありません。水をはってタイトルがつけられる前は、展覧会の計画をするためにもつかわれていたのです。
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これが先ほど拡大した場所と同じ位置。こうしてみると、模型らしい役割をしていたのですね。
壁には展示しようと考えた平面作品がずらっと並んでいます。もちろん縮尺も正確。
よくご覧いただくと、右側の部屋(「闇への地下時間」の部屋)に、小さな《DARK BOX 2016 ―地下からの闇》、左側の部屋(「推移と水位」の部屋)にはこの《漂う時間の時間》が、それぞれ中心に置かれているのも分かりますね。
丁寧に展示を構想し、空間をつくろうとした痕跡が、この作品とも言えるかもしれません。

このように展覧会の構想を設計した模型が、展覧会そのものの状態を表す作品となる。
河口さんの制作には、およそ「習作」(作品にはならないけれどその制作の練習をしたもの)のようなものが無いように思えます。すべてが作品へと昇華していく、そんな印象。
展覧会そのものだってそうです。アトリアの空間をも作品化しようとした、そういう気持ちが、この作品からは感じられるよう。

この空間に飛び込めるのも、残りわずか1週間!ここでしかできない体験を、ぜひどうぞ。


(《漂う時間の時間》(1枚目・3枚目)撮影:齋藤さだむ その他資料・記録はスタッフ撮影)

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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)
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# by atlia | 2016-11-20 12:18 | 企画展
第11回アーティスト・イン・スクールNo.5 音宇宙の発表展 オープン計画
川口市内の小中学校にアーティストやデザイナーを派遣し、特別な授業を行う[アーティスト・イン・スクール]。今年度は[ひびけ!ひろがれ!音宇宙]と題し、パフォーマーの尾引浩志(通称:ビッキー)さんと辻小学校3年生の82名が活動中!全6回中5回目の様子をレポートします。

「音のしおり」の発表と合奏で、自分たちの家族に「音宇宙」を体験してもらった前回。今回は「音ガイド」を目指す研修の総仕上げとして、アトリアで開催する成果発表展の準備を整えます。

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そこでは児童たちの制作した「音のしおり」が展示され、書かれた内容を実践してみることで「音宇宙」を旅することができる参加の仕組みが備わります。今まで制作した中からお客様に試してもらいたいしおりを選び、各自清書していきました。文字はなるべく丁寧に、色も工夫すればもっと楽しい雰囲気が伝わるかも?様々な「音」と戯れてきたこれまでとは一転、書くことに集中し、図工室が静けさに満ちています。

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これで完成と思えたところで、1人ずつビッキーさんのチェックを受けました。使うもの(音のかけら)の名前は正しく書けているか、「音」をきくまでの手順は読み手に分かりやすく伝えられているか、入念に確認しながら一緒に改善点を考えました。机の間を何度も行き来して、ようやくOKをもらえた時にはホッと溜息、こぼれる笑顔。

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1枚目を終えたら2枚目に取り組みます。お客様に試してもらいたい「音」に加え、学校や家などの特定の場所でしかきこえない「音」は、制作した全てのしおりを網羅する「音ガイドブック」に収録されます。

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ほぼ全員がチェックを終えたところで、ビッキーさんから次回の予告を受けました。全6回の授業の最終日、みんなはバスに乗ってアトリアを訪れ、展示された「音のしおり」についての感想を「レポオト」に書く予定。ここでも一度書いてみようと、ビッキーさん作の「音のしおり」が配られました。早速内容を試してみる児童たち。

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しおりを読んで感心したところ、やってみて難しかったこと、きこえた「音」の面白さなど、同じ体験をしていても書き込まれる感想は人それぞれ。数人が発表し、長いようで短かった学校での授業が終了しました。あとは発表展でお客さんを迎えるのみです。

これまでの活動がどんな形で展示され、どのような成果に結びつくのか、まだ想像がつかない様子の児童たち。アトリアへ行く日を楽しみに待ちながら授業は残すところあと1回!


このプロジェクトに関する過去の記事はこちら
第11回アーティスト・イン・スクールNo.1 はじめまして!音宇宙の音ガイド
第11回アーティスト・イン・スクールNo.2 音宇宙を旅して発見 音のかけらひろい
第11回アーティスト・イン・スクールNo.3 音宇宙を案内する 音のしおり
第11回アーティスト・イン・スクールNo.4 中間発表会 ひびけ!伝われ!音宇宙
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# by atlia | 2016-11-20 09:00 | 学校×アトリア



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