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時間の位置の物語(5)―物語を残すこと
好評開催中、平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉。会期もそろそろ折り返し。
本展がより楽しめる情報をスタッフ目線でお届けする「時間の位置の物語」、連載第5回目となりました。
今回は、お待たせしました!本展図録のお話。

本展の図録は、当館会場でより意味を強くする作品や大型インスタレーションを記録してみなさまにお届けするため、会期中の発行というご案内をしておりました。現在は予約を承っております。
会場に作品が入ってからこれまで鋭意編集を続けてまいりましたが…いよいよ明日10月30日(日)より会場でみなさまにお手にとっていただけます!
今回は河口龍夫さんのエッセイのほか、建畠晢さん(埼玉県立近代美術館館長・多摩美術大学学長/美術評論家)や鞍田崇さん(明治大学理工学部准教授/哲学者)にもご寄稿いただいた豪華仕様、すべて日英併記です。

出品作品の撮影は作品が会場に並べられてからすぐ、展覧会公開の直前に行いました。
実は、当館で作品を撮影するのは、とっても難しいんです。それは、外からの光が入るから。
ガラス張りの空間は開放的な雰囲気で当館のひとつの特徴にもなっているのですが、アート施設ではちょっと珍しいつくり。
そういった場所で正確に色を判断するため、カラーチャートを手で持って撮影したりするのですよ。
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助手さんがお手伝いしてくれています。

フォトグラファーさんが撮りおろしの写真は、すぐにデザイナーさんの元へ送られます。
それをレイアウトした原稿のデータを印刷会社さんにお渡しすると、「色校」と呼ばれる試し刷りを出してくれます。印刷の状態を見て、作品の色がちゃんと再現されているか確認します。
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ここはもう少しコントラストを上げてはっきり黒っぽく…この部分は少し明るくして…など、デザイナーさんと打合せを重ねるのも展覧会担当のお仕事。少し調整が必要な写真はデータを修正してもらい、再び印刷会社さんへ。

本文の印刷の間には、表紙の準備が進められていました。
本図録は表紙もこだわりの仕様。チラシにも採用した銀色を箔押ししました。箔押しとは、その名のとおり、インクでなく薄い箔を紙に圧着させる印刷方法。箔を専門とする印刷関係の会社さんもあるくらいなんですよ。
紙と箔を専用の機械に挟み、がっちゃんと重みをかけます。
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すると重みがかかった部分だけに箔がくっつき、イメージが印刷されたように紙に残ります。
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艶消しの銀が灰色の紙に映える、渋いデザイン。更に銀色の部分には多少のエンボス加工(凸凹をつけること)を施しました。

更にその表紙に味を加えるのは、背景に印刷された白いインク。これはいったい何の模様かな…とすぐに判断はつかないかもしれません。
実は、これ、当館の床、なんです。…そう言われても、ぴんとこないかもしれませんね(当館の特別は床については連載第1弾記事で!)。
実は、これは河口さん自ら当館の床をフロッタージュしてくれたイメージを印刷しています。
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「フロッタージュ」は刷り取りとも呼ばれる絵画技法ですが、凸凹したところに紙を置き、その表情を鉛筆など固めの画材で写し取るもの。河口さんは、刷り取る対象が過ごしてきた「時間に触れる」行為ととらえています。
つまり、今回の図録の表紙はアトリアが過ごしてきた時間に河口さんが触れた、その痕跡を表現したもの。それを薄く白いインクでのせて背景にしているのですね。

そこに本文部分が印刷されたものが挟み込まれ製本されると、図録の完成!
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完成した図録は、またお手に取っていただいた方の元で、新たな時間を刻んでいくのを待っています。
色々な方にご協力いただき完成にいたった自信作です!ぜひ会場でご覧ください。

販売開始の10月30日(日)にはご寄稿いただいたお2人(建畠さん・鞍田さん)と河口さんのトークセッションもありますよ!お楽しみに。


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展覧会図録
特別価格:500円(税込)

編集:秋田美緒(川口市立アートギャラリー・アトリア)
翻訳:工藤亜由美
撮影:齋藤さだむ
   ※一部編集者撮影
デザイン:中新(Lallasoo Poopo Lab.)
印刷・製本:有限会社山北印刷所

※ご予約いただいているお客様には順次発送してまいります。もう少々お待ちくださいませ。
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2016年10月30日(日)16:00~17:30(開場15:30)
トークセッション いとおしき「時間」たち
登壇:河口龍夫(出品作家)、建畠晢(美術評論家/埼玉県立近代美術館館長)、鞍田崇(哲学者/明治大学准教授)
参加費:500円(展覧会観覧料込)
※当日のみ開館時よりチケットを販売いたします(事前申込不要)
http://atlia.jp/ws_lecture/

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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)
※10月12日(水)、11月1日(火)に展示替え予定

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)

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by atlia | 2016-10-29 16:06 | 企画展
第11回アーティスト・イン・スクールNo.2 音宇宙を旅して発見 音のかけらひろい
川口市内の小中学校にアーティストやデザイナーを派遣し、特別な授業を行う[アーティスト・イン・スクール]。
今年度は[ひびけ!ひろがれ!音宇宙]と題し、パフォーマーの尾引浩志(通称:ビッキー)さんと辻小学校3年生の82名が活動中!全6回中2回目の様子をレポートします。

身のまわりから素敵な「音」を見つけ出し、その在りかやきき方を多くの人に伝える「音ガイド」を目指す授業。前回はA4コピー用紙を材料にして発見した「音」を「オトノオト」に記録しましたが、今回は図工室を飛び出し、他の教室や校庭にまで活動の場を広げてのびのびと「音宇宙」を旅します。

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その前にまずは耳の感覚を開く準備運動。児童それぞれ、目の前にある机に耳を押し当てるようビッキーさんが呼びかけました。その姿勢のまま机の天面を手で叩いてみると、身体を起こしていたときよりも大きな「音」!指でなでたり爪でこすったりしたささやかな「音」もよく響いてきこえます。

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更に机の脚や床、水道や掃除用具入れなどに児童たちの興味は移っていき、思い思いに耳を当てながら「音」や響き方の違いを楽しみました。これから「音宇宙」をより奥深く旅するヒントになるでしょうか。

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「音」を味わう心と身体の準備ができたところでいよいよ「音宇宙」に出発!前半の舞台である家庭科室には様々な「音」を秘めた「音のかけら」として、たくさんの調理器具が並んでいます。
見たことはあるけど名前の知らないもの、初めて触るものなどに児童たちは興味津々。それぞれの鳴らし方や組み合わせによる変化を探りつつ、盛大に、あるいはそっと奏でてみるみんなの「音」が渦のように広がっていきました。

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面白い発見ができたらすぐに「オトノオト」にメモします。3冊目、4冊目に取り掛かる人もあれば、ひとつの「音」をじっくり吟味する人もあり、それぞれ異なるペースを示しながらも熱中している様子。

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そして今日1回目の発表の時間。今回も勢いよく、次々に手が挙がります。
「大量のおはしやスプーンをボウルの中に一度に落とすと、落とすものによって音の大きさや響きが変わる。」
「お好み焼き用のヘラをしっかり握って平たいところを叩くと澄んだ音がする。」
「水切りザルにスプーンや茶たくを入れて回すように振るとシャッシャツと鳴る。」
多彩なアイディアと実演をききながらなるほどと感心したり「自分も同じものを見つけた」と共感したり。思いがけず美しい音色が響いたときには、残響が消えるまでみんなでウットリとききいりました。机の上で実演されるときには寄り集まって一斉に耳を当てる場面もあり、準備運動の効果が見て取れます。

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授業の後半は校庭へ。広い空の下、3人1組のグループで相談しながら手探りで旅していきました。校庭には何があったっけ?面白い「音」がしそうな心当たりはいくつか思い浮かぶけど、それ以上に普段は気にしない足元や頭上、敷地の隅々にまで目がとまります。毎日遊んでよく知っているつもりの場所が「音」を通じて未知の世界へと変貌しているのです。

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この季節ならではの落ち葉や木の実も小さな「音のかけら」。場所が開けていている分、微かな「音」のひとつひとつが紛れずによくきこえるみたい。
一方フェンスの支柱は叩けば太鼓のように大きな音。「叩かなくてもきこえるよ!」との声があり驚いて耳を当ててみると、傍を車や風が通るせいでしょうか。管楽器のような不思議な「音」が確かに響いています。仲間と呼びかけ合うことで視野も発見も広がっていくようです。

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「音宇宙」を夢中で旅するうちにあっという間に時間が過ぎて、名残りを惜しみつつ図工室に戻りました。今日2回目の発表の時間です。
「木にたくさん茂っている葉っぱを揺らしたり枝でこすったりするとバサバサ鳴る」
「鉄棒の柱の部分を叩くと長く響く音がして、手で握る部分を叩くと短い音がする」
「半分埋まったタイヤの上に立って、正面のタイヤに跳び移ったときと斜め前に跳び移ったときとで音が違ってきこえる」
などなど、前半よりも更に多彩な「音」のきき方が紹介されました。木の枝や実、草や石など、ひろってきた「音のかけら」は名札をつけて大切に保管します。嬉しそうに見つめながら「宝物」と呼ぶ声もきこえてきました。

前回と合わせてたくさんの発見を得た「音宇宙」の旅。次回は自分が旅するだけでなく、誰かを案内するための「音のしおり」づくりに取り組みます。書きためてきた「オトノオト」からどのように発想が深められ表現されていくでしょうか。
授業は残すところあと4回。その様子を当blogで随時お伝えしていきます。今後の更新をお楽しみに!

このプロジェクトに関する過去の記事はこちら
第11回アーティスト・イン・スクールNo.1 はじめまして!音宇宙の音ガイド
by atlia | 2016-10-25 22:35 | 学校×アトリア
時間の位置の物語(4)―レポート!ワークショップ[闇を封印する]
好評開催中、平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉。
本展がより楽しめる情報をスタッフ目線でお届けする連載:「時間の位置の物語」、はやくも第4弾!
今回は10月8日(土)、オープン初日に行ったワークショップ[闇を封印する]のレポートです。

ワークショップ[闇を封印する]では、本展で初公開となる注目作品《DARK BOX 2016 ―地下からの闇》の仕上げを行いました。
当館のまさに隣で建設中の「並木元町地下調整池」にできる闇を、川口市の鋳物技術を生かした箱によって封印する(切り取る)ことで、本作は完成します。その構想・意志については、第1弾記事をご参照くださいね。

さて、本番当日、午前中は雨だったものの、午後が近づくにつれて晴れてまいりました!
今回は講師としてご一緒いただく河口龍夫さんは、相当な晴れ男だとか。少し霧雨っぽく残ったものの、無事に工事現場にアクセスすることができそうな天気に。

まずはアトリアの建物内で、今回のワークショップの意図・作業工程、さらにこれから降りていく「雨水調整池」のお話をしました。
今回は川口市下水道部の全面協力!工事担当者の方から、このインフラ整備の理由などをお話しいだきます。
さらに、調整池内で何を行うのか簡単にお話ししてくださったのは、協力者の河口祐毅さん。いつもDARK BOX封印のワークショップをコーディネイトしている方です。
20本のボルトによって固定されるDARK BOXの底と蓋ですが、そのボルトの1本ずつを参加者が担当する、というお話をいただきました。

と言っても、すぐにはピンと来ないかも?ということで、実際に工事現場へ移動。もちろん全員ヘルメット!
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ここから地下30mに階段で潜っていきます。コンクリートの階段室を慎重に降りると…
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とても広い空間にでます。ここが実際に雨水がたまっていく水槽の部分。圧倒的なスケール感!

DARK BOXの底と蓋は、その中でも雨水の入り口として少し凹んだ小部屋のように設計されている部分に置かれました。
参加者と講師・協力者が入るともういっぱいになるほどの大きさの空間です。
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懐中電灯で照らしながらBOXの準備。

まずはリハーサル。参加者のみなさんはそれぞれに番号とボルト・ナットのセットをもらいます。全部で20本あるボルトはそれぞれに番号がつけられており、対応する穴に自分の手でボルトを入れ、ナットで締めていくのです。
最初はそのボルト・ナットの使い方に慣れるため、あるいはBOXとの距離感をつかむため、目をつむってその作業を練習してみます。何故目をつむるのかって、それは本番は真っ暗闇で同じ作業をしないといけないから。
こわごわBOXと小空間の壁を行き来する参加者のみなさま。
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ボルトを蓋側から落とすように入れ、ナットを下からあてがって回します。
どきどきしていると、結構時間がかかるもの。「ナットを落としそう!」などという声も聞こえてきます。本番、大丈夫かな?

懐中電灯を落とせば、辺りはもう真っ暗です。普段は経験したことのないほどの暗闇に、ちょっと驚く参加者も。
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もちろんカメラにも何も映りませんね。いや、闇が写っていると言うべきでしょうか。

視覚で捉えられる情報が闇だけである以上、「音」が重要な役割をしはじめます。講師・協力者によってBOXの上下が合わされるのも、鉄やパッキンの擦れる音が耳に届くことで感じるのです。
ここで重要なのは、自ら声を上げて自分の動きを知らせること。協力者の「闇が中に入りましたよ!1番のボルトの人からお願いします!」という声にならって、「では、1番、いきます」という、別の声。最初の参加者が暗闇の中でBOXへと近づいていったことがスムーズに知らされました。
続いて、かちゃかちゃというような金属音。ボルトと鉄の箱が触れあい、さらにナットが回る音です。
「閉まりました!」そして手探りで壁ぎわに戻っているだろう時間があり…「1番、戻りました。」
そして、2番、3番と参加者が続きます。小さな空間は、参加者の熱気で少しずつ暑くなっていくよう。
ナットを落とすのでは、という不安はどこへやら。少しずつ「あ、今触った!」といったような、少しの恐怖と戦うような声はするものの、闇のなか、ずっとそばで活動すると自然と人との距離が縮まるような感じがするみたい。

ようやっとすべてのボルトが閉まると、自然と拍手が起こります。
「封印が完了しました!電気お願いします!」ここで懐中電灯をつけると、一瞬、目が慣れずにとても明るく感じます。
中央には、まさに生まれたばかりの闇を抱えた、《DARK BOX 2016 ―地下からの闇》。

最後は調整池の中央に作品をおいて、記念撮影。
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こう見ると小さな箱かもしれませんが、多くの人の協力によって、今までにない「地下の闇」がここに切り取られたことになったのです。
これから先なかなか入れないであろう雨水調整池の中での制作は、地域にとって重要なポイントとなっただけでなく、DARK BOXシリーズの中でも特異な制作過程を踏んだものとなりました。
参加者のみなさま、ありがとうございました!

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本作はもちろん会場で公開しています。
不思議なのは、このBOXに闇が封印され、それを光の中で鑑賞している、ということ。
つまり、光の中で闇を認識するということ。河口龍夫さんは、わざとこの作品にスポットライトを当て、強く光と闇を感じるように展示しました。

闇が生まれた現場である地下調整池の中にはもう入れません。しかし、本作でその中にある闇と同じものと対峙することができます。
この現場に掘り起こされた、「闇の時間」。ぜひお楽しみに、会場でご覧くださいませ。

(撮影:齋藤さだむ)


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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)
※11月1日(火)に展示替え予定

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)
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by atlia | 2016-10-16 10:55 | 企画展
時間の位置の物語(3)―フライヤーの物語
平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉、
10月8日(土)からの連休にオープンしております。本日12日(水)の展示替えも完了し、皆さまをお待ちしております。

本展がより楽しめる情報をスタッフ目線でお届けする「時間の位置の物語」、第2弾は題して「フライヤーの物語」。
今回のフライヤーとポスターのビジュアルは、こちら!
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モノクロームの印刷に黄色い縁取りが印象的なデザインです。

メインビジュアルとしての作品は、第1弾の記事でお話しした「地下雨水調整池」にできつつある闇から《DARK BOX 2016》の中に位置する「闇」がまさに切り取られていくイメージを、河口龍夫さんがドローイングで表したもの。
本展の物語がはじまる機軸となった瞬間を描いたものとも言えるでしょう。あるいは、このドローイングによって物語がはじまったと言えるかもしれません。

しかし、お手元にフライヤーをお持ちの方、「おや?」と思われた方はいませんか?
もしかしたら、こんな感じのものをお持ちではありませんか?
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もしくは、こちら?
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これ、かも?
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実は、今回のフライヤーは、4種類もあるんです!

お話しした通り、これは《DARK BOX 2016》を制作予定の「地下雨水調整池(円筒形の地下水槽)」をドローイングしているものですが、それぞれ表している瞬間や観点が違います。
例えば、《DARK BOX 2016》が関係する前。入っている瞬間。闇を部分的に切り取った後。さらに、そこに延々と流れてきた・流れていくだろう時間。
それぞれに異なる「円筒形の闇」が、描かれているのです。

そしてもうひとつの異なるポイント、お気づきになった方がいるでしょうか。
作品画像の右当たり、蝿が飛んでいます(ちょっと画像見えづらいかも)…彼が飛んでいる位置も、ちょっとずつ異なるのです。
フライヤーだけに、フライが…、などというおやじギャグでなく、この蝿も、もちろん無意味に飛んでいるのではありません。
彼がどうしてここにいるのか、それは…ぜひ会場で!見つけるのを楽しみに、いらしてください。

もちろん会場であるアトリアは、すべてのフライヤーをそろえてお待ちしております。
が、しかし、部数限定発行のため、恐縮ながら在庫限りの配布です!全部ゲットしたいという方はお早めにご来館くださいませ。


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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額!(他の割引制度と併用不可)
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by atlia | 2016-10-12 09:19 | 企画展
第11回アーティスト・イン・スクールNo.1 はじめまして!音宇宙の音ガイド
木々の葉がいつのまにか色づいて、今年も[アーティスト・イン・スクール]の季節がやってきました!
川口市内の小中学校にアーティストやデザイナーを派遣し、特別な授業を行うプロジェクト。2006年の開館以来、児童・生徒が講師との交流を通じて「本物」に出会い、互いの想像力・創造力・コミュニケーション力を育むことを目的に実施しています。

今回のタイトルは[ひびけ!ひろがれ!音宇宙]。川口市立辻小学校の3年生がパフォーマー:尾引浩志とともに身のまわりから素敵な「音」を見つけ出し、その在りかやきき方を多くの人に伝える活動を展開、プロセスと成果がアトリアに展示されます。

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鳥のさえずりや友達の笑い声・・・日常を楽しくする音はいくつもあるけれど、そこにもっと知らない「音」が隠れているとしたら?
講師の尾引(通称ビッキー)さんは、まるで目に見えない塵や頭上の星の感触を探り当てるかのように、自分の身体やまわりにある「音のかけら」をひろい上げて操る達人。普段は気づかないけれど実はすぐそばに広がっている「音宇宙」を案内する「音ガイド」として辻小にやってきました。挨拶代わりに得意の歌や楽器を奏でます。
南シベリアのトゥバ共和国に伝わる弦楽器「イギル」に合わせて歌う「ホーメイ」は、お経のような低音と笛のような高音がうねりながら重なり合う不思議な響き。一方首から下げた小さな「口琴」はビヨヨ~ン!と何ともヘンテコな響き。奏者の口の中や頭蓋骨と共鳴して独特な「音」が生まれるのです。

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音楽の授業で習うドレミに慣れ親しんでいる児童たちにとってはまさに未知との遭遇!あまりの驚きに息をのみ、こらえきれず大爆笑!!「宇宙人みたい!」と誰からともなく言い始めました。
そうです。これからおよそ2か月間の授業を通じてみんなも無限の「音宇宙」を旅し、「音ガイド」になるための研修を積み重ねていくのです。

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「音ガイド」を目指す活動の基本は耳の感覚を開いて普段は気づかない「音」を発見すること、それを忘れないよう文字で書きとめること。まずは見本としてビッキーさんが見つけた「音」の記録が紹介されました。例えば
「平たいビンに水を入れて角度を変えながらたたくと音の高さや音色が変わる。」
「色々な場所で思い切りくしゃみをすると響きが変わったり音がはね返ったりして面白い。」
「指の先でほっぺたをたたきながら口の大きさを変えると音の高さが変わって曲の演奏ができる。」
などなど。

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それって本当?と疑うのも束の間、見慣れているはずのものから響き出す思いもよらない「音」にみんなビックリ!感心しきり。誘われるように真似し始めます。耳の奥にまで意識を集中するうち自分の身体も「音」になっていくみたい。

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さて、今度は児童たちが「音」を見つける番です。身近な材料として1人に数枚ずつプリント用紙が配られました。そのまま振ってみたり筒型や蛇腹に折り曲げてみたり細かく刻んでみたり・・・。
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自分なりの研究に没頭し、あるいは仲間とアイディアを見せ合いながらわずかな音もきき逃すまいと耳をすまします。
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そして発見したことを「オトノオト」という小さなノートにメモします。どこで、何を使って、どうしたら、どんな音がきこえた?思いついた順にどんどん書き込んで早くもページが埋まる人もあれば、納得のいく「音」に出会えるまでよく吟味してから書き出す人もあり、立ち振る舞いもペースもそれぞれ。

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最後に「オトノオト」に記した発見を全員の前で発表しました。我こそはと次々に手が挙がり指名が追いつかないくらい。
紙の両端を持って真ん中を机の角にこすりつける、目の前にかざしてパンチをお見舞いするといった勢いのある「音」もあれば、耳元で少しずつ破くといった微かな「音」も。披露される多彩なアイディアをみんなで共有し、面白さを味わうことで「音宇宙」の入口に立てたかも?机の上に散らばった大小の紙くずも可能性を秘めた「音のかけら」。袋に入れて大切に保管します。

「音」を活動の中心に据えながら、実は音楽ではなく図工の時間に行うこの授業。目に見えない世界を探求することで、それまで意識していなかった自分自身の感覚や生き方を知り、物事の見え方が変わることを最終的な目標としています。初めての体験を児童たちがどう受けとめ、そこからどんな発想や表現が生まれるか、講師や先生方と一緒にスタッフもわくわくしているところ。全6回12コマの授業の様子を当blogでお伝えしていきます。普段はなかなか公開される機会のない児童の学校での取り組みや成長する姿を、どうぞお楽しみに!
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by atlia | 2016-10-10 14:16 | 学校×アトリア
時間の位置の物語(2)―河口龍夫さんのこと
平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉、もうすぐ開催。
こちらのブログではスタッフ目線で本展を紹介する「時間の位置の物語」を関連連載企画として発信しています。会期中も前後も気まぐれ更新!

第2弾はアーティスト:河口龍夫さんのこと。本展における展示作品のひとつ《「陸と海」からの時相》と併せて、ごく簡単にご紹介します。

チラシ等々では、河口さんを「普遍的に在るものごとを可視化することで世界を捉えなおすアーティスト」と紹介しています。住居兼アトリエでの打ち合わせ中、「制作を日常と切り離したくない」という姿勢についてお話くださいました。
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どこか飄々としたあたたかな口調でありつつも、確固たる言葉で自身の芸術家としての視点を語る河口さん。

最初は画家になりたいと思っていたけれど、しかし表現したいものが見つかるたびに素材や手法を変える方が自然になっていったと言います。そして「芸術家としか言えないような生き方のきっかけ」を見つけるに至りました。
例えば、何かの瞬間を切り取るためには、写真を採用しようと考える。見えない・触れられないものに重みをもたせるためには、金属を採用しようと考える。

その頃に生まれたのは代表作のひとつとして知られる《陸と海》。26枚の写真による作品です。
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(画像:作家提供)
発表は1970年。河口さん30歳の頃。
海岸に置いた4枚の板が波に洗われ移動しつづける様子を「向こうから呼びかけられた」瞬間にシャッターを切り捉え続けたこの作品は、「陸」と「海」の間に板という他者を置くことによって、その2つの関係をより鮮明に写し出そうとしたもの、と言えるでしょうか。
「関係」というキーワードは、自身が世界とかかわる視点として河口さんが一貫して提示したきた言葉です。

最近ではこういった作品を見返して、過去に表現したかったことを振り返りながら、そこに新しい厚みを見出すことに興味を抱きはじめたと言います。
アーティストとしての道のりが長く、さらに真っすぐな視点を持っているからこそできる、自身の手による「時間の超越」。

2016年の今、その《陸と海》を振り返り、また新しく意味を見出そうとしたのが《「陸と海」からの時相》。
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(撮影:齋藤さだむ)
写真を窓のように貼った紙の上、その続きを鉛筆で描き足していった、8枚のドローイングです。
写真として写らなかった部分や時間に興味を抱くこと。それを想像力・表現力で広げていくこと。
世界とのかかわり方に、また新しい観点を提示すること。

河口さんは「作品は自分自身にとっても問い」だと言いました。それを目の前に、誰かと一緒に世界とのかかわり方について考えることができる、そういう存在として捉えているのです。
その真摯な向き合い方があるからこそ、不器用とも言えるほど真面目に、あるいは単純化された手法を繰り返し、あるいは純粋な客観的視野を持って、表現を「日常化」していきます。

そして、本展における大きなテーマ「時間」は、日常とは切っても切り離せず、しかも誰にとっても平等であるという稀有な「概念」。実体のないそれを掲示するのは難しいということはわかっていながらも、あえて今回はそれを作品化したものを集め、さらに新作にも取り組んでくれた河口さん。
《陸と海》における「4枚の板」のように、「時間と私たち」の間に入る「他者」を、本展ではいくつかのキーワードとして挙げています。「闇」「地下」あるいは「生命」。そしてそれらが集まり、交差する「現場」。
そして、そのなかで自身の位置を探ること。「時間の位置」は、誰にとっても無関係ではありません。

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河口さんのお話を直接聞いていただくことができるトークイベントを、展覧会のオープニングの一環として開催します。それも題して「時間の位置から」。
どなたでもお気軽にご参加いただけますので、ぜひご来場くださいませ。

オープニングイベント[時間の位置、地下の闇]
アーティストトーク:時間の位置から
10月8日(土)16:30~18:00

参加無料(観覧料別途)
事前申込不要、開始時間までに会場にお越しください。
※お席の限りのご案内

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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)
※10月12日(水)、11月1日(火)に展示替え予定

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)
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10月3日(月)~7日(金)は展示入替のため臨時休館とさせていただきます。ご了承ください。

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by atlia | 2016-10-06 16:08 | 企画展



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