ATLIA STAFF BLOG
カテゴリ:学校×アトリア( 34 )
AIS12:vol.5 「ぼくら」を伝えたい:35のタイトル
第12回アーティスト・イン・スクール(AIS12)の授業レポートも、いよいよ最終回。
ミヤザキケンスケさん(ミヤケン先生)と川口市立東本郷小学校6年生33人が取り組んだ「発信!コミュニケーション・ペインターズ-おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵」。
全5回の授業の最後は、発表展の会場であるアトリアに遠足!コミュニケーションとしての「絵」、ここで本当の完成です。

2週間ぶりの授業にわくわく、児童たちは学校からバスに乗り込んでアトリアへと移動します。
貸し切りの路線バスが珍しいこともあって車内はとっても賑やか!早く作品とミヤケン先生に会いたいです。
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ギャラリーに着いたら、一番奥の部屋にまっすぐに入っていきます。
そこでミヤケン先生と「ぼくらの絵」が待っていました。「おぉー!」とすぐに挙がる歓声!

さてさてここから授業は本番です。壁にかかった作品を前に座り、まずは制作の振り返りを行いました。
「作品、思ったより大きくない?これみんなで描いたんだよ、すごいよね」と、ミヤケン先生がはじめます。
「はい!」とすぐに返事をした児童たち、そういえば床に這いつくばるようにして描いてばかりいたので、こうやって眺めるのは初めて。壁をいっぱいしている作品は、座って眺めていると首が痛くなっちゃいそうなくらいのサイズ!自分たちが描いたもののはずなのに、なんだか感心してしまいます。
「僕は、美術館とかそういうところに自分の作品を飾られるってこと、夢だったから。みんなはもうそれを実現しているんです。それもすごいことだよ」
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この経験をどこか頭の片隅にでも留めておいてほしいと言ったミヤケン先生。
特別な経験になるだろう今回の作品、だから制作中の児童一人ひとりの様子も、実はすごくよく見てくれていたのです。
「ハートはシンボリックな仕上がりになりました、まさに中心っていう感じで迷わず描けてたね」
「縄跳び係は面積がすごい広いのに少ない人数でやってくれてて、勢いがあったし」
「空も超ひろいのに2人とかで大変だったと思う、雲もたくさん描けて、よく頑張りました」
「虹の係はすごい仕事が早かったね。人数もいたし、他の部分を上手に手伝ってくれる人がたくさんいた」
「ファームの担当は野菜の色をすごくこだわってつくってくれたこと、いもとか、よく覚えてるよ」
「校舎も色がすごく面白いよね、ここも僕は何も言わなかったけど、2人でうまく決めてたよね」
「富士山と、そのうえのK-1もいいよね、人の並びかたとか超ユニークだし、青が混じらないようにしたりとか」
「その隣の遊具はすごく計画的に進めてたと思う、3人の話し合いが生きてたよね」
「校章は漢字と稲のバランスが難しいけど、縁取りとか入れてきれいに仕上がった」
「花のところは僕が色々言っちゃったこともあったけど、色が作品全体を引き締めてくれてます」
すべての係について、ミヤケン先生は仕事ぶりにコメントしました。児童たちからはその係へのあたたかい拍手がおくられます。
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作品の全体を振り返り、それぞれの役割を認め合ったところで、ミヤケン先生は「最後の仕上げをしないといけない」と言いました。
それは、タイトルをつけて、サインを入れること!
「最後は、オンリーワンゲームの文章版!それぞれのタイトルをつけてください!5分!」
タイトル、それに込めた思いや他の人にぜひ見てほしいポイントを書くための用紙が配られ、ゲームがスタート!
真剣な顔で取り組む児童たち、打って変わって静かに…絵を見ながら考えつつ、鉛筆を動かしました。ギャラリーにかつかつと書く音が響きます。
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「じゃ、発表してくれる人ー?」とミヤケン先生が声をかけると、「はい!はい!」とたくさん手が挙がります!
「わたしがつけたタイトルは、《ちいむセカンド みんなのおおきな思い出》です」
「ぼくのタイトルは、《なかよし東本(ひがほん)》です。みんな、仲良しだから!」
「《世界にひとつだけのみんなの東本郷小学校》にしました。一人一人が絵を描いて、世界にひとつだけの作品になったから」
どのように作品と向き合い、制作した時間を捉えているのか。これを見てくれる人に、何を感じてほしいのか。
それぞれの視点がよくわかる、まさにオンリーワンのタイトルが33通り、児童たちから発表されました。
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そこに担任のヒガシ先生と、もちろんミヤケン先生が考えたものも加わって、全部で35個になった「おっきなぼくらの絵」のタイトル。
すぐに作品のそばにある小さな衝立にすべてのカードが賑やかに貼り出され、会場にきたお客さまにも読んでもらえるようになりました。
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授業を振り返ると、作品がこのタイトルたちと同じようにまとまったいったことを思い出します。
それぞれの視点や意見を持ち寄り、互いを認め合う。譲り合いながらも、それぞれが役割を果たす。
個人が全員に認められること、そしてたくさんのコミュニケーションのなかで、作品はどんどん成長していったのです。

最後にミヤケン先生が代表して、作品にサインを入れました。
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「2017.11.11 M.Kensuke 東本郷小学校6年1組のみんな」
自然と起こる拍手と歓声。ここに「おっきなぼくらの絵」が本当の完成をむかえました。


ミヤケン先生と東本郷小学校6年生が多くの時間と気持ちを重ね合って完成した作品は、その35通りのタイトルとともに、アトリアで公開しています。
今、まさに発信中!コミュニケーション・ペインターズの表現、多くの人に、伝わりますように!

ぜひ会場で彼らの表現に出会ってください。また、「アートウォッチングカード」にメッセージを記入いただくと、
彼らのもとへと届けられ、授業に役立てられます。彼らのコミュニケーションに加わって、お楽しみいただけましたら幸いです。



photo: Kozo Kaneda

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第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
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このプログラムの過去記事はこちら↓から
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by atlia | 2017-11-24 15:25 | 学校×アトリア
AIS12:vol.4 bonustrack
第12回アーティスト・イン・スクール(AIS12)、学校内での授業が終了しました!
普段はなかなか見えない教室の様子をお伝えしているスタッフブログ連載、今回の更新は前回好評いただきました「bonustrack」第2弾。
授業レポート本編ではご紹介しきれなかったシーンをハプニング含めて?お伝えします。
作品制作(第2~4回の授業)から、プレイバック!

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真っ白のテント地に一筆目を入れる緊張の一瞬がそこかしこで起こる。

一筆いれてしまえばガンガン進む下地作り。色が増えて混雑の様相。
そして気がつくと乾いていない絵具に囲まれ、逃げ場を失いかける事例。
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調子に乗って手を伸ばし戻れなくなりかける事例。
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ハートを描くと後ろ姿もハートになる事例。
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下地が乾いて制作2回目(授業3回目)、見た目の混雑度、一気に倍増。
ハート係との相談。
縄跳び係との相談。
虹係の相談?
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乾いていないところを避けつつ描こうとすると妙な姿勢になる事例。
そして妙な姿勢のままで歩くことになる事例。
制作最終日(授業4回目)、川口市マスコット「きゅぽらん」が取材にきてくれる。ヒガシ先生思わず撮影。
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ミヤケン先生、全員の似顔絵を描く。モデルも周りもにやにやしながら見守る。
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そのあいだに作品の最上部に神、降臨。K-1(クラスのお笑いイベント)にも降臨するらしい。
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児童も先生もスタッフも混じって誰が誰だか?それくらい全員が一緒になってやっていた。
そして制作終了。誰かが乗っていない状態はなんだか寂しい。
最後に、ヒガシ先生が全員の似顔絵に名前を描き入れてくれる。



photo: Kozo Kaneda

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第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
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このプログラムの過去記事はこちら↓から

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by atlia | 2017-11-23 09:20 | 学校×アトリア
AIS12:vol.4 重なりあう色いろ:「ぼくらの絵」とその時間
ミヤザキケンスケさん(ミヤケン先生)と川口市立東本郷小学校6年生33人が取り組む、第12回アーティスト・イン・スクール(AIS12)。
ミヤケン先生が学校に通っておよそ1か月、いよいよ校内最後の授業です。
おっきな作品、完成なるか!?クラス全員がそれぞれの役割を持ちながら「コミュニケーションとしての絵」を学びます。

前回の授業では下塗りのうえから細かなものを描いていく作業が徐々にかたちになっていました。
その進捗を確かめつつ、今日のお仕事をどのように進めようか考えながら、絵を囲む児童たち。ここから今回の授業開始です。
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今日は頑張って作品を完成させよう!まずはミヤケン先生、モチーフを描く係ごとに次のお仕事を確認していきます。
「遊具には人が登って遊んでいる様子を描く予定だったね」「花の係はもう少し細かい部分を描きたいかな」
「富士山はもう人がたくさんいるから、顔を書き足そう」「空と虹は結構もういいよね、他のものを描く場所を手伝って」などなど。
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そしてミヤケン先生、画面全体でたくさん登場する「人の顔」を描くコツをレクチャー。
肌となる色が乾いた上に、まず鼻をすっと線で描き、続いて目・眉を同じ色で、口は赤で描き足します。最後に髪、これでわりと個性が出せるのだとか。
さっと描いたミヤケン先生の早ワザ!でも決して難しくはなさそうです。なんだかいっぱい描けそうな気がしてきたぞ!
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それぞれのお仕事に入ると、もう児童たちも慣れたもの。今回のコツを教わってからは、より絵具の使い方が上手になったみたい。
顔を描くのはもちろんだけれど、濃い線で服に輪郭をつけてよりはっきり見せるワザ、花びらの上にこれも濃い線を描いてかわいくするワザ、
薄い色をわざと載せてハイライトにするワザなどなど、いつの間にか多くのワザが編み出されています!
乾いた絵具に重ねてもはっきり色がでる、前回の授業でわかったことも存分に生かしたお仕事が進んでいきました。
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よしよしこれなら安心、と思ったミヤケン先生、自分もしっかり描くことで協働制作に加わることにしました。
中心に描かれたおっきなハート、その上にクラス全員の似顔絵を描いていくことにしたのです。
一人ひとり名前を呼んで、顔をみながら描いていきます。改めてまじまじと見つめられるとちょっと緊張…
その中心になっていた担任のヒガシ先生の顔は、児童代表に任されました!これもいい感じに描かれていきます。
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1枚の布が「ぼくらの絵」になる過程は、それぞれが手をいれた時間の重なりそのものです。
全員が出したアイディアが集まって、誰かが塗った下地に、他の誰かの色が入って、また別の誰かが線を重ねていく。
そこに描かれたもののなかに、誰かが一人だけで描いたものはひとつも存在しません。
ずっとまとまりの良かったクラスではありましたが、それぞれのお仕事を見て、お互いを意識する瞬間がより多くあったのかも。
同じような姿勢で床に這いつくばって描く様子を見ていると、画面が変化していくのと同時に今まで見えなかった児童たちの「顔」も見えてくるように感じます。
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授業終盤、もう一度全員で作品のまわりを囲みます。おっと、楽しそうな授業に川口市マスコット「きゅぽらん」も様子を見にきた?
ミヤケン先生が「本当にみんなよく頑張りました!完成!」と言うと、自然と拍手が起こります。
今日、完成するかは不安だったけれど、全員がそれぞれの役割を果たしつつ譲り合いながら、1枚の作品ができたこと。
一人ひとりの顔には、ちょっと疲れも見えますが、達成感と充実感が溢れています。
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「でも、これが絵として完成したからって、最後じゃない。本当にみんなのことが伝わるかも重要だからね」
この日の授業の終わり、ミヤケン先生は次回の予告をしました。
そう、この「ぼくらの絵」はアトリアに展示されるのです!そこで多くのお客様に見てもらうことができます。
そしてミヤケン先生と児童たち、展覧会が行われる会場でまとめの授業を行うことになりました。
次が本当に最後の授業、ちょっと寂しくはありますが、どんな風に展示されるか・どんな人が見に来てくれるか、確かめるのは楽しみです!
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2017年11月11日(土)から、ミヤケン先生と東本郷小学校6年生たちが描いた作品を当館で公開します。
「おっきなぼくらの絵」、その全貌を確かめに、ぜひご来館ください!
また、会場で配布する「アートウォッチングカード」にメッセージを記入いただくと、彼らのもとへと届けられ、授業に役立てられます。
ぜひ彼らのコミュニケーションに加わって、お楽しみいただけましたら幸いです。




photo: Kozo Kaneda

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第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
※関連展示として講師作品展〈カラフル・ザ・ワールド!〉を先行公開 10月28日(土)~
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このプログラムの過去記事はこちら↓から
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by atlia | 2017-11-07 13:54 | 学校×アトリア
AIS12:vol.3 それぞれの役割:いっしょに、つくること。
第12回アーティスト・イン・スクール(AIS12)、ミヤザキケンスケさん(ミヤケン先生)と川口市立東本郷小学校6年生33人の授業が続いています。
コミュニケーションとしての「絵」を体得しながら、おっきなぼくらの絵に挑戦する1か月間。
今回の授業レポートも3回目、折り返し地点です。

前回、下塗りまでが終わった大きなテント地、その上にもっとたくさんの要素を描いていこうというところ。
すでに授業に慣れた様子の児童たちは授業開始時間前にきちんと集合、言われずとも上履きと靴下を脱いで早々にスタンバイ!
ミヤケン先生とスタッフも絵具だらけの作業着で迎えます。
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授業の最初に、ミヤケン先生、前回の振り返りとともに「協働制作」について少しお話をします。
「みんなでひとつのものをつくるってことは、楽しいことばっかりじゃないかもしれない」と切り出しました。
描きたいものやそれに対するイメージが違うかもしれない。
スペースの取り合いになっちゃうかもしれない。
アイディアが採用されなかった人もいるかもしれない。
でも、今までに生まれなかったものや見えなかったことに、近づけるかもしれない。
そういえば前回の授業でも33人全員が作業している間、後ろ向きにぶつかりそうになったり係がそれぞれに迷ったりといったことも、もう起きていたのです。
「ちょっとしたトラブルや行き違いがあったら、みんなが譲り合うことが必要。そうすると作品が見えてきます」とミヤケン先生は言いました。
真剣に話を聞いていた児童たち、納得の顔で「はい!」と良い返事!
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全員での制作についてを意識しつつ、下塗りがキレイに乾いたテント地にむかいます。
まずはミヤケン先生、少しだけガイドになるような線を引いていきました。係ごとにモチーフを確かめながら相談し、チョークでざっくり描きます。
「この辺にみんなの顔があるはずだね、ここに輪郭を描こうか」「虹は黄色の上に違う色の線を重ねていこうね」
「空には白い雲があった方がいいかな」「ファームにはまず、野菜がほしいよね」
係ごと、33人それぞれに作品のなかでの仕事が見つかっていきます。
東本郷小学校6年1組を表すモチーフたち、黒板にはイメージをさらに細かくした設計図が貼られました。
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それぞれの役割を果たすべく絵具をもらった児童たちは、任されたものに最適な刷毛や筆を選びとって、さぁお仕事開始!
オレンジ一色のままだった校庭に縄跳びしている人が登場、その上では黄色だけだった虹が変化していきます。
校舎はびっくりするほどカラフルに?学校ファームの真ん中には立派な稲穂を抱いた校章が見えてきました。
すっかり乾いた下地の上、塗り重ねてもはっきり線や色がつくれるから面白い!どんどんお仕事が進んでいきます。
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短い休憩をはさんで、ミヤケン先生、いったん手をとめて絵を少し見てみるようにと指示をしました。
3.5×8mを囲んで集まる児童たち、自分たちの仕事を離れて他の係の仕事を進捗を確かめます。
「大分描けてきた感じがするけど、細かいものがあるから、隣同士は特に気を付けて」
隣同士にくる色は混ざりやすいから乾くのを待っている間に他の場所を手伝ったり、相談するのに時間をつかったり、絵具を混ぜて色を準備しておいたり。
つまり「譲り合いながら」につながるポイントをさらに具体的にお話ししたミヤケン先生。
「迷ったら相談するんだよ!じゃ、もう少し頑張ろう!」
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富士山に降る雪の上には人が登っていきます、白に混ざってしまわないように気をつけながら…。
遊具は細かい線がたくさんあるから、係のなかで反対向きに描いていく人を自然に決めたみたい。
学校ファームの上ではトマトについて相談している模様、ミヤケン先生にアドバイスを求めることにも慣れてきました。
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夢中になってお仕事を進めていると、今日も時間が早く過ぎていきます。
比べてみると、どうかな?授業中盤の時点と同じように、少し絵から離れて見渡してみます。おっと、随分描けている気がするぞ!

絵具の扱いにも少しずつ慣れ、譲り合いも覚えてきた児童たち。いよいよ制作は終盤に!果たして完成なるか!?

その日の授業終了後、次回のためにと、ミヤケン先生は児童たちを導くための線を少し描き足しました。
これまでたくさんのワークショップを経験してきたミヤケン先生ですが、こんなに何度も足を運んで時間をかけたプログラムはなかったと言います。
次は学校のなかでは最後の授業、完成するかという不安もあり、もちろん作品が生まれてくる高揚感もあり。
その筆は、これまでの時間をなぞるみたいに少しずつ、ちょっとだけ迷いながら、進んでいくようでした。
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photo: Kozo Kaneda

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第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
※関連展示として講師作品展〈カラフル・ザ・ワールド!〉を先行公開 10月28日(土)~
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このプログラムの過去記事はこちら↓から
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by atlia | 2017-10-27 16:31 | 学校×アトリア
AIS12:vol.2 ぼくらはどんな「絵」に?:中心には、おっきな…
第12回アーティスト・イン・スクール(AIS12)、ミヤザキケンスケさん(ミヤケン先生)と川口市立東本郷小学校6年生33人の授業が進行中です。
コミュニケーションとしての「絵」を体得しながら、おっきく描く「ぼくらの絵」に挑戦!
学校のなかの様子をお伝えしている本ブログは随時更新、第2回目の授業をレポートします。

前回「オンリーワンゲーム」「誰が一番目立つかゲーム」で様々なお題に挑戦するなか、独自の視点を表明すること・ほかの人の視点を認めることを楽しく学んだ児童たち。
ミヤケン先生は「絵はコミュニケーションとオリジナリティ」という考え方を伝えました。

今回からはその視点を生かした「おっきな絵」に、いよいよ挑戦!
この授業に用意したのは3.5m×8mの大きな布。ミヤケン先生もよくつかっている、テントにつかうための布です。
学校のなかの「なかよしルーム」と呼ばれる多目的スペースの床、いっぱいにひろげられました。
さてさて、ここに何を描こうか?ミヤケン先生、これもオンリーワンゲームで決めようと提案しました。お題は「東本郷小学校」そして「6年1組」!
小学校で自慢できること、クラスで起きた面白いこと、思い出、学校生活で大切にしていること。
クラス全員の視点を持ち寄って、それをいっぱいに詰め込んだ絵を描こうというのです。

さっそく4分間のオンリーワンゲームがはじまりました。
今回は他の人に重ならないようにする以上に、お題について自分が一番伝えたいことを描く児童たち。
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2つのお題から、どんなものが集まったかな?
いつ行っても1年生から6年生まで一緒に遊んでいるという「校庭」。なかには「縄跳び」用のジャンプ台、「ドッジボール」の様子。特徴ある大きな「遊具」も目を引きます。
野菜がたくさん描かれているのは「学校ファーム」と呼ばれる畑のこと。天気が良い日には「校舎」のむこうに「富士山」が見えること。
クラスでのイベント「K-1」は、超盛り上がるお笑いバトルらしい?
さらに多かったのは、「ちいむ」を表す、大きな、ハート。
これらを併せて、ミヤケン先生、「おっきな絵」のための原画をつくります。
「じゃあ中心には「ちいむ」のハートがあってー」黒板にひろげた紙に、クレヨンで大きくハートを描きました。
「校舎があるでしょ、虹描いた人もいたね、その周りにはー…」と児童たちから出たアイディアを1枚に集めていきます。
そこで児童たちも、これは外せない!というものをゲームから出たアイディアの中から拾って、ミヤケン先生に伝えます。
「富士山あった方がよくない?」「K-1!K-1でしょ!」「ヒガシ先生も」「手をつないでたほうが、ほら、ちいむのポーズだから」
その声を聞きながら、ミヤケン先生はざっと下描きをまとめました。どんどん描かれていく様子に、目を奪われている児童も、ちらほら。
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原画が決まったところで、それをおおきなテント地に描く準備。
大きな画面に立ち向かうため、それぞれのモチーフが描かれるゾーンごとに係を決めて、まずは下塗りをします。
今回つかう絵具はテント地専用のもの。塗ったところが完全に乾いたら、別の色を塗り重ねてもキレイに布に定着するのだとか。
だけどそれを重ねる順番が重要、とミヤケン先生は言いました。虹はまず黄色、富士山は青で、学校ファームは緑など、係ごとに色をもらうように指示します。
絵具をもらった児童たちは、おおきな刷毛を手にして、いざ…
しかしここで児童たち、その絵具の特性を踏まえた「最初の1色を塗る」という作業に戸惑う様子も。
ハートや空を描いている係はメインの1色を塗ることに迷いなく進んでいるようですが、虹や遊具の係はまず大きく全体を塗ってしまうという指示にピンときません。ふつうは線で描いたり、色分けするよね…?
でも「ひとまず大きく、自分たちが描くところを分けると思って、背景を塗る感じで!」というミヤケン先生やスタッフの声に覚悟を決めて、最初の一筆!
作業が進んでいくにつれ、大きなテント地が狭くなっていくみたい?後ろ姿同士がぶつかりそうになったり、ゾーンが隣り合う場所をどっちの色で塗るか迷ったり。
いつの間にか絵具をちょっと踏んじゃったり…まではいいけど、塗るのに夢中になって周りを囲まれ布から出られなくなっちゃった!?なんて事件も。
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しかしそこは仲のいい児童たち、文字通り手を伸ばして助け合い。その度に笑い声が響くなかよしルームは終始賑やかです。
ちょっと迷ったところもあったけれど、大きなテント地は児童たちが塗った色で埋め尽くされ、余白はもう無くなってしまいました!
2時間分の授業でよくここまで進んだなぁ、ミヤケン先生も感心しています。
次回はこの色の上に、もう少し細かく描いていくことになりそう。
「おっきな絵」、下地は見えてきたぞ!
これが東本郷小学校6年1組ならではの「ぼくらの絵」に見えるまでには、もう少しかかりそうです。



photo: Kozo Kaneda

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第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
※関連展示として講師作品展〈カラフル・ザ・ワールド!〉を先行公開 10月28日(土)~
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このプログラムの過去記事はこちら↓から
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by atlia | 2017-10-22 15:30 | 学校×アトリア
AIS12:vol.1 bonustrack
第12回アーティスト・イン・スクール(AIS12)、授業進行中。
その様子をお伝えしていますスタッフブログ連載、今回は「bonustrack」。
授業レポート本編には登場していない学校内のシーンを写真でご紹介します。
良い写真がいっぱい、ちょっとおかしな?写真もいっぱい。第1回目の授業です。
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図工準備室に貼ってくれていたウェルカムボードならぬウェルカムポスター。驚きと喜び。
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スタッフと最終確認中のミヤケン先生。まだちょっと緊張。
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オンリーワンゲームを説明せずはじめるミヤケン先生。
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両手を挙げて話すのがクセであるらしい。
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「赤いもの」がお題のオンリーワンゲーム。謎のアーチ形、「何?」「あっちのやつ!」「どれよ」
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あれだった(遠い。
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ユニークな「赤いもの」にミヤケン先生もスタッフもニヤける。
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クラス担任のヒガシ先生はすごいドヤ顔でゲームに参戦。
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ゲームに勝ち残るとポストカードがもらえる。はじける笑顔。
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ミヤケン先生のカラフルな作品が印刷されています。
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たくさん生まれた作品たちを集めて貼る。いろんな人が手伝ってくれる。
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そして黒板の前でもあふれるコンビ愛。
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プロジェクトや作品、アーティストとしての夢を語るミヤケン先生はかっこいい。
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給食も一緒に。アットホームな楽しいお昼。


photo: Kozo Kaneda

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第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
※関連展示として講師作品展〈カラフル・ザ・ワールド!〉を先行公開 10月28日(土)~
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このプログラムの過去記事はこちら↓から
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by atlia | 2017-10-13 15:47 | 学校×アトリア
AIS12:vol.1 描き出す一歩:うまく描かなくていい。伝わればいい。
9月末から授業がはじまりました、第12回アーティスト・イン・スクール(AIS)。
今年は講師にミヤザキケンスケさんをおむかえし、川口市立東本郷小学校6年生33人が、コミュニケーションとしての「絵」を体得しながらおっきく描く「ぼくらの絵」に挑戦!
本ブログでは授業の様子を随時レポート。今回は1回目の授業の様子をお届けします。

授業初回ということもあってちょっと緊張のスタッフたち、まずは最初のご挨拶です。
ミヤザキさん、小さい頃から「ミヤケン」というあだ名で呼ばれていたということで、今回もこの授業では「ミヤケン先生」と自己紹介。
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それにこたえるように、児童たちは「ちいむー!セカンドー!」のポーズを披露。
ミヤケン先生、すぐにポーズをマスターして、クラスのノリノリな雰囲気にさっそく溶け込みつつあります。フレンドリーな空気で授業スタート!
ちなみに「ちいむセカンド」とは、東本郷小学校6年生の学年目標のこと。「ちいむ」の「2年目」だから、とのこと。(「ちいむ」については記事vol.0 で!)
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ミヤケン先生、さっそくスライドをつかって自身の作品を紹介しながら、今までの活動についてお話をしました。
小さい頃から絵を描くのが好きだったこと。ぱっとみて誰もが幸せになれるような絵を描きたいこと。
一人で描くのではなく誰かと一緒に絵を共有したいこと。
児童たちも真剣な面持ちでお話を聞きます。
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ミヤケン先生がこの日着ていたTシャツにある「OVER THE WALL」は、今まさに進行中の、世界中に壁画を残すプロジェクトの名前。
現地の子どもたちと一緒に大きな絵を描いてきたミヤケン先生、ここでもみんなと大きな絵を描こうと思う、と言いました。
「自分たちらしい絵を描くために、今から絵で考えていることを伝えるトレーニングをします!」

おもむろに配られたのは、なんてことないぺらっとした紙が1枚。指示されるまま、クレヨンを机に出す児童たち。
ミヤケン先生は「これはゲームだけど、最初にルールは教えない!まずやってみよう!」と言うなり、
「お題は、『春』です!3分で描いて!春を描いて!」え、もう?というか、それだけ?
「はい、スタート!」すでにストップウォッチを押してしまったミヤケン先生、あれれ、どうしよう?ちょっと戸惑う児童も見られます。
それでも「上手じゃなくていいよー」「何を描いたかわかればいいんだからね」というミヤケン先生の声に押され、なんとなくクレヨンを手に握って描きはじめました。
「15秒前―」…「はいストップ!」…3分って短いな!でも思ったより児童たちの手元の紙は色がついているように見えます。一斉に紙を持ち上げて、何を描いたか見せ合いました。
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「みんな、何、描いた?」桜の木、花が咲いた野原…など、ピンク色を選択した児童が多い様子。
ここでやっとミヤケン先生、これが何のゲームか発表します。「これはオンリーワンゲーム!同じお題でも、誰も描いてないものを描いた人が勝ち!」えー!?みんな桜描いちゃったよ!互いの顔を見合いながら、すぐそばの人が何を描いたか確かめ合う児童たち。
それでも何人か「すごい晴れた青空」「自分の誕生日会」など…ちょっと無理やり?…とは思えたものの、いくつかのオンリーワンが!

その後「夏」「赤いもの」など、いくつかのお題に挑戦しました。
どうやったら他の人と重ならない絵が描けるのか?自分が見つけられるオリジナルな視点がどこにあるのか?なんとなくつかめてきた児童たち。積極的にオンリーワンを目指して、発表の手を挙げていきます。
2回ほどのゲームでオンリーワンに選ばれた児童たちにはミヤケン先生特製ポストカードがプレゼントされたり、大盛り上がり!
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後半戦は、もう一歩踏み込んで、今度は「誰の絵が一番目立つか?ゲーム」!
これも同じお題で描く中でどんな絵が・誰の絵がぱっと見で人の心をつかむのかを競います。
「じゃ、お題は…『秋』にします!時間はちょっと長くして、4分ね!」ミヤケン先生の明快な指示のもと、すぐにクレヨンを動かすようになった児童たち。
少し考え中の顔の人もいますが、どんどん描けるようになっているみたい。「伝わることが大事だからねー」という言葉に、色や線・かたちも力強くなってきました!
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全員の絵を集めて、黒板に貼っていくミヤケン先生。「おーみんなすごいなー、個性出てるねー」
山、紅葉、どんぐり、きのこ、さんまの塩焼き、月にうさぎ…などなど、確かに秋は秋だけど、クラス中の絵が集まるとバリエーションが出ているのがよくわかります。
「さぁ、じゃ、この中でどれが目立つか、投票しましょう!目立つな、と思ったら拍手ね!1人2回までね」
ここで票が集まったのは、青い背景に描かれたさんま、思い切って線だけで描いたどんぐり、など。
「みんな赤っぽい色を選んでいる中で青が思いっきりくると、目立つよね」「色だけじゃなくて、線で目立つっていうのも、作戦だね」
この絵たちがなぜ目立ったのかを的確に説明するミヤケン先生の言葉に、ふむふむと聞き入る児童たち。
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このゲーム最後のお題「自由」では、もっともっと、児童たちの絵がオンリーワンになっていきました。
4分という限られた時間が長く感じられるようになってくるほど、絵が完成している感じ!
描き終わると早くみんなの絵が見たい、黒板にはり出すのを積極的に手伝ってくれる人もいます。
「どーしよう、こんなにすごい絵がみんな描けると思わなかったよ、迷うね、みんないい感じだよね」とミヤケン先生も驚いている様子。
でもここはゲームです、同じく拍手で5人の「目立ったで賞」を全員で決めました。
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「この中で、図工がちょっと苦手だな、っていう人、いますか?」ミヤケン先生は、最後にそう話を切り出しました。
クラスの半分くらいから手を挙がったのを見て「でもさ、今のゲームで、全然描けなかったって人は一人もいなかったよね」…そういえばそうだな?
うまく描かなくていい、伝わればいい。ゲームの間、ずっとそう言い続けてきたミヤケン先生。
「絵っていうのは、他の誰かとコミュニケーションができる、そういう力があると思います」
ゲームに勝とうと自分を押し出すこと、他の人が何を描くか気になること、そして誰かが描いたものを受け取ること。
たった3.4分で絵を描いて発表しあう、それを繰り返すだけで確かに色々な気持ちが生まれ、迷うことがなかったような気がします。

「絵って、オリジナリティとコミュニケーションだと思う。今日、みんなはそれが良くできていたと思います。すごい絵がたくさん生まれたし」
ミヤケン先生は「自由な絵」が並んだ黒板を見て、とてもうれしそう。
「次回から、もっと自分たちらしい絵を見つけていきましょう。そして、おっきくおっきく、それを描こう」

初回の授業はこれで終了!90分がなんだかとっても短く感じるくらい、たくさんの絵が生まれ、共有されていきました。
次回にまたどんな絵が生まれるか、期待が高まります!



photo: Kozo Kaneda

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第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
※関連展示として講師作品展〈カラフル・ザ・ワールド!〉を先行公開 10月28日(土)~
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このプログラムの過去記事はこちら↓から

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by atlia | 2017-10-11 15:05 | 学校×アトリア
AIS12:vol.0 発信!コミュニケーション・ペインターズ はじまるよ!
毎年秋、アトリアでは恒例となっています「アーティスト・イン・スクール」は今年度で12回目をむかえます!
第一線で活躍するアーティストが図工・美術の授業で先生(講師)をつとめるこのプログラムは、毎年1校1学年、川口市内の小中学校を対象として開催。
第2学期の一部である1か月半ほど、何回かの授業を経て、ともに作品を制作しつつ交流をもつことで、
児童生徒はもちろん、アーティスト・学校の先生にとっても、想像力・創造力・コミュニケーション力を刺激し合い、学び合う機会とすることを目的としています。

今年度は講師にミヤザキケンスケさん(ペインター)をむかえ、川口市立東本郷小学校6年生と一緒に図工の授業を行います。
カラフルに世界を描きだすミヤザキさんの表現に触れながら、今までにない壁画のような作品に挑戦!
本ブログでは、授業をご一緒するコーディネイターである当館スタッフの目線で授業をレポート、随時みなさまにお伝えします。

2学期はじまって少し落ち着き始めたこの頃、そろそろ1回目の授業!
今回は予告として、講師のミヤザキさんと、東本郷小学校について、ちょっとご紹介します。

ミヤザキケンスケさんは、トータルペインターとして壁画制作やワークショップのコーディネイトをしてきたアーティスト。
Super Happyをテーマに、ぱっと見ただけで人が幸せになれるような、色鮮やかな作品を数々生み出してきました。
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※1

近年では「OVER THE WALL」というプロジェクトを主宰、世界中に現地の人たちと一緒に描いた壁画を残す活動を推進中。
東ティモール、ウクライナなど、発展途上国や難民の多い地域などに自ら出向き、まさに世界を明るくするために絵を描いてきたのです。
ミヤザキさんの作品に繰り返し登場するモチーフであるお花はとってもカラフル、ぱっとひかる明るい笑顔に似ています。

現地の人と一緒に描くという姿勢は、大きな作品をつくること、さらにその土地に寄り添うためにも必要な要素だと考えているミヤザキさん。
今回のアーティスト・イン・スクールでは、東本郷小学校の6年生が過ごしてきた時間に、どう寄り添っていくでしょうか。
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※2

その東本郷小学校6年生は、学年が1クラスしかない、超がつく仲良し学級。
学年目標を「ちいむ(知恵・生き方・無我夢中の頭文字)」として、その決めポーズまで揃っちゃうのです。
「ちいむ」は5年生からずっと掲げている、いわばスローガンのようなもの。今年は2年目なので「ちいむセカンド」とするときも。
そこで今回はサブタイトルを「おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵」と付けました。
全33人の小規模学級、まさに「チーム」な一体感をもって、1枚の大きな絵に挑戦。
自分たちのこと、過ごしてきた6年間、そして東本郷小学校の魅力、を伝えるための「コミュニケーション・ペインティング」!
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※3

どんな交流と作品とが生まれるのか、今からとっても楽しみ。
この授業で制作した作品は、その記録資料とともに、アトリアで成果発表展として公開します。
本ブログでの授業レポートとともに、どうぞお楽しみに。


※1 ミヤザキケンスケ作品《Whale's tale》2016
※2 壁画制作中のミヤザキさん
※3 東本郷小学校外観

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第12回アーティスト・イン・スクール
発信!コミュニケーション・ペインターズ ―おっきく描こうぜ!ちいむ:ぼくらの絵
ミヤザキケンスケ×川口市立東本郷小学校6年生33人 
成果発表展@川口市立アートギャラリー・アトリア
2017年11月11日(土)~12月10日(日) 
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)
観覧無料
※関連展示として講師作品展〈カラフル・ザ・ワールド!〉を先行公開 10月28日(土)~
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by atlia | 2017-09-27 17:43 | 学校×アトリア
第11回アーティスト・イン・スクールNo.6 ひびけ!ひろがれ!音宇宙
川口市内の小中学校にアーティストやデザイナーを派遣し、特別な授業を行う[アーティスト・イン・スクール]。今年度は[ひびけ!ひろがれ!音宇宙]と題し、パフォーマーの尾引浩志(通称:ビッキー)さんと辻小学校3年生の82名が活動中!全6回中6回目、最後の授業の様子をレポートします。

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学校からバスに乗りアトリアへやってきた児童たち。オープンしたての成果発表展が今日の授業の舞台です。入口間近のコーナーにはそれぞれが制作した「音のしおり」がズラリ!思わず歓声をあげ、表紙に大きく記された自分の名前を誇らしげに見つめます。

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今日の目標は、他のクラスの友達が制作した「音のしおり」を読んで内容を試し、「レポオト」を書くこと。1人1枚ずつ「音宇宙」の旅のチケットが配られ、そこに記されているのと同じ番号のしおりを手に取りました。

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必要な「音のかけら」も確認し、案内されている通りの手順で「音」を奏でます。書いた人がどんな「音」を伝えたかったのか想像しながら読み取り、自分ではなかなか思いつかないガイドに感心しながら「レポオト」に感想を書き込んでいきました。

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そしてしおりの内容を実演するところから発表しました。自分なりの解釈で奏でる「音」にみんながきき惚れ、何度もアンコールを受ける場面も。読み上げられた感想には友達の発見への共感が溢れています。

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テーブルの周りには児童の制作したしおりをクラスごとにまとめた「音ガイドブック」や、しおりの発案のもとになった「オトノオト」も展示されています。ページをめくりながらおよそ2ヶ月間の活動をそれぞれに振り返りました。

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最も興味を引かれたのは、既に多くのお客様から寄せられている「レポオト」。
「普段計量カップを鳴らすことは無いけど金属同士の音がとてもキレイでした。」
「音がすきになった。」
「平べったい石を机に置いて鳴らしたときと片方だけ持ち上げて鳴らしたときと音がちがいますね。」
など、新鮮な体験をさせてくれたことへの感謝の気持ちや、更に発見した「音」の報告などが記されています。

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児童たちが立派に「音ガイド」になれたことを称えるビッキーさん。そして「音宇宙はどこにありましたか?」と問いかけました。「家庭科室」、「校庭」、「自分の身体」、「アトリア」、「身のまわり全部」…とみんなで思い返すうち、「心の中!」という核心を突く言葉が飛び出しました。ビッキーさんが思わず感嘆してしまう一方児童たちは訳知り顔。自分自身が「音宇宙」であることを実感している様子です。


全6回の授業を通じて「音宇宙」を旅してきたアーティスト・イン・スクール。ビッキーさんとともに日常を未知なる世界として見つめ直し新たな気付きを得ていく様子が、児童たちの生き生きとした表情や言葉に表れていました。更にそれを見知らぬ人に向けて表現し発信することは小学3年生にとって容易いことではありませんでしたが、発表展を訪れた多くのお客様たちが児童たちのガイドを楽しみ、心のこもった「レポオト」が続々と増え続けています。
「音宇宙」が心や身体にあるものならば体験した人の数だけ広がっていくことでしょう。会期終了後、授業の本当の成果として児童たちに届く多くの人の声は、初めて挑戦し成し遂げたことの大きな手応えと、自分の生きる世界をより広くとらえていくきっかけをもたらしてくれるに違いありません。

このプロジェクトに関する過去の記事はこちら
第11回アーティスト・イン・スクールNo.1 はじめまして!音宇宙の音ガイド
第11回アーティスト・イン・スクールNo.2 音宇宙を旅して発見 音のかけらひろい
第11回アーティスト・イン・スクールNo.3 音宇宙を案内する 音のしおり
第11回アーティスト・イン・スクールNo.4 中間発表会 ひびけ!伝われ!音宇宙
第11回アーティスト・イン・スクールNo.5 音宇宙の発表展 オープン計画
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by atlia | 2016-12-21 09:00 | 学校×アトリア
第11回アーティスト・イン・スクールNo.5 音宇宙の発表展 オープン計画
川口市内の小中学校にアーティストやデザイナーを派遣し、特別な授業を行う[アーティスト・イン・スクール]。今年度は[ひびけ!ひろがれ!音宇宙]と題し、パフォーマーの尾引浩志(通称:ビッキー)さんと辻小学校3年生の82名が活動中!全6回中5回目の様子をレポートします。

「音のしおり」の発表と合奏で、自分たちの家族に「音宇宙」を体験してもらった前回。今回は「音ガイド」を目指す研修の総仕上げとして、アトリアで開催する成果発表展の準備を整えます。

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そこでは児童たちの制作した「音のしおり」が展示され、書かれた内容を実践してみることで「音宇宙」を旅することができる参加の仕組みが備わります。今まで制作した中からお客様に試してもらいたいしおりを選び、各自清書していきました。文字はなるべく丁寧に、色も工夫すればもっと楽しい雰囲気が伝わるかも?様々な「音」と戯れてきたこれまでとは一転、書くことに集中し、図工室が静けさに満ちています。

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これで完成と思えたところで、1人ずつビッキーさんのチェックを受けました。使うもの(音のかけら)の名前は正しく書けているか、「音」をきくまでの手順は読み手に分かりやすく伝えられているか、入念に確認しながら一緒に改善点を考えました。机の間を何度も行き来して、ようやくOKをもらえた時にはホッと溜息、こぼれる笑顔。

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1枚目を終えたら2枚目に取り組みます。お客様に試してもらいたい「音」に加え、学校や家などの特定の場所でしかきこえない「音」は、制作した全てのしおりを網羅する「音ガイドブック」に収録されます。

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ほぼ全員がチェックを終えたところで、ビッキーさんから次回の予告を受けました。全6回の授業の最終日、みんなはバスに乗ってアトリアを訪れ、展示された「音のしおり」についての感想を「レポオト」に書く予定。ここでも一度書いてみようと、ビッキーさん作の「音のしおり」が配られました。早速内容を試してみる児童たち。

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しおりを読んで感心したところ、やってみて難しかったこと、きこえた「音」の面白さなど、同じ体験をしていても書き込まれる感想は人それぞれ。数人が発表し、長いようで短かった学校での授業が終了しました。あとは発表展でお客さんを迎えるのみです。

これまでの活動がどんな形で展示され、どのような成果に結びつくのか、まだ想像がつかない様子の児童たち。アトリアへ行く日を楽しみに待ちながら授業は残すところあと1回!


このプロジェクトに関する過去の記事はこちら
第11回アーティスト・イン・スクールNo.1 はじめまして!音宇宙の音ガイド
第11回アーティスト・イン・スクールNo.2 音宇宙を旅して発見 音のかけらひろい
第11回アーティスト・イン・スクールNo.3 音宇宙を案内する 音のしおり
第11回アーティスト・イン・スクールNo.4 中間発表会 ひびけ!伝われ!音宇宙
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by atlia | 2016-11-20 09:00 | 学校×アトリア



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