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くうき日記:展覧会開催のお知らせ
平成29年春の企画展《アートで解明!空気の正体》、いよいよ3月11日(土)建国記念の日からスタート!
本ブログでは本展をより楽しんでいただくべく、展示や広報を担当しているスタッフから様々な情報をお届け。
「くうき日記」として不定期連載いたします。
第1弾は本展の企画意図を簡単にお話ししつつ、配布開始となりましたフライヤーをご紹介します。

《アートで解明!空気の正体》は、タイトル通り「『空気』とは何か?」を考えた作品をご覧いただきます。「今日は空気が澄んでいるなー!」「いや、今のはちょっと空気読めない発言だったかも…」などなど、日頃から意外と意識している「空気」という存在。でもそれって実際のところ、なんなの?と聞かれると、酸素とか二酸化炭素というような説明だけでなは表せないことに気付きます。
本展では科学的に表記できる空気だけでなく、もっと身近な「空気」の正体に造形という観点で迫り、目に見える・触れられるかたちから「身近なのに謎だった」存在を捉えるきっかけをつくります。

配布開始となったフライヤーは、つやめいた黒に白い余白が印象的なデザイン。文字を大胆にかたちとして捉え、ちょっと顔にも見えちゃうようなかわいらしさをも含ませています。
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手にとっていただいたときに、右下に印刷された空気栓からそこにいる「空気」がすっと動くかのように感じられる穴があけられているのがポイント。
その「空気」が流れてきた裏を確かめると、本展に出品してくれているアーティストたちの情報をご覧いただけます。
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ご一緒するのは大巻伸嗣さん、奥中章人さん、本間純さん。それぞれの観点で当館にいる「空気」を捉え、あたたかく・自由に・動きながら・存在感を示す未知の「空気」を提示します。
それはどうもちょっと、フライヤーの文字が顔かも?と思うように、人間っぽさを感じるような存在。本展では不思議に存在している「空気」を、親しみをこめて「くうきさん」と呼ぶことにしました。

ぜひ本展会場で、「くうきさん」に出会うのを楽しみに、フライヤーもご覧ください。

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平成29年春の企画展《アートで解明!空気の正体》
2017年3月11日(土)~5月14日(日)
10:00~18:00※土曜日のみ20:00まで開館
月曜休館(ただし3月20日(祝)は開館、21日(火)休館)
観覧料:300円(高校生以下無料)※4月22日(土)は開館記念日につきどなたさまでも無料!
詳細はアトリア公式ホームページ「アトリアweb」でもご紹介中!

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by atlia | 2017-02-25 14:26 | 企画展
アートなお正月あそび[とりとりアトリア!]を開催しました!
2017年1月9日(月祝)に〈アートな年賀状展2017〉関連イベント「アートなお正月あそび」を開催しました。
どなたでもお気軽に参加していただけること、新年の雰囲気を感じ、楽しんでいただくことを目的としたこの企画。今回は「とりとりアトリア!」と題し、今年の干支・酉にちなんだ3つのあそびを実施!創作あり、運試しあり、レースありの盛りだくさんのイベントです。

◆ふわりラッキーバード
鳥型の紙飛行機を飛ばし、その着地地点で運勢を占う運試し。まず3羽の鳥を選び、床に敷かれた大きな絵の前に立ちます。大きな絵には青空が描いてあり、その上を鳥が飛んでいきます。一番遠い太陽は大吉、虹は中吉、雲は末吉、青空は吉。狙いを定めて飛ばします。
大吉まで届き喜ぶ声が聞こえたり、狙いまで飛ばず悔しがったり。なかには何度もチャレンジする参加者もいました。
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◆運んでコケッコー
たまごを巣に運んでその数を競うゲーム。巣と同じ色のとさかを頭に着け、2本のスプーンを使ってころがっているたまごを運びます。
たまごをすくいあげるまでは順調ですが、巣まで歩いて運ぶのが難しく、途中で落としてしまう参加者が続出。落ちた地点からもう一度すくいあげて巣を目指します。
ハマった参加者は何度もレースに参戦。はじめはうまくできなかった参加者も次第にたくさんのたまごを運ぶことができるようになりました。
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◆クルッととりぶえ
鳥の形の笛を制作できるコーナー。トイレットペーパーの芯とストローでできた笛を色紙で包み、パーツを貼り付け鳥の形に装飾していきます。
完成するとすぐにストローに息を吹き込み音を出し始める参加者たち。自分でつくったことで愛着が湧いている様子。様々な色を組み合わせて自分だけの笛をつくることができました。
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開催時間中は館内に歓声と笛の音が響き、とてもにぎやかな新春を迎えることができました。

この「アートなお正月あそび」は日頃からアトリアの活動を支えているサポートスタッフが企画・準備から当日の運営まで担いました。どのあそびもみなさまに楽しんでいただけて、サポートスタッフにとってもかけがえのない時間となりました。
ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
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by atlia | 2017-01-13 11:49 | 企画展
第11回アーティスト・イン・スクール成果発表 〈ひびけ!ひろがれ!音宇宙〉終了しました
第11回アーティスト・イン・スクール成果発表
尾引浩志(パフォーマー)×川口市立辻小学校3年生82名 〈ひびけ!ひろがれ!音宇宙〉
は12月25日(日)をもって終了しました。会場には児童たちが制作した多彩な「音」のきき方の案内書、「音のしおり」が展示され、多くのお客様が新鮮な驚きとともに「音宇宙」の旅を楽しんでいる様子でした。

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会期中はお客様から寄せられた「レポオト」も随時展示していきました。児童1人1人に向けて、「音のしおり」の感想やあたたかい励ましの言葉などが記されています。その数、合わせてなんと500通ほど!学校の三学期が始まってから児童たちの手に渡され、授業の振り返りに役立てられます。
たくさんのご協力をどうもありがとうございました!

新年明けて、1月7日(土)からは〈アートな年賀状展2017〉がオープンします。

そして2月には〈第10回川口の図工美術まなび展〉を開催。市内絵画コンクールなどの優秀作品や授業の実践作品とともに、今年度アーティスト・イン・スクールの成果の一部もご紹介します。発表展を見逃してしまったみなさまにも「音宇宙」を体験いただけるチャンス!ぜひお楽しみに!
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by atlia | 2016-12-27 14:43 | 企画展
第11回アーティスト・イン・スクール成果発表 〈ひびけ!ひろがれ!音宇宙〉いよいよ明日まで!
待ちに待ったクリスマス。ジングルベルもいいけれど、ちょっと不思議で耳新しい「音宇宙」は如何ですか。
アトリアでは明日、12月25日(日)まで
第11回アーティスト・イン・スクール成果発表
尾引浩志(パフォーマー)×川口市立辻小学校3年生82名 〈ひびけ!ひろがれ!音宇宙〉

を開催中。児童それぞれがガイドする素敵な「音」のきき方をお客様がその場で試して体験できる参加型の展覧会です。

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会場には、児童たちが制作した多彩な「音」のきき方の案内書(音のしおり)と

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「音」を奏でるための身近な道具(音のかけら)

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大きなテーブルで「音」を楽しむことができるコーナー(音の小宇宙)をご用意。

児童たちのガイドをきっかけに、あなたの日常にもきっと無限の「音宇宙」が広がるはず!
家族やお友達ともご一緒に、ぜひお越しください。
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by atlia | 2016-12-24 12:28 | 企画展
時間の位置の物語(7)―《漂う時間の時間》
平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉、会期終盤。
本展がより楽しめる情報をスタッフ目線でお届けする「時間の位置の物語」も、気づけば連載7回目。
今回は本展の会場にあるからこそ!より意味を強くする作品として《漂う時間の時間》を紹介します。

本展は3つのゾーンに分かれて構成されています。
最初の部屋「闇への地下時間」は、この連載でも何度か紹介してきた《DARK BOX 2016 ―地下からの闇》(連載第1回目第4回目を参照!)を中心に「地下」「闇」をキーワードにした作品が並んでいます。
次の部屋「推移と水位」は《石になった森》をはじめとした化石のフロッタージュがぐるりと壁にある部屋。「折り重なる時間」への導入となる、本展の中心部です。
最後の「浮遊する時相」と題された部屋は外が唯一見える空間。今まで足元にあった時間たちが「階段」をあがって空中へ、文字通り「浮遊する」ような不思議な時間を表現しました。

本展の中心部、と紹介した「推移と水位」という部屋の、さらに中心に位置しているのがこの《漂う時間の時間》と題された作品なのです。
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特徴的な黄色(カドミウムイエローと言います)と白い時計のコントラストが印象的な本作は、長方形を少し変わったかたちで仕切っているようです。

実はこれ、アトリアのかたち。正確にはこの展覧会の展示空間のかたち、と言っていいでしょうか。
館内マップ(画像荒くてすみません)と比べてみると…
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ちょっと向きが異なりますが、赤く囲った部分が本作で立体化された部分です。館内の作品はこの範囲で並んでいるのですね。

《漂う時間の時間》では、当館の展示室(3つのゾーン)それぞれに異なる深さで水がはられています。そこにはいくつかの時計が浮かび、これもすべて異なる時間を示しています。
拡大してみてみるとこんな感じ。
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時計と同じく水に浮かぶのは、鉛で包まれた蓮の種。この「蓮の種」も河口作品にはよく登場する存在。
鉛で封印され発芽を止められた種子は、自身の時間を既に「止めた」のか、あるいは一次的に「止めている」のか。

スタッフがこの作品について話をするときは、時計はお客様自身です、と申し上げます。
異なる時間を刻む人々が、同じ「時間の位置」に設定された部屋の中をふよふよと漂うように共存している空間。そこには鉛によって封印され時を止めている存在――つまり「作品」たちのようなもの――も一緒に浮かんでいます。
漂う時間の中では、時にぶつかりあうこともありますが、うまくつながって止まったり移動したり、絶えず動き続けているのです。
これを、展覧会の中では、「いくつかの水位のなかを、見る者自身が漂い、推移する」と説明しています。本作が設置されている部屋「推移と水位」というタイトルの由来です。

実は本作、この作品のためだけにつくられたのではありません。水をはってタイトルがつけられる前は、展覧会の計画をするためにもつかわれていたのです。
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これが先ほど拡大した場所と同じ位置。こうしてみると、模型らしい役割をしていたのですね。
壁には展示しようと考えた平面作品がずらっと並んでいます。もちろん縮尺も正確。
よくご覧いただくと、右側の部屋(「闇への地下時間」の部屋)に、小さな《DARK BOX 2016 ―地下からの闇》、左側の部屋(「推移と水位」の部屋)にはこの《漂う時間の時間》が、それぞれ中心に置かれているのも分かりますね。
丁寧に展示を構想し、空間をつくろうとした痕跡が、この作品とも言えるかもしれません。

このように展覧会の構想を設計した模型が、展覧会そのものの状態を表す作品となる。
河口さんの制作には、およそ「習作」(作品にはならないけれどその制作の練習をしたもの)のようなものが無いように思えます。すべてが作品へと昇華していく、そんな印象。
展覧会そのものだってそうです。アトリアの空間をも作品化しようとした、そういう気持ちが、この作品からは感じられるよう。

この空間に飛び込めるのも、残りわずか1週間!ここでしかできない体験を、ぜひどうぞ。


(《漂う時間の時間》(1枚目・3枚目)撮影:齋藤さだむ その他資料・記録はスタッフ撮影)

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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)
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by atlia | 2016-11-20 12:18 | 企画展
時間の位置の物語(6)―レポート!トーク[いとおしき「時間」たち]
平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉をより楽しんでいただくべく、スタッフ目線で耳より情報をお届けする連載:「時間の位置の物語」。
第6回目は10月30日(日)に開催いたしました[トークセッション いとおしき「時間」たち]をレポート。

ご登壇いただいたのは、ご存知、作家の河口龍夫さん。
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さらに建畠晢さん(美術評論家/埼玉県立近代美術館館長・多摩美術大学学長)。第一線でキュレイター・美術評論家として活躍なさっている方で、河口さんとは旧知の仲。さらに当館は開館5周年記念事業〈彫刻家・建畠覚造―思考の一端と川口の職人たち〉でご一緒して以来お世話になっています。
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そして鞍田崇さん(哲学者/明治大学准教授)。
近年では工芸を中心としたアートを「いとおしさ(インティマシー)」というキーワードで読み解く著書などを発表している方で、今回のトークテーマである「いとおしき「時間」たち」もそこから頂戴したものになっています。
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最初の話題は「闇」について。
本展の機軸となった《DARK BOX 2016 -地下からの闇》を制作したワークショップを振り返りつつ、「見えないものを可視化する」という姿勢についてお話くださった河口さんの話を起点に、《DARK BOX》の連作についてのお話。
初日のワークショップで真っ暗闇を一緒に体験した建畠さんからは、その時の身体の感覚が「まるで浮遊しているような」感じであったという感想が述べられました(ワークショップの様子は連載第4回目で!)。闇の中では何も見えない、いやしかし、闇が見えている、という感覚に気付いた、というのはそれに対する河口さんの返答。

人にとっては見えないけれど身体・精神を拘束している稀有なものとしての、闇。そして、同じ特徴が時間にも挙げられる、と河口さんは述べました。闇の中で認識したのは、自分の身体であり、その「時間」ではなかろうか、と。
自分が持っている時間は有限です。それは全く公平にそれぞれの人に存在している、と河口さんは述べました。だから自分の時間を振り返ることもしてみたい、他者の時間に触れることもしてみたい。

特に話が盛り上がったのは、《「陸と海」からの時相》という作品について。自身が45年も前に撮影した写真作品に、2016年の今、続きを鉛筆で描いていった作品ですが(作品についての簡単なご紹介は連載第2回目で!)、これをご覧になった鞍田さんはゲーテのある詩を思い出していたそうです。
そのエピソードは、自身が若い頃に訪れた山小屋の壁に書いた詩が、約50年経って同じ場所を訪れた際に、まだそこに残っていたのを発見し読み直した、というもの。
振り返るからこそ、見出せることがあります。そして、新しい意味を自身の手によって見出すこと…芸術家としての生き方が、造形としてそれを提示させるのかもしれません。

建畠さんは《陸と海》そのものも素晴らしい作品だ、と続けました。それを見出した作家についてはもちろん、作品が発表された展示〈人間と物質〉についても言及しました。
それを企画し成功させたは、河口さんを世界的作家に導いたとされる美術評論家の中原佑介さん。残念ながらお亡くなりになりましたが、美術評論家と作家の関係として、大変稀有な、あるいは理想的なつながりが2人にはあったといいます。
中原さんも今日来ているかもね、と言った河口さんは、プレッシャーを感じると言いながらも、どこか楽しそうな表情。晴れ晴れとした態度からは言葉をつくる評論家への尊敬の念さえも感じるようでした。
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終始和やかなムードでありながらも、芸術家としての生き方や表現・哲学の問題、言葉の大切さといった問題まで語られた今回のトークセッション。
まだまだ聞きたいと思える内容ばかりでしたが、大変早く感じる1時間半となりました。この記事でも全部は紹介しきれなかったなー!申し訳ありません。

建畠さん・鞍田さんの河口作品への視点は、ぜひ展覧会図録で。加えて、河口さんのエッセイも掲載されていますよ。会場でぜひご覧ください(図録のお話は連載第5回目で!)。

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展覧会図録
特別価格:500円(税込)

編集:秋田美緒(川口市立アートギャラリー・アトリア)
翻訳:工藤亜由美
撮影:齋藤さだむ
   ※一部編集者撮影
デザイン:中新(Lallasoo Poopo Lab.)
印刷・製本:有限会社山北印刷所

※ご予約いただいているお客様への発送を完了しました!
 お手元にまだ届いていないよ、という方は申し訳ありません、お問い合わせくださいませ。

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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)
※10月12日(水)、11月1日(火)に展示替え予定

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)

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by atlia | 2016-11-11 09:54 | 企画展
時間の位置の物語(5)―物語を残すこと
好評開催中、平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉。会期もそろそろ折り返し。
本展がより楽しめる情報をスタッフ目線でお届けする「時間の位置の物語」、連載第5回目となりました。
今回は、お待たせしました!本展図録のお話。

本展の図録は、当館会場でより意味を強くする作品や大型インスタレーションを記録してみなさまにお届けするため、会期中の発行というご案内をしておりました。現在は予約を承っております。
会場に作品が入ってからこれまで鋭意編集を続けてまいりましたが…いよいよ明日10月30日(日)より会場でみなさまにお手にとっていただけます!
今回は河口龍夫さんのエッセイのほか、建畠晢さん(埼玉県立近代美術館館長・多摩美術大学学長/美術評論家)や鞍田崇さん(明治大学理工学部准教授/哲学者)にもご寄稿いただいた豪華仕様、すべて日英併記です。

出品作品の撮影は作品が会場に並べられてからすぐ、展覧会公開の直前に行いました。
実は、当館で作品を撮影するのは、とっても難しいんです。それは、外からの光が入るから。
ガラス張りの空間は開放的な雰囲気で当館のひとつの特徴にもなっているのですが、アート施設ではちょっと珍しいつくり。
そういった場所で正確に色を判断するため、カラーチャートを手で持って撮影したりするのですよ。
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助手さんがお手伝いしてくれています。

フォトグラファーさんが撮りおろしの写真は、すぐにデザイナーさんの元へ送られます。
それをレイアウトした原稿のデータを印刷会社さんにお渡しすると、「色校」と呼ばれる試し刷りを出してくれます。印刷の状態を見て、作品の色がちゃんと再現されているか確認します。
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ここはもう少しコントラストを上げてはっきり黒っぽく…この部分は少し明るくして…など、デザイナーさんと打合せを重ねるのも展覧会担当のお仕事。少し調整が必要な写真はデータを修正してもらい、再び印刷会社さんへ。

本文の印刷の間には、表紙の準備が進められていました。
本図録は表紙もこだわりの仕様。チラシにも採用した銀色を箔押ししました。箔押しとは、その名のとおり、インクでなく薄い箔を紙に圧着させる印刷方法。箔を専門とする印刷関係の会社さんもあるくらいなんですよ。
紙と箔を専用の機械に挟み、がっちゃんと重みをかけます。
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すると重みがかかった部分だけに箔がくっつき、イメージが印刷されたように紙に残ります。
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艶消しの銀が灰色の紙に映える、渋いデザイン。更に銀色の部分には多少のエンボス加工(凸凹をつけること)を施しました。

更にその表紙に味を加えるのは、背景に印刷された白いインク。これはいったい何の模様かな…とすぐに判断はつかないかもしれません。
実は、これ、当館の床、なんです。…そう言われても、ぴんとこないかもしれませんね(当館の特別は床については連載第1弾記事で!)。
実は、これは河口さん自ら当館の床をフロッタージュしてくれたイメージを印刷しています。
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「フロッタージュ」は刷り取りとも呼ばれる絵画技法ですが、凸凹したところに紙を置き、その表情を鉛筆など固めの画材で写し取るもの。河口さんは、刷り取る対象が過ごしてきた「時間に触れる」行為ととらえています。
つまり、今回の図録の表紙はアトリアが過ごしてきた時間に河口さんが触れた、その痕跡を表現したもの。それを薄く白いインクでのせて背景にしているのですね。

そこに本文部分が印刷されたものが挟み込まれ製本されると、図録の完成!
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完成した図録は、またお手に取っていただいた方の元で、新たな時間を刻んでいくのを待っています。
色々な方にご協力いただき完成にいたった自信作です!ぜひ会場でご覧ください。

販売開始の10月30日(日)にはご寄稿いただいたお2人(建畠さん・鞍田さん)と河口さんのトークセッションもありますよ!お楽しみに。


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展覧会図録
特別価格:500円(税込)

編集:秋田美緒(川口市立アートギャラリー・アトリア)
翻訳:工藤亜由美
撮影:齋藤さだむ
   ※一部編集者撮影
デザイン:中新(Lallasoo Poopo Lab.)
印刷・製本:有限会社山北印刷所

※ご予約いただいているお客様には順次発送してまいります。もう少々お待ちくださいませ。
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2016年10月30日(日)16:00~17:30(開場15:30)
トークセッション いとおしき「時間」たち
登壇:河口龍夫(出品作家)、建畠晢(美術評論家/埼玉県立近代美術館館長)、鞍田崇(哲学者/明治大学准教授)
参加費:500円(展覧会観覧料込)
※当日のみ開館時よりチケットを販売いたします(事前申込不要)
http://atlia.jp/ws_lecture/

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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)
※10月12日(水)、11月1日(火)に展示替え予定

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)

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by atlia | 2016-10-29 16:06 | 企画展
時間の位置の物語(4)―レポート!ワークショップ[闇を封印する]
好評開催中、平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉。
本展がより楽しめる情報をスタッフ目線でお届けする連載:「時間の位置の物語」、はやくも第4弾!
今回は10月8日(土)、オープン初日に行ったワークショップ[闇を封印する]のレポートです。

ワークショップ[闇を封印する]では、本展で初公開となる注目作品《DARK BOX 2016 ―地下からの闇》の仕上げを行いました。
当館のまさに隣で建設中の「並木元町地下調整池」にできる闇を、川口市の鋳物技術を生かした箱によって封印する(切り取る)ことで、本作は完成します。その構想・意志については、第1弾記事をご参照くださいね。

さて、本番当日、午前中は雨だったものの、午後が近づくにつれて晴れてまいりました!
今回は講師としてご一緒いただく河口龍夫さんは、相当な晴れ男だとか。少し霧雨っぽく残ったものの、無事に工事現場にアクセスすることができそうな天気に。

まずはアトリアの建物内で、今回のワークショップの意図・作業工程、さらにこれから降りていく「雨水調整池」のお話をしました。
今回は川口市下水道部の全面協力!工事担当者の方から、このインフラ整備の理由などをお話しいだきます。
さらに、調整池内で何を行うのか簡単にお話ししてくださったのは、協力者の河口祐毅さん。いつもDARK BOX封印のワークショップをコーディネイトしている方です。
20本のボルトによって固定されるDARK BOXの底と蓋ですが、そのボルトの1本ずつを参加者が担当する、というお話をいただきました。

と言っても、すぐにはピンと来ないかも?ということで、実際に工事現場へ移動。もちろん全員ヘルメット!
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ここから地下30mに階段で潜っていきます。コンクリートの階段室を慎重に降りると…
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とても広い空間にでます。ここが実際に雨水がたまっていく水槽の部分。圧倒的なスケール感!

DARK BOXの底と蓋は、その中でも雨水の入り口として少し凹んだ小部屋のように設計されている部分に置かれました。
参加者と講師・協力者が入るともういっぱいになるほどの大きさの空間です。
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懐中電灯で照らしながらBOXの準備。

まずはリハーサル。参加者のみなさんはそれぞれに番号とボルト・ナットのセットをもらいます。全部で20本あるボルトはそれぞれに番号がつけられており、対応する穴に自分の手でボルトを入れ、ナットで締めていくのです。
最初はそのボルト・ナットの使い方に慣れるため、あるいはBOXとの距離感をつかむため、目をつむってその作業を練習してみます。何故目をつむるのかって、それは本番は真っ暗闇で同じ作業をしないといけないから。
こわごわBOXと小空間の壁を行き来する参加者のみなさま。
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ボルトを蓋側から落とすように入れ、ナットを下からあてがって回します。
どきどきしていると、結構時間がかかるもの。「ナットを落としそう!」などという声も聞こえてきます。本番、大丈夫かな?

懐中電灯を落とせば、辺りはもう真っ暗です。普段は経験したことのないほどの暗闇に、ちょっと驚く参加者も。
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もちろんカメラにも何も映りませんね。いや、闇が写っていると言うべきでしょうか。

視覚で捉えられる情報が闇だけである以上、「音」が重要な役割をしはじめます。講師・協力者によってBOXの上下が合わされるのも、鉄やパッキンの擦れる音が耳に届くことで感じるのです。
ここで重要なのは、自ら声を上げて自分の動きを知らせること。協力者の「闇が中に入りましたよ!1番のボルトの人からお願いします!」という声にならって、「では、1番、いきます」という、別の声。最初の参加者が暗闇の中でBOXへと近づいていったことがスムーズに知らされました。
続いて、かちゃかちゃというような金属音。ボルトと鉄の箱が触れあい、さらにナットが回る音です。
「閉まりました!」そして手探りで壁ぎわに戻っているだろう時間があり…「1番、戻りました。」
そして、2番、3番と参加者が続きます。小さな空間は、参加者の熱気で少しずつ暑くなっていくよう。
ナットを落とすのでは、という不安はどこへやら。少しずつ「あ、今触った!」といったような、少しの恐怖と戦うような声はするものの、闇のなか、ずっとそばで活動すると自然と人との距離が縮まるような感じがするみたい。

ようやっとすべてのボルトが閉まると、自然と拍手が起こります。
「封印が完了しました!電気お願いします!」ここで懐中電灯をつけると、一瞬、目が慣れずにとても明るく感じます。
中央には、まさに生まれたばかりの闇を抱えた、《DARK BOX 2016 ―地下からの闇》。

最後は調整池の中央に作品をおいて、記念撮影。
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こう見ると小さな箱かもしれませんが、多くの人の協力によって、今までにない「地下の闇」がここに切り取られたことになったのです。
これから先なかなか入れないであろう雨水調整池の中での制作は、地域にとって重要なポイントとなっただけでなく、DARK BOXシリーズの中でも特異な制作過程を踏んだものとなりました。
参加者のみなさま、ありがとうございました!

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本作はもちろん会場で公開しています。
不思議なのは、このBOXに闇が封印され、それを光の中で鑑賞している、ということ。
つまり、光の中で闇を認識するということ。河口龍夫さんは、わざとこの作品にスポットライトを当て、強く光と闇を感じるように展示しました。

闇が生まれた現場である地下調整池の中にはもう入れません。しかし、本作でその中にある闇と同じものと対峙することができます。
この現場に掘り起こされた、「闇の時間」。ぜひお楽しみに、会場でご覧くださいませ。

(撮影:齋藤さだむ)


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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)
※11月1日(火)に展示替え予定

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)
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by atlia | 2016-10-16 10:55 | 企画展
時間の位置の物語(3)―フライヤーの物語
平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉、
10月8日(土)からの連休にオープンしております。本日12日(水)の展示替えも完了し、皆さまをお待ちしております。

本展がより楽しめる情報をスタッフ目線でお届けする「時間の位置の物語」、第2弾は題して「フライヤーの物語」。
今回のフライヤーとポスターのビジュアルは、こちら!
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モノクロームの印刷に黄色い縁取りが印象的なデザインです。

メインビジュアルとしての作品は、第1弾の記事でお話しした「地下雨水調整池」にできつつある闇から《DARK BOX 2016》の中に位置する「闇」がまさに切り取られていくイメージを、河口龍夫さんがドローイングで表したもの。
本展の物語がはじまる機軸となった瞬間を描いたものとも言えるでしょう。あるいは、このドローイングによって物語がはじまったと言えるかもしれません。

しかし、お手元にフライヤーをお持ちの方、「おや?」と思われた方はいませんか?
もしかしたら、こんな感じのものをお持ちではありませんか?
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もしくは、こちら?
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これ、かも?
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実は、今回のフライヤーは、4種類もあるんです!

お話しした通り、これは《DARK BOX 2016》を制作予定の「地下雨水調整池(円筒形の地下水槽)」をドローイングしているものですが、それぞれ表している瞬間や観点が違います。
例えば、《DARK BOX 2016》が関係する前。入っている瞬間。闇を部分的に切り取った後。さらに、そこに延々と流れてきた・流れていくだろう時間。
それぞれに異なる「円筒形の闇」が、描かれているのです。

そしてもうひとつの異なるポイント、お気づきになった方がいるでしょうか。
作品画像の右当たり、蝿が飛んでいます(ちょっと画像見えづらいかも)…彼が飛んでいる位置も、ちょっとずつ異なるのです。
フライヤーだけに、フライが…、などというおやじギャグでなく、この蝿も、もちろん無意味に飛んでいるのではありません。
彼がどうしてここにいるのか、それは…ぜひ会場で!見つけるのを楽しみに、いらしてください。

もちろん会場であるアトリアは、すべてのフライヤーをそろえてお待ちしております。
が、しかし、部数限定発行のため、恐縮ながら在庫限りの配布です!全部ゲットしたいという方はお早めにご来館くださいませ。


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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額!(他の割引制度と併用不可)
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by atlia | 2016-10-12 09:19 | 企画展
時間の位置の物語(2)―河口龍夫さんのこと
平成28年秋の企画展/開館10周年記念事業第2弾〈河口龍夫―時間の位置〉、もうすぐ開催。
こちらのブログではスタッフ目線で本展を紹介する「時間の位置の物語」を関連連載企画として発信しています。会期中も前後も気まぐれ更新!

第2弾はアーティスト:河口龍夫さんのこと。本展における展示作品のひとつ《「陸と海」からの時相》と併せて、ごく簡単にご紹介します。

チラシ等々では、河口さんを「普遍的に在るものごとを可視化することで世界を捉えなおすアーティスト」と紹介しています。住居兼アトリエでの打ち合わせ中、「制作を日常と切り離したくない」という姿勢についてお話くださいました。
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どこか飄々としたあたたかな口調でありつつも、確固たる言葉で自身の芸術家としての視点を語る河口さん。

最初は画家になりたいと思っていたけれど、しかし表現したいものが見つかるたびに素材や手法を変える方が自然になっていったと言います。そして「芸術家としか言えないような生き方のきっかけ」を見つけるに至りました。
例えば、何かの瞬間を切り取るためには、写真を採用しようと考える。見えない・触れられないものに重みをもたせるためには、金属を採用しようと考える。

その頃に生まれたのは代表作のひとつとして知られる《陸と海》。26枚の写真による作品です。
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(画像:作家提供)
発表は1970年。河口さん30歳の頃。
海岸に置いた4枚の板が波に洗われ移動しつづける様子を「向こうから呼びかけられた」瞬間にシャッターを切り捉え続けたこの作品は、「陸」と「海」の間に板という他者を置くことによって、その2つの関係をより鮮明に写し出そうとしたもの、と言えるでしょうか。
「関係」というキーワードは、自身が世界とかかわる視点として河口さんが一貫して提示したきた言葉です。

最近ではこういった作品を見返して、過去に表現したかったことを振り返りながら、そこに新しい厚みを見出すことに興味を抱きはじめたと言います。
アーティストとしての道のりが長く、さらに真っすぐな視点を持っているからこそできる、自身の手による「時間の超越」。

2016年の今、その《陸と海》を振り返り、また新しく意味を見出そうとしたのが《「陸と海」からの時相》。
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(撮影:齋藤さだむ)
写真を窓のように貼った紙の上、その続きを鉛筆で描き足していった、8枚のドローイングです。
写真として写らなかった部分や時間に興味を抱くこと。それを想像力・表現力で広げていくこと。
世界とのかかわり方に、また新しい観点を提示すること。

河口さんは「作品は自分自身にとっても問い」だと言いました。それを目の前に、誰かと一緒に世界とのかかわり方について考えることができる、そういう存在として捉えているのです。
その真摯な向き合い方があるからこそ、不器用とも言えるほど真面目に、あるいは単純化された手法を繰り返し、あるいは純粋な客観的視野を持って、表現を「日常化」していきます。

そして、本展における大きなテーマ「時間」は、日常とは切っても切り離せず、しかも誰にとっても平等であるという稀有な「概念」。実体のないそれを掲示するのは難しいということはわかっていながらも、あえて今回はそれを作品化したものを集め、さらに新作にも取り組んでくれた河口さん。
《陸と海》における「4枚の板」のように、「時間と私たち」の間に入る「他者」を、本展ではいくつかのキーワードとして挙げています。「闇」「地下」あるいは「生命」。そしてそれらが集まり、交差する「現場」。
そして、そのなかで自身の位置を探ること。「時間の位置」は、誰にとっても無関係ではありません。

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河口さんのお話を直接聞いていただくことができるトークイベントを、展覧会のオープニングの一環として開催します。それも題して「時間の位置から」。
どなたでもお気軽にご参加いただけますので、ぜひご来場くださいませ。

オープニングイベント[時間の位置、地下の闇]
アーティストトーク:時間の位置から
10月8日(土)16:30~18:00

参加無料(観覧料別途)
事前申込不要、開始時間までに会場にお越しください。
※お席の限りのご案内

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川口市立アートギャラリー・アトリア
開館10周年記念事業第2弾/平成28年秋の企画展
〈河口龍夫―時間の位置〉

時間は、現場に掘り起こされる。

2016年10月8日(土)~11月26日(土)
10:00~18:00(土曜日のみ20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月10日(祝)は開館、翌11日(火)は休館)
※10月12日(水)、11月1日(火)に展示替え予定

観覧料:300円(高校生以下無料)
※開館10周年記念リピーター割:当館ロゴの入っているチケットやチラシ(本展のものを除く)を受付でご提示いただいた方は半額(他の割引制度と併用不可)
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10月3日(月)~7日(金)は展示入替のため臨時休館とさせていただきます。ご了承ください。

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by atlia | 2016-10-06 16:08 | 企画展



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