この日、あいにく寒い雨の日となりましたが、元気いっぱいの小学1.2年生16名にご参加いただきました。
講師は新生呉羽さん(美術家/舞踊家)。身体をいっぱい動かしながら、工作もダンスも、みんなで色々できちゃう欲張りなワークショップです。
しかし、ヤドカリごっこと言われても、どうしたらよいやら。妙な格好の人たちがたくさんいるし…。
戸惑い気味の参加者も見られましたが、やどかりのお家だというテントに全員を集めて新生さんがお話をしだすと、その世界に引き込まれていきました。
ヤドカリたち(参加者)が海で暮らしていたところに、たぬきたちが遊びにやってきます。そう、先ほどの妙な格好をしていた人たちはたぬきだったのです。いつの間にかテントの周りに集まって一緒に話を聞いています。
そこでヤドカリたちはよりヤドカリらしく成長するため、色々な動きを学習してみようと話し合います。
新生さんに連れられて、身体を動かしはじめる小さなヤドカリたち。海に見たてた白い会場を自在に動きまわりはじめます。
こそこそ小さく歩いたり、ちょきちょきハサミを動かしたり、ぴょんっと足を上に持ち上げて貝に入ったり、波にのってぐるぐるしたり。ヤドカリらしくなってきたぞー!
どうやって探せば良いかな?そこでなんでも相談しようと約束したたぬきたちに知恵を借りに行こうと相談します。
しかしたぬきたち、すぐにはうなづきません。「本当にあのときのヤドカリたちか?随分大きくなってるぞ」「ヤドカリだっていう証拠を見せてよ」
ヤドカリたちは「じゃあ僕たちのヤドカリダンスを見せるから、そしたら手伝ってくれる?」と交渉します。練習した身体の動きを活かしてヤドカリダンス!
取り出したのは半透明の不思議な紙。新生さんとたぬきたちは、ここから貝殻をつくろうというのです。
くしゃくしゃとシワをつけながら、何枚かをつないでいきます。これで本当に貝殻ができるのかな?ちょっと疑わしいけれども、ぺたぺたと工作を楽しむヤドカリたち。
たぬきも一生懸命手伝ってくれました。つなげた紙を丸めていくと、いつの間にか貝殻ができてきた!
かたちが見えてくるまでは少し時間かかかったけれど、がまんしただけ立派なものができました。
更にぺたぺたとシールを貼って、ヤドカリの新しいおうちの完成です!
まるで本物のヤドカリみたい!大きな空間いっぱいに海や砂浜が広がっていくのが見えるようです。たぬきもいつの間にか一緒になって、わいわい賑やか大さわぎ!
しかし楽しい時間にも夜がやってきて、あたりは暗くなりはじめました。
ヤドカリごっこはここで終わり。でも参加者たちには白いシートがまだ砂浜に見えている様子。
ずっと遠くへ泳いだかのような心地よい疲れと充実感が漂います。
ダンスして、工作して、ヤドカリに「なりきる力」が磨かれて。普段よりずっと思い切って表現をすることができた時間となりました。