ATLIA STAFF BLOG
第9回アーティスト・イン・スクール No.6 最後の授業&発表展終了
川口市内の小・中学校の図工・美術の時間の中で、第一線で活動するアーティストやデザイナーが講師として授業を行う長期プログラム[アーティスト・イン・スクール]。
今年度は[補正作業 ―新しい「世界」のみつけ方]と題し、土屋貴哉さんと市立元郷中学校2年生が一緒に9月中旬から今まで、長きにわたり活動しました。

先週末12月7日(日)をもって、アトリアで行った成果発表展が終了。
その会場の中で行われた最後の授業も終了し、生徒が参加するプログラムもすべてが終了いたしました。
このブログでは、普段はなかなか見えない学校の中の様子をレポートしてまいりましたが、それも今回で最後の更新!

最後の授業では、発表展会場の見学とまとめのお話を行いました。
元郷中学校からバスに乗り込みアトリアへ!普段とは違う学外での授業にわくわく。
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アトリアでは、土屋さんが待っています。まずはあいさつ。
学校での最後の授業からおよそ1か月経ってからのこの授業、随分久しぶりな気分です。
見学の前に、土屋さんは「せっかく他のクラスの作品も一緒に飾ってあるので、お気に入りの『変』をみつけてみよう」と投げかけました。
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発表展の会場では、作品それぞれにキャプションなどがついていません。
観にきてくださるお客様にも配られた、おおよその展示位置がかかれたマップがあります。
それをもらって、さっそく「変」を探しにいく生徒たち。
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自分でつくったものはどこ?お、全然知らない「変」もあるぞ。
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今まで班活動していた中で、自分たちの作品をなんとかつくりあげ、
クラス内発表会ではじめて知った作品もあったのですが、他のクラスで出来た作品を見たことはありませんでした。
発表展会場では、中学校の建物そのものにくっついていて本物を持ってこられなかった作品もあったけれど、自分たちの班では思いつかなかったたくさんの「変」に出会えました。

自分の作品を確かめてみると、意外な変化をしているものもありました。
映像作品では、土屋さんが編集でテロップをつけてくれたり。写真作品は大きく引き伸ばされて並べられたり。
立体作品も学校の机でなく、展示台に乗っていたりするだけで、今まで見ていたものとはちょっと違う印象に。
学校の中から飛び出した「変」は、また新しい存在感を持って、生徒たちの前に現れたようです。
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ひととおり見学が終わったところで、土屋さんは全員に集まるように指示します。
会場で見つけた「変」について、どんなものが見つかったか、それが良かった理由などを質問しました。
やっぱり全員の前で話すとなると少し緊張するけれど、他の作品の良いところをお話した生徒たち。
最初は「変」もぴんとこなかったのに、とっても細かいところまで気が付くようになりました。表情も随分柔らかくなった気がします。
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そこで土屋さんは、こんな質問も。
「マップに載っていなかった『変』を見つけた人はいる?」
おっと、そんなものあったのか?しかし、ここでも手は早速あがりました。
「時計がさかさまになってる!」「写真にうつっていたヒヨコが会場の中にもいた!」
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これらは土屋さんが会場内に展開させたもの。生徒たちの作品に関連していたり、こっそり遊び心でつくったものたちです。
作品として「変」をつくる以外にも、「当然のように」そこにあるものをじっくりみてみる。疑ってみる。この授業で身につけたかったのは、そんな姿勢でした。

今回の授業の目的は、日頃「当然だよね」「ルールだから」と思いこんでしまっていることを見直し、自身の視点・視野や価値観を「補正」すること。
ルールから少し外れている状態を「変」と定義しそれらを発見する・制作することから、学校生活の中にも新しい世界を見出だすこと。
土屋さんは最後に、生徒たちにプリントを1枚配りました。
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ここには、今回の授業で土屋さんが最も伝えたかったメッセージが書いてありました。
今まで笑いながら・驚きながら作品を鑑賞し常に笑顔だった生徒たちも、一転して真剣な顔で話を聞きます。

わたしたちは、「ルール」に合わせていつも都合よく世界を見ている。
都合よく見てさえいれば、それでいいのだろうか?
ルールとは、経験・知識・常識で出来ている。
「変」とは、ルールに照らし合わせて考えると、ちょっとだけズレていること。
「変」とは、半分ルールを守って、半分ルールを外れていること。
そして、「変」を考えるとは、
わたしたちがこの世界とどのように関わっているのかを
見直す作業

それは、美術の授業の中だけの話ではありません。
色々なことを、見ながら・触れながら・学びながら、歩いていく上で、もしかしたら、役に立つ。
これから多くのことに出会う生徒たちに、土屋さんは「世界へのかかわり方」をどう捉えるか、自分を見直す作業の一端を、この授業で伝えたのでした。

およそ3カ月に及ぶプログラムも、この授業で終了。
最後、バスに乗り込む前に、土屋さんは今までの授業の記録として、撮っていた写真をたくさんプリントしてプレゼントしました。
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でも、それ以上に、生徒たちがこれから、この授業で学んだ「補正作業」を少しでも振り返ってくれたら良いな、という気持ちをこめて。
さみしい気持ちもするものの、今までにない挑戦をし、自身を「補正」する作業に触れた生徒たちが、これからどういう成長をするのか、とっても楽しみ。


成果発表展には、1,164名のお客様にご来場いただきました。
会場ではマップをお配りし作品を探しながらご覧いただくとともに、生徒たちが実際に取り組んだ『「変」分析シート」も配布。
その「『変』分析」には、のべ282名様にご参加いただきました。
いただいたご意見・ご感想、また分析結果は、この授業の記録として生徒たちに届きます。今後にきっといかされていくことでしょう。
多くのお客様のご来場、またご協力、ありがとうございました!

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第9回アーティスト・イン・スクール
〈補正作業-新しい「世界」のみつけ方〉
土屋貴哉(現代美術家)×川口市立元郷中学校2年生107名

授業期間:2014年9月18日(木)~12月4日(木)、全10回
成果発表展:2014年11月22日(土)~12月7日(日)、全15日間

主催:川口市教育委員会
企画:川口市立アートギャラリー・アトリア

撮影・協力:Naomi Negishi

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by atlia | 2014-12-12 10:23 | 学校×アトリア
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