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ATLIA STAFF BLOG
鑑賞プログラム「アートウォッチング」を実施しました!
H26年春の企画展〈フィールド・リフレクション〉では作品1点1点についての興味を深めていただこうと、会期中4回にわたり鑑賞プログラム「アートウォッチング」を企画しています。

初回となった3月22日(土)には、アート大好き!という女性3名と、プログラムの内容に興味があり参加したという男性1名とともに、作品世界をじっくりと味わいました。
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まずは、スタッフと参加者が簡単に自己紹介。
今回は事前に本展をご覧になっていた方ばかりだったので、展示作品の中から気になった作品を1点ずつ選んでいただき、選んだ理由とともに自己紹介していきました。
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次に、参加者それぞれが選んだ作品を1点1点鑑賞しました。
1分間ほど皆で静かに作品に向き合った後、それぞれに思ったことや気になったことなどを自由に話して頂きました。
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本展のメインイメージにもなっている本橋成一さんの《バオバブの記憶》では、
「チラシで見ていた時は近所の安行(川口市内の地名)あたりの風景なのかと思っていたけど、土の感じとか物を運んでいる人のシルエットをよく見ると、違うな、日本じゃないなと思った」
という感想から始まり、
「乾燥した空気や大地を感じる一方で、中央の木は乾いていないように感じる」
という言葉を受け、
「私も乾いていないと思うし、むしろこの木はたくましく生きてるんだなぁと感じる。とても大きくて包まれるような感覚が気持ちいい。枝は枯れているように見えるけど、地面に小さな木々が緑の葉を出しているからかな?」
という発言がありました。またそれに対して、
「いや、逆光で分かりにくいけど、よく見ると中央の木にも葉が出てますよね。生きてるんですよ」
という言葉に「おお、本当だ!」と一同で納得。
さらに、
「奥の建物の風景や人が写っていることで生活感を感じるのに、中央の大きな木には神聖さを感じる。生活感と神聖さが一緒になっているのが不思議」
という感想に対し、
「空気が霧がかかっていて、木の枝の向こうから差し込む太陽の光が神聖さを感じさせるのでは」
「朝もやの中に朝日が昇っているんじゃないかな。もしかしたら夕方かもしれないけど、この一日がはじまる感じ、神聖な感じから、私は朝だと思う」
という意見も出ました。
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この後に、本橋成一さんの他の作品1点と、田中みぎわさんの作品1点を同じようにじっくりと鑑賞しました。
最初は少し緊張した面持ちだった方も、作品を重ねるごとに自分なりの感想や疑問を自由に発言するようになり、他の参加者の発言を受けてさらに発見があるなど、1時間半を皆で満喫することができました。
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個々の作品鑑賞の後には、スタッフから作家の制作姿勢や作品がつくられた背景をお伝えしましたが、どの作品でも参加者同士の発言がすでに核心を得ていて、皆さんの見つめる力の確かさを感じることができました。

「アートウォッチング」は今後も以下の日程で実施します。いずれもまだ定員には達していませんのでお気軽にお問い合わせください。

鑑賞プログラム「アートウォッチング」
4月6日(日)13:30~15:00
4月19日(土)13:30~15:00 ※視覚に障害のある方とない方が一緒に楽しむ回
5月10日(土)13:30~15:00 ※聴覚に障害のある方とない方が一緒に楽しむ回(手話通訳・ノートテイク付き)

詳細は下記のページをご参照ください。
http://www.atlia.jp/ws/ws_kids.php
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by atlia | 2014-03-26 12:13 | ワークショップ