長い時間をかけて活動してきた、アーティスト・イン・スクールの授業も最後になりました。
安行地区では同時開催として、生徒たちの制作した作品が町に並んでいます。
アトリアでは、初夏から始まった活動記録のパネル展示と、アーティスト開発好明氏のインスタレーション作品が展示されました。インスタレーションには、生徒の作品の一部や、ラフスケッチ、そして試作のミニチュアや、事前リサーチした「ワークシート」や「マップ」などが取り入れられています。
会場に数多く設置されたスピーカーからは、生徒たち一人ひとりの「将来の夢」が流れます。
5メートルある天井まで伸びた安行の植木は、生徒たちの「将来の夢」を養分としてぐんぐん成長してゆくイメージだそうです。
洗濯機に植えられたみかんの木、
お風呂に植えられたももの木、
タンスに植れられたモミジ、
冷蔵庫に植えられたつげの木・・、
それらは、個性あふれる生徒達のようにみえました。
今回のアーティスト・イン・スクール「安行行脚」での成果を、担当者の目線でまとめてみると以下のように感じられました。
●地域活動・・生徒が地域へ出向くことで、地域の特性を知り、確認することができた。また、地域住人との交流は双方の興味や理解への第一歩となった。
●共同制作・・共同作業の大変さを通じて、一緒に喜ぶことのできる仲間を確認し、絆を深めることとなった。
●アート・・美術(アート)はさまざまな角度から見ることができることを確認できた。
そして、後日学校から送られてきた生徒の感想文の中から一部を紹介します。
≪アーティスト・イン・スクールを終えて≫
一組・・イチリン草自生地に案内版の制作
・なんでも自分たちで決めて、なんでも自分たちで考えて、なにを作るかも自分たちで決めなければならない事を学んだ。
・僕はあまり美術が好きではなかったけど、今回はとても面白くて、これから美術の時間をちゃんと集中して絵を描きたいと思いました。
・開発さんやスタッフの方やボランティアの方から沢山のアイディアを学びました。このアーティスト・イン・スクールでは自分の発想をフルに活用できました。
二組・・植木屋さんに大きな看板を制作
・看板をつくることは大変だけど、人を喜ばせることはもっと大変なことだと気がつきました。
・共同制作は、仲良くない人ともしなくてはならない事があることがわかりました。でも協力することの大切さもわかりました。
・この活動は“やりがいがある”と感じました。ほめられて嬉しかった。
・植木屋さんが喜んでくれた。最後まで作業を頑張って、「嬉しさ」や「楽しさ」というものが分かった。
・はじめは「面倒臭いなぁ。」とおもっていましたが、最後はみんなすごく楽しそうに活動していました。自分のクラスだけでなく、他のクラスもすごく頑張っていました。いつも雨で 嫌でしたが、雨の中でもみんな真剣に取り組んでいて「すごい」と思いました。もしもう一回できるならやりたいです。
三組・・お店をドレスアップ
・地域の方々は思っていた以上にやさしかったので、嬉しかった。
・私たちは沢山の人に支えされているんだと思いました。普段色々と迷惑をかけてしまっているんだな。。と思いました。美術を通して人と関わることの大切さを学びました。アーティスト・イン・スクールというものに参加できたからこそ、味わえた気持ちだとおもいました。
・私たちがドレスアップしたお店はどうなったでしょうか。これを切掛けに商売繁盛していたらとっても嬉しいです。
四組・・町の清掃活動とゴミアニメ
・いつも雨で寒いし、大変だったけど、楽しみながらも真剣に行ったアーティスト・イン・スクールはクラスの絆を深めることにつながった。作品が完成した時は、みんなで喜びを分かち合うことができた。
・地域をゴミ拾いした。自分の町が思っていた以上に汚れていたことを知りました。これからはもっとゴミをなくす活動に取り組みたいと思いました。
・アーティストの方や、アトリアのかた、ボランティアの方が雨の中、一生懸命だった姿を見て、自分も頑張ろうとおもった。
・ゴミ拾いは始めやだなあ~と思っていたけど、やってみるとそうでもなく、いいことしているな、という気持ちになりました。完成した作品を一緒に笑いあえる仲間がいることが嬉しかったです。
・ゴミはリサイクルするのも大切だけど、ゴミを捨てるのはよくないとおもいました。注意できる人間になりたいと思いました。自分でも気をつけて、埼玉県をきれいにしていきたいです。そうしなければ、水の中に住んでいる魚が死んでしまうと思いました。